はじめに
システム安定稼働のためには、日ごろから運用システムのリソース状態を確認しておくことは非常に重要です。
今回は、OCI上の下記構成の2つのBase Databaseのリソース(メトリック)表示、また、その確認方法ついてみていきます。
前提条件
- Base Databaseが作成されていること
- 管理者権限(administratosグループ所属) or 必要なIAMポリシーがあること
メトリック・ネームスペースとサービス・メトリック
メトリック・ネームスペースとサービス・メトリックがわかるとモニタリングを効果的に利用できます。
-
メトリック・ネームスペース(oci_****)
- メトリックがまとめられている
-
サービス・メトリック
- 複数リソースのメトリックを一括で表示(同一リージョン, 同一コンパートメント内)
- メトリック・ネームスペース内の全メトリックを表示
補足
CDBはデフォルト(無償)でメトリックを確認できるが、PDBのメトリック確認する場合は、別途有償サービスが必要
Base Databaseのメトリック・ネームスペース
Base Databaseで利用可能なメトリック・ネームスペースは、下記2つになります。
- oci_database_cluster(Databaseシステム)
- oci_database(Database)
oci_database_cluster(Databaseシステム)
DBシステムの詳細>メトリック(画面左下のResourcesから選択)
※上記の遷移をすると、自動的にoci_database_clusterが選択されます。
No. | メトリック表示名 | メトリック名 | 説明 |
---|---|---|---|
1 | CPU使用率 | CpuUtilization | CPU使用率 |
2 | メモリー使用率 | MemoryUtilization | スワップせずに新しいアプリケーションを起動するために使用できるメモリーの割合 |
3 | スワップ使用率 | SwapUtilization | 合計スワップ領域の使用率 |
4 | 負荷平均 | LoadAverage | 5分間のシステム負荷平均 |
5 | ノード・ステータス | NodeStatus | RAC環境でホストにアクセスできるかどうかを示します |
6 | ASMディスク・グループ使用率 | ASMDiskgroupUtilization | ディスク・グループで使用されている使用可能な領域の割合 |
7★ | ファイルシステム使用率 | FilesystemUtilization | ファイルシステムの使用率 |
8★ | 割当て済OCPU | OcpusAllocated | 割当て済OCPUの数 |
※★の項目は、Base Database個別画面上で非表示なため、サービス・メトリックから確認します。
oci_database(Database)
DBシステムの詳細>データベースの名前選択
※上記の遷移をすると、自動的にoci_databaseが選択されます。
No. | メトリック表示名 | メトリック名 | 説明 |
---|---|---|---|
1 | CPU使用率 | CpuUtilization | すべてのコンシューマ・グループにわたって集計された、パーセントで表したCPU使用率 |
2 | ストレージの使用率 | StorageUtilization | ストレージ容量のうち、現在使用中の割合(すべての表領域の割当て済領域の合計) |
3 | DBブロック変更 | BlockChanges | 1秒当たりの変更されたブロックの平均数。 |
4 | 実行数 | ExecuteCount | 選択した間隔中にSQL文を実行したユーザー・コールおよび再帰コールの数。 |
5 | 現在のログオン | CurrentLogons | 選択した間隔中に成功したログオン数。 |
6 | 解析数 | ParseCount | 選択した間隔中のハード解析とソフト解析の数。 |
7★ | トランザクション数 | TransactionCount | 選択した間隔中のユーザー・コミットとユーザー・ロールバックを合せた数。 |
8★ | ユーザー・コール | UserCalls | 選択した間隔中のログオン、解析および実行コールを合せた数。 |
9★ | 使用済ストレージ領域 | StorageUsed | 収集時にデータベースによって使用されたストレージ領域の合計量。 |
10★ | 割当て済ストレージ領域 | StorageAllocated | 収集時にデータベースに割り当てられたストレージ領域の合計量。 |
11★ | 表領域による使用済ストレージ領域 | StorageUsedByTablespace | 収集時に表領域によって使用されたストレージ領域の合計量。コンテナ・データベースの場合、このメトリックはルート・コンテナ表領域を提供します。 |
12★ | 表領域による割当て済ストレージ領域 | StorageAllocatedByTablespace | 収集時に表領域に割り当てられたストレージ領域の合計量。コンテナ・データベースの場合、このメトリックはルート・コンテナ表領域を提供します。 |
13★ | 表領域によるストレージ領域使用率 | StorageUtilizationByTablespace | これは、収集時に表領域によって使用されたストレージ領域の割合を示します。コンテナ・データベースの場合、このメトリックはルート・コンテナ表領域を提供します。 |
※★の項目は、Base Database個別画面上で非表示なため、サービス・メトリックから確認します。
メトリック画面
下記ハイライト部分項目を変化させることで、モニタリング結果を分析可能です。
- 開始時間と終了時間枠(過去90日分)
- 統計
- 平均, 最小、最大等
- 期間内における間隔
- 自動, 1分, 5分, 1時間
- メトリックにより最小の間隔が異なる(例:CPU使用率は5分, ストレージ使用率は1時間)
- 期間が長い場合、間隔は限定される(例:時間範囲1時間の場合はすべての間隔選択可能。90日だと1時間から選択可能)
- 自動, 1分, 5分, 1時間
- オプション
- 選択しているメトリックに対するアラームの設定等が可能
サービス・メトリック
複数Base Databaseのメトリックを一括※1で確認可能です。
ハンバーガーメニュー(左上)>監視および管理>モニタリング>サービス・メトリック
※1 特定コンパートメントと特定リージョン内にある全Base Databaseが対象です。
Base Databaseの個別画面で表示されていなかったその他全てのメトリック(oci_database_cluster)が確認できます(ハイライトの項目が個別画面から追加)。
まとめ
今回は、メトリック・ネームスペースとサービス・メトリックの使い方を確認しました。OCIでは、Base Databaseの他にもComputeやストレージ(block volume, object storage)のリソースもありますが、基本的なモニタリングの考え方は同じなので、応用できそうですね。