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Pythonの数値型

Last updated at Posted at 2016-07-24

概要

はじめてのPython第3版の勉強メモ

アジェンダ

  • 数値
  • Pythonの式と演算子
  • 数値と使用例
  • その他の数値型

Pythonの数値型

数値

数値リテラル

リテラルの例
1234, -24, 0 短整数(CのLongに相当)
99999999999999999999L 長整数
1.23, 3.14e-10, 4E210, 4.90+210 浮動小数点数(Cのdoubleに相当)
0177, 0x9ff, 0XFF 8進数または16進数(整数)
3+4j, 3.0+4.0j, 3J 複素数

整数、浮動小数点数のサイズと精度

  • Pythonの通常の整数は、Cのlongに相当
  • 浮動小数点数はCのdoubleに相当
  • 精度はPythonインタプリタの作成に使用されているCコンパイラでlong、doubleにどの程度の精度が与えられているかによって決まる

長整数

  • 整数のリテラルにlあるいはLを付けると長整数になる
  • 精度を無限に上げることができるようになる
  • 現在のバージョンではLをつける意味はほとんどない

16進数と8進数

  • 8 進整数は、先頭にゼロ(0)を付け、その後に0 ~ 7の範囲の数字を書く
  • 16進数は、先頭に0xを付け、その後に0 ~ 9の範囲の数字、あるいはA ~ Fの範囲の文字(大文字、小文字どちらでもよい)を書く

複素数

  • 複素数を実数部+虚数部という形式で書く
  • 虚数部の最後には、jあるいはJを付ける
  • 実数部はない場合もあり、また虚数部を実数部より先に書くこともできる
  • 複素数は、システム内部では浮動小数点数のペアとして扱われるが、複素数を利用した演算は正しく行われる

ビルトインツールとエクステンション

演算子

  • +, *, >>, ** など

数学関数(ビルトイン関数)

  • pow, abs など

ユーティリティモジュール

  • random, math など

本格的な数値計

  • NumPy(Numeric Python)
    • matrixなどのデータ型や、高度な演算処理のためのライブラリが用意されている
    • 詳細はVaults of Parnassus などのサイトで知ることができる

Pythonの式と演算子

PYthonの演算子

演算子 説明
yield x ジェネレータ関数を定義する際に使用
lambda 引数: 式 無名関数の作成に使用
x if y else z 三項演算子
x or y 論理和
x and y 論理積
not x 論理否定
x < y
x <= y
x > y
x >= y
比較演算子
x == y
x <> y
x != y
値の同等性比較演算子
x is y
x is not y
オブジェクト比較演算子
x in y
x not in y
シーケンスのメンバであるかを確認する演算子
x | y ビット論理和
x ^ y ビット排他的論理和
x & y ビット論理積
x << y
x >> y
シフト演算子
-x + y
x - y
加算/連結
減算
x * y
x % y
x / y
x // y
乗算/繰り返し
剰余/文字列フォーマット
除算
-x
+x
~x
x ** y
符号を反転させる(させない)
ビットの反転
べき乗
x[ i ]
x[ i : j ]
x.attr
x(...)
インデクシング
スライシング
属性の参照
関数呼び出し
(...)
[...]
{...}
'...'
タプル
リスト
ディクショナリ
文字列への変換

演算子の組み合わせ(優先順位)

  • 明示的に示すのが吉
  • 優先度を明確にするにはカッコを使う
>>> (x + y) * z

>>> x + (y * z)

式中での型の混在

  • 複数の型が 1 つの式に混在している場合、Python ではまず、オペランドの型の変換が行われる
  • すべてのオペランドの型が、使用されている型の中で最も「複雑」なものに揃えられる
  • 短整数の値が大きくなりすぎた場合に自動的に長整数に変換するということも行われる
  • 型の自動変換は数値型の値でのみ行われる
  • Python では、型の「複雑さ」に関してあらかじめランク付けがされている
ランク
1 複素数
2 浮動小数点数
3 長整数
4 短整数

演算子のオーバーロード

  • 演算子はPythonのクラスやCのエクステンションによってオーバーロードされる(または新たに作られる)ことがある
  • この特性は一般にポリモーフィズムと呼ばれる
    • 「処理対象となるオブジェクトの型によって機能が変わる」

数値と使用例

数値の表現

  • printステートメントを使わなかった場合に表示された値は、ハードウェアの導き出した答えがそのまま出力されたものである

ビット演算

# xの値が0001に
>>> x = 1
>>> x << 2
4

# 左に2ビットシフトして0100に
>>> x | 2
3

# OR演算で0011に # AND演算で0001に
>>> x & 1
1

長整数

  • 数値の最後にアルファベットのL(小文字のlでもよい)を付けると、長整数であるとみなされる
  • メモリ容量の許す限り、いくらでもサイズ(桁数)を増やせるという特徴がある

複素数

  • Pythonでは2つの浮動小数点数を使って表現される
  • 一方は実数部、もう一方は虚数部に対応する
  • 数値が虚数部のものであることを示すには、J(小文字のjでもよい)を末尾に付け、実数部と虚数部を組み 合わせるには+を使用する
>>> 1j * 1J
(-1+0j)
>>> 2 + 1j * 3
(2+3j)
>>> (2+1j)*3
(6+3j)

16進数と8進数

  • 8進数は先頭を0にし、その後に0~7の数字を並べる。個々の桁は3ビットに相当する。
  • 16進数は先頭を0xあるいは0Xにし、その後に0~9の数字かA~Fのアルファベット(小文字でもよい)を並べる。個々の桁は4ビットに相当する。
  • 8進数や16進数で表現されていても、整数は整数であることに変わりはない
  • Python の場合、整数はデフォルトでは 10 進数で出力される
  • ビルトイン関数の中には、 10 進数を 8 進数、16 進数に変換するものもある
  • 8 進数や 16 進数を10進数に変換できるintという関数もある
  • 文字列フォーマットの式を使用することによって 10 進数を 8 進数、16 進数に変換 することも可能
# 8進数
>>> 01, 010, 0100
(1, 8, 64)

# 16進数
>>> 0x01, 0x10, 0xFF
(1, 16, 255)

>>> oct(64), hex(64), hex(255)
('0100', '0x40', '0xff')

>>> int('0100'), int('0100', 8), int('0x40', 16)
(100, 64, 64)

>>> eval('100'), eval('0100'), eval('0x40')
(100, 64, 64)

>>> "%o %x %X" % (64, 64, 255)
'100 40 FF'

数値処理のためのビルトインツール

mathモジュール
>>> import math

# よく使用される定数
>>> math.pi, math.e
(3.1415926535897931, 2.7182818284590451)

# サイン、コサイン、タンジェント
>>> math.sin(2 * math.pi / 180)
0.034899496702500969

# 平方根
>>> math.sqrt(144), math.sqrt(2)
(12.0, 1.4142135623730951)


>>> abs(-42), 2**4, pow(2, 4)
(42, 16, 16)

# 切り捨て、丸め
>>> int(2.567), round(2.567), round(2.567, 2)
(2, 3.0, 2.5699999999999998)
randomモジュール
>>> import random
>>> random.random()
0.49741978338014803

>>> random.random()
0.49354866439625611

>>> random.randint(1, 10)
5

>>> random.randint(1, 10)
4

>>> random.choice(['Life of Brian', 'Holy Grail', 'Meaning of Life'])
'Life of Brian'

>>> random.choice(['Life of Brian', 'Holy Grail', 'Meaning of Life'])
'Holy Grail'

その他の数値型

小数型

  • Python 2.4から、新たに小数という型が導入
  • リテラルではなく、モジュールをインポートして関数を呼び出す、という方法で使用する
  • 浮動小数点数に似ているが、小数点以下の桁数が固定される点、つまり精度が固定される点が異なっている
  • 浮動小数点数に比べ、多少パフォーマンスの低下を招く恐れがある
  • 合計金額の計算など、精度が一定の数値を表現するには、正確性も高まり、適切な型
浮動小数点型の場合
>>> 0.1 + 0.1 + 0.1 - 0.3
5.5511151231257827e-017

>>> print 0.1 + 0.1 + 0.1 - 0.3
5.55111512313e-017
小数型の場合
>>> from decimal import Decimal
>>> Decimal('0.1') + Decimal('0.1') + Decimal('0.1') - Decimal('0.3')
Decimal("0.0")

集合

>>> x = set('abcde')
>>> y = set('bdxyz')

>>> x
set(['a', 'c', 'b', 'e', 'd'])

# 集合にある要素が含まれているかを判定
>>> 'e' in x
True

# 集合の差
>>> x - y
set(['a', 'c', 'e'])

# 集合の結合
>>> x | y set(['a', 'c', 'b', 'e', 'd', 'y', 'x', 'z'])

# 集合の交差
>>> x & y set(['b', 'd'])
集合の使用例
>>> engineers = set(['bob', 'sue', 'ann', 'vic'])
>>> managers = set(['tom', 'sue'])

# エンジニアでありマネージャでもある人を抜き出す
>>> engineers & managers
set(['sue'])

# いずれかのカテゴリに属する人を抜き出す
>>> engineers | managers
set(['vic', 'sue', 'tom', 'bob', 'ann'])

# マネージャでない人を抜き出す
>>> engineers - managers
set(['vic', 'bob', 'ann'])

サードパーティエクステンション

  • 有理数
  • ベクトル
  • 行列
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