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もうExcelだけでは限界?Pythonで始める業務データ分析ロードマップ

Last updated at Posted at 2025-05-26

はじめに:Excelからの「次の一歩」に悩んでいませんか?

日々の業務でExcelを使って売上集計や顧客分析、在庫管理などを行っている方も多いでしょう。しかし、「手作業が多くて大変」「処理が重くてフリーズする」「複雑な分析ができない」といった悩みを感じていませんか?

そんな方におすすめしたいのが、Pythonによるデータ分析です。

Pythonはプログラミング言語の中でも特にデータ処理に強く、Excelでは難しかった作業を簡潔かつ自動化して行うことができます。本記事では、業務で使えるPythonスキルをどのように習得すればよいか、そのロードマップを紹介します。


ExcelとPythonの得意・不得意を比較してみる

項目 Excel Python
小規模集計
複雑な前処理
自動化
機械学習
再現性
属人化リスク 高い 低い

Excelは手軽さと可視性で優れていますが、処理の複雑化・データ量の増加に伴って限界が出てきます。Pythonは最初こそハードルがありますが、慣れれば業務の効率が飛躍的に向上します。


業務で使えるPython分析スキル習得ステップ

ここでは実際のサンプルデータ(売上データ)を用いて解説します。

STEP 1:データの読み込み・整形(pandas)

PythonでExcelファイルを読み込むのは非常に簡単です。

import pandas as pd

# Excelファイルの読み込み
file_path = "sample_sales_data.xlsx"
df = pd.read_excel(file_path)
print(df.head())

出力例:

         日付 商品名   単価  数量   売上
0  2023-01-01   A  100   2  200
1  2023-01-01   B  200   1  200
2  2023-01-02   A  100   3  300
3  2023-01-02   C  300   1  300
4  2023-01-03   B  200   2  400

集計やピボットも簡単に行えます。

# 商品ごとの売上合計
sales_by_product = df.groupby('商品名')['売上'].sum()
print(sales_by_product)
商品名
A    500
B    600
C    300
Name: 売上, dtype: int64

STEP 2:可視化(matplotlib, seaborn, plotly)

Pythonでは高品質なグラフを自動生成できます。

import matplotlib.pyplot as plt
import seaborn as sns
import pandas as pd

# 月ごとの売上を集計
monthly_sales = df.copy()
monthly_sales[''] = pd.to_datetime(df['日付']).dt.to_period('M')
monthly_sum = monthly_sales.groupby('')['売上'].sum()

# 商品ごとの売上を棒グラフで表示
product_sales = df.groupby('商品名')['売上'].sum().sort_values()

# 商品ごとの月別売上を棒グラフで表示
monthly_product = df.copy()
monthly_product[''] = pd.to_datetime(df['日付']).dt.to_period('M')
monthly_product_sum = monthly_product.groupby(['', '商品名'])['売上'].sum().unstack(fill_value=0)

# グラフ描画
fig, axes = plt.subplots(1, 3, figsize=(18, 5))

# ① 月別売上
monthly_sum.plot(kind='bar', ax=axes[0], title='月別売上')
axes[0].set_xlabel('')
axes[0].set_ylabel('売上')

# ② 商品別売上
product_sales.plot(kind='barh', ax=axes[1], title='商品別売上')
axes[1].set_xlabel('売上')
axes[1].set_ylabel('商品')

# ③ 商品ごとの月別売上
monthly_product_sum.plot(kind='bar', stacked=True, ax=axes[2], title='商品ごとの月別売上')
axes[2].set_xlabel('')
axes[2].set_ylabel('売上')

plt.tight_layout()
plt.show()

ダウンロード.png

このように複数の視点で可視化することで、データの全体像がより把握しやすくなります。

STEP 3:集計の自動化とレポート化(Jupyter+スクリプト化)

Jupyter Notebookを使えば、分析からレポートまでを一元管理。

  • コード+図表+考察を一つのファイルで共有可能
  • 毎月のレポートもワンクリックで更新可能に

STEP 4:統計・機械学習の基礎(scikit-learn)

売上予測や顧客分類など、業務データに機械学習を活用する入り口に最適です。

from sklearn.linear_model import LinearRegression

X = df[['単価']]
y = df['売上']
model = LinearRegression()
model.fit(X, y)
print(model.coef_, model.intercept_)

STEP 5:実務データでの分析プロジェクト

社内データを活用して、実際の業務課題(在庫最適化、需要予測、工程分析など)にPythonを適用していきます。


実例紹介:製造業でのPython導入ステップ

製造業A社では、もともとExcelで各工場の稼働率を管理していましたが、

  • 手作業が多く属人化
  • データが分断され全体最適が困難

という課題を抱えていました。そこでPython導入を決定し、

  • pandasで全社データの統合と加工
  • matplotlibで生産レポートを自動生成
  • さらにscikit-learnで設備稼働予測

といった形で分析レベルを高めていきました。

当機構ではこのような変革の初期フェーズからPython研修を設計・実施し、現場に定着させる支援を行いました。


よくあるつまずきと乗り越え方

課題 解決策
Pythonの環境構築が難しい Anacondaを使うと簡単に準備可能
何から学べばよいか分からない pandasから始めるのが王道
社内で一人で学ぶのが大変 チーム単位の学習や研修を活用する

おわりに:スキルシフトを支援します

データ分析スキルは一朝一夕には身につきませんが、正しいステップを踏めば確実に業務に活かせます。一般財団法人高度人材育成機構では、

  • ツールに振り回されず、原理から理解する研修
  • 現場データを題材にした実践教育
  • 脱Excelから機械学習応用までの伴走支援

を通じて、企業の分析力強化を支援しています。

ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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