はじめに
この内容は知人から1本の電話を受けて始まっています。
販売員が「お客様対応が精神的につらい」と言っている
全世界で新型コロナウイルスが猛威を振るう中「マスク」や「消毒液」が店頭に並ばない状態になっています。
入荷・在庫が無い状態だが、需要が高くお客様は開店前から列で並んでいる。
お客様には個別に謝罪とご案内をしていますがその対応がつらい、、、というものでした。
この問題は「店舗が悪い」のでしょうか? いえ「新型コロナウイルス」が悪いのです。
ですが販売されている店舗様はお客様に対して「謝罪」をして「ご案内」をするという状況があります。
今回、この問題を解決する方法がないか?ということで相談を持ちかけられました。
この記事は問題把握から解決までをTOCを使って分析した流れをまとめています。
TOCの詳細は最後に参考サイトのリンクを設定しておりますのでご確認ください。
また、TOCの考えが違うところもあるかもしれませんがご了承ください。
この記事を書いている時点の状況
知人と社員様、私(以下グループ)でTOCをおこない現状の整理とコアの問題確認、
2つの目標実施をおこない効果計測で改善がみられる状態です。
今回ITと仕入、倉庫などアナログ部分に改善用の目標をそれぞれ設定しています。
以下、集まって話し合った手順を記載します。
議題を確認する
現状出ている問題点とそれを解決したいという事をグループに説明にしました。
話し合いの時間、時間が無かった場合の切り方、次回をいつにするかも決めておきます。
TOCに関して簡易なルール説明を行う
私も勉強中の身でありますが簡単なルール説明をグループにしました。
今回は付箋とホワイトボードを使うようにしています。
目的と目標の確定
目的と目標は集団による活動の中で最重要な事項になります。
始めに目的の設定と周知、正しい目標の設定をしていきます。
気になる点、現場で感じたことを列挙する
現状を理解するためグループ全員で現象、気になる点、現場で感じたことなど全て「付箋:現象」に記入する。
付箋の中には問題となっている「説明とお詫びの対応で社員が疲弊する」も記入する。
※一部の付箋は店舗情報に関係するため隠しています。
現象を関連性を考慮して並べてみる
作成した「付箋:現象」を出して関連性を考慮して並べる。
関連性の図を記事では「現象ツリー」と表記します。
重要な問題を確認、目的を設定
現象ツリーを使って重要な問題点を再確認します。
確認後は解決する内容に書き換えて「付箋:目的」に記入する。
目標を作るため鍵となる現象を確認する
鍵となる現象は、現象ツリーの中で流れの始めになることが多いです。
鍵かどうか判断する場合は、無くした場合に「悪い流れができない」かどうかで判断します。
鍵となる現象を取り出して「付箋:良い状態」に書き換え
先ほどの「悪い流れができない」状態を作り出すため
「付箋:良い状態」に鍵の現象を良くした状態を記入する。
これ以降は店舗と私で問題解決を分けるようにしています。
解決案を列挙する
作成した「付箋:良い状態」になるために考えられる案を「付箋:自由」に記入する。
この部分はブレインストーミングなどでたくさん案を検討する。
今回は解決案2,3を合わせて対応する事が決まりました。
目標を確定する
解決案を元に「付箋:目標」を記入する。
目標が決まった段階でグループ内で周知する。
上記の作業で「目的と目標の確定」は完了となります。
現状から目標までの道を作る
昔、お仕事をしている中で不安に思うときがありました。
それは「終わりが見えない」や「同じ事を何度もやっている」「生産的でない」と感じたときです。
この状態が発生しているときは「何をする」「どうなれば終わる」がわからず迷子になっています。
現状から目標までの道を事前に作成・知ることで不安がなく「生産的な状態」で作業できるようにします。
予想される行動と障害を列挙する
過去に作業をしていると「こんな機能がいるかな?」という予測ができます。
予測できる行動、障害は全て「付箋:行動」「付箋:障害」に記入します。
障害が思いつかない場合は、「不安に思うこと」「~だから~できない」という会話を掘り下げて見つけます。
障害を良い状態に書き換える
列挙された障害は作業を進めるときに無くさなくてはいけません。
障害の内容を反転させて「付箋:良い状態」に記入します。
目標と行動、障害(良い状態)の付箋を全て並べる
並べるとしっくりこない図ができあがります。
この段階では「行動」がほとんど無いため図がまとまらない状態です。
ここからは付箋同士をつなげられるように行動を追加していきます。
つなげる場合、行動と状態が交互につながるのが理想です。
足りない付箋を追加して図を完成させる
付箋の左下が赤色になっている物は追加した行動になります。
また、行動を作っている中で2つの障害が見つかりましたので追加しています。
図を完成させたら下から上に読み直して問題無いかを確認します。
図から必要な物を読み取る
今回作成した図から「サーバインフラ」「必要技術」「システムの機能」を読み取ることができます。
またグループ内で共有することで認識の違いや想定できていない事項を見つけることができます。
図を作ってから思ったこと
流れを確認していると粗いところが色々ありました。
「テストはどうするのか?」「掲示板の登録項目はなにがある?」など
今回は開発者は私一人になるため付箋は増やしませんが、
グループ・色々な部署の人と開発作業をする場合はもう少し細かく
行動等を記載するのをオススメします。
図を作って良かったこと
図を作成すると必要物が把握できるため集中して取り組むことができました。
当初8日で開発予定の物を5日で完了することができています。
できた成果物は?
今回、簡単に情報店舗側が情報共有をできるようにするサービスとして
「情報掲示サービス Bulletin」を作りました。
内容はシンプルで掲示板を作成して掲示板にアクセスできるQRをお店にて張り出す、
張り出したQRをお客様が読み込むことで店舗の掲載情報を確認できます。
店舗の公式サイトがない場合や、今回のように一時的に利用する向けのサービスになっています。
[情報掲示サービス Bulletin](https://bulletin.develop.blue/)
後日談
実は今回の作業の後、システムをより有効に使う場合、
こんな対応(目標)があれば良いのでは?と社員様から話がでているようです。
目的を明確にしておけば、あるときフッと思いついたり引っかかったりするんでしょうかね?
私はこの流れがすごくうれしい状況です。
新しい目標が見つかったときは早めに見直しをすることを知人にお知らせいたしました。
TOCについて
わかりやすい説明をインターネットから探そうと思ったのですが、どうも見つからない状況です。
わかり次第URLを添付します。
書籍では「考える力をつける3つの道具」という本がTOCに関して詳しく書かれています。