HTML4.01からHTML5に移行する過程で、同じ機能を持つ別の要素や、
CSSの機能への統合などによって削除された要素。
acronym
- title属性と組み合わせることで、略語の正式名称を指定する要素。
- abbr要素に統合されたため廃止。
applet
- 文書にJavaアプレットを埋め込むための要素。
- Javaアプレット自体がJava 11で廃止されたため、こちらも廃止に。
basefont
- この要素以降のテキストのフォント(サイズ、色等)を指定する。
- CSSで実現可能な内容だったため廃止。
bgsound
- headタグ内に記述することで、Webページを開いた時にBGMや効果音を再生することができる。
- Internet Explorer(IE)独自の要素であり、IEが2022年6月に廃止された今では無用の長物。
- audio要素を使えば、IE以外のブラウザでも同様の事が可能。
big
- タグで囲った部分の文字サイズが周囲より一回り大きくなる。
- CSSで実現可能な内容だったため廃止。
blink
- タグで囲った部分を点滅させる。
- CSSのanimationプロパティで実現可能。
center
- グで囲った部分を水平方向中央に表示する。
- CSSのalignプロパティで実現可能。
dir
- 複数の段を持つディレクトリリストを表示するための要素。
- ul要素とほぼ同じ役割な上、殆どのブラウザが非対応。そのためか、HTML4.01の時点で非推奨となっていた。
font
- タグで囲った部分のフォントと文字サイズを変える。
- CSSで実現可能な内容だったため廃止。
frame
- 画面を複数に区切って、タイトルやサイドメニューを同一リソースで管理する「フレームページ」を作るのに使う要素。古いサイトでは今でも割と見かける。
- HTML5以降は「グローバルメニュー」を使うのが一般的。
- 一応、iframe要素を使えば昔のフレームページを再現することも可能、らしい。
isindex
- 検索キーワードを入力するための「1行テキストボックス」を作るための要素。
- input要素で実現可能。
listing
- 文中に「<」「>」等の特殊文字を含むソースコードをそのまま表示するのに使われていた要素。
- pre要素で実現可能。
marquee
- 電光掲示板のように、文字を上下左右にスクロールさせるアニメーションを表示する要素。古いサイトでは今でもたまに見かける。
- CSSのmarquee-styleプロパティで実現可能。
nobr
- タグで囲った部分の改行を禁止する。nobrは"No Break"の略。
- 文章や英単語、固有名詞など、切れるとわかりづらくなる部分に対して使うことを想定していた。
- wbr要素に取って代わられる形で廃止に。
noembed
- HTML以外の外部アプリケーションやインタラクティブコンテンツを文書内に埋め込むembed要素に対応していないブラウザのために、代替となる内容を提供するための要素。
- object要素で実現可能。
noframes
- フレーム未対応のブラウザや、ユーザがフレームの非表示設定をしている場合に、その代替の内容を表示するための要素。frameset要素内で使う。
- frameset関連が廃止されたので、当然これも廃止に。
plaintext
- このタグ以降を全て生のテキストとして表示する。
- HTML2の時点で非推奨扱いになっており、HTML5で正式に廃止となった。
spacer
- 水平方向や垂直方向にスペースを挿入する。
- CSSのmarginプロパティやpaddingプロパティで実現可能。
strike
- タグで囲った部分に打消し線が引かれる。
- 同じ効果を持つs要素が意義を変えて続投したのに対し、こちらは削除されている。名前が長かったからか?
tt
- タグで囲った部分を等幅フォントで表示する。
- CSSのfont-familyプロパティで実現可能。
xmp
- listing要素と同じ、特殊文字を含むソースコードを表示するための要素。
- pre要素で実現可能。
Living Standardで廃止された要素
rb
- ルビを振る対象となる文字を指定する要素。
- 漢字を一文字ずつタグで囲い、それぞれにルビを振るという使い方もできた。
- rt要素に取って代わられる形で廃止に。
rtc
- 対象に複数のルビを振るための要素。
- 読み方が複数ある場合、駅名標のように異なる言語をルビとして振りたい場合を想定していたと思われる。
- 主要なブラウザの多くが未対応な上、HTML5で実装されたもののすぐ廃止となった。殆ど使われなかったのだろうか。