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バックログ (MVP) 重要

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親会社の社長が後任に席を譲った。会長になるらしい。それに伴い、役員人事も実施された。僕らの管掌役員は凄腕のやり手と噂の鈴木さんになったそうだ。噂によると、思い切った舵取りをするタイプで、期待の薄いプロジェクトをどんどん廃止して、効果の高そうなプロジェクトに集中するという、いわゆる V 字回復とかリストラ職人とか、そーゆー冷徹で剛腕な人らしい。僕らのプロジェクトがどうなるのか、日々、不安に過ごしていた。そんな、ある日、鈴木役員から呼び出された。彼は笑顔で切り出した。

役員「なんでも君のところは、期待の新ビジネスを立ち上げるそうぢゃないか。システムも開発中と聞いているよ。」

お、優しそうな笑顔だ。噂と違って、ちゃんと話を聞いてくれる人っぽいぞ。

役員「できているところまでで構わないから、ちょっと見せてくれないかい?」
PO「わかりました。富井くん、デモはできるかい。」
富井「マシンはあるので、デモはできます。できますけど…。」
PO「では役員にお見せしなさい。」
富井「…いいんですね? …わかりました。」

カチャカチャ…

富井「準備できました。プロジェクターに映します。」
役員「期待の新ビジネス、楽しみだねぇ〜。 ^^」
富井「では始めます。まず、ログイン画面です。ユーザー ID とパスワードを入力します。」
役員「ふむふむ。」
富井「ユーザー ID に不正な文字を入力すると、エラーメッセージが出ます。」
役員「細かいところは飛ばしていいよ。コアなところを見せてくれないか?」
富井「コアですか…。データベースはこうなってます。パスワードはハッシュ値を保存しているので、パスワードの漏洩対策はできてます。」
役員「…なるほど。セキュリティにも配慮しながら開発してくれているんだね。ありがとう。もっと先を見せてもらおうか。」
富井「…デモできるのはここまでです。」
PO「あれ? もうちょっとデモできるだろう? ユーザー登録機能は前回のスプリントで終わってただろ?」
富井「今回のスプリントでテーブル構成が変わったので、手元の環境では、デモは動かないんです。」
役員「…。デモしてくれてありがとう。なるほど、動くのはログインとユーザー登録ということだね?」
PO「はい。順調に開発は進んでいます。」
役員「なるほど。状況は分かった。デモしてくれてありがとう (どうやら、競争力のある機能はまだ開発できてないようだ。このプロジェクトを廃止しても大きな損失にはならないな)。」


  1. Viable … 存続し続けられる
  2. 動くソフトウェアこそが進捗の最も重要な尺度です。 ("アジャイル宣言の背後にある原則" より)
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