はじめに
応用情報技術者試験(AP)の最後のほうに出てくる「損益分岐点が~」とか「限界利益率が~」という問題の計算式が覚えられないのでメモ.
導出できるようになった方が定着すると思います.
損益分岐点の導出
売上高の式から求めていきます.
売上高 = 固定費 + 変動費 + 利益 \tag{1}
$利益 = 0$ としたときの売上高が損益分岐点になります.つまり,
損益分岐点 = 固定費 + 変動費※ \tag{2}
となります.
変動費※は売上によって変わるので,式(1)と式(2)の変動費は違う値になります.
式(2)より,$変動費=損益分岐点\times変動費率$として,
損益分岐点 = 固定費 + (損益分岐点 \times 変動費率 )
これを整理して
損益分岐点 = \frac{固定費}{1-変動費率} \tag{3}
損益分岐点を導出できました.
限界利益率について
限界利益は,売上高から変動費を引いたものと説明されています.
式で書くと,
限界利益 = 売上高 - 変動費
両辺を売上高で割って,比率で考えると,
限界利益率 = 1 - 変動費率
なので,先ほどの式(3)は,
損益分岐点 = \frac{固定費}{限界利益率}
とも書けます.
実際の問題で確認
令和3年秋の問題です.(令和6年秋でもまったく同じ問題が出ていましたね...)
A社
変動費率 = \frac{500}{1000} = \frac{1}{2}
限界利益率 = 1 - \frac{1}{2} = \frac{1}{2}
損益分岐点 = \frac{400}{1-\frac{1}{2}} = 800
B社
変動費率 = \frac{800}{1000} = \frac{4}{5}
限界利益率 = 1 - \frac{4}{5} = \frac{1}{5}
損益分岐点 = \frac{100}{1-\frac{4}{5}} = 500
この問題では「イ」と「ウ」の選択肢は違うとわかりますね.