はじめに
Jiraはチケットの項目の追加・削除、ワークフローの編集などのカスタマイズが柔軟にでき、様々な業務で活用することができます。
本稿では、カスタマイズをするにあたって、主に私の経験から、考慮したほうがよいだろう内容を紹介したいと思います。
カスタムフィールド追加時の考慮
1.カスタムフィールドを追加する前に、Jiraのシステムフィールドが利用できないか検討する
フィールドの種類
Jiraで使えるフィールドには、大きく2種類あります。
・システムフィールド
・カスタムフィールド
システムフィールドは、Jiraに元々用意されているフィールドです。
カスタムフィールドは、Jira管理者が追加できるフィールドです。
システムフィールドの例:説明フィールド
例えば、説明フィールドには、チケットの情報を表示する際にいくつか特徴的な機能があります
- フィールドを複数のタブに分けて表示する際にも、どのタブを開いているときにも説明の内容は表示されます。
- カンバンボード、スクラムボードの課題詳細ビューにおいて、説明は必ず表示されます。また、説明の箇所に移動するボタンもあります。
他にも、システムフィールドを活用するメリットに、Appsでも動作が(たいていは)サポートされることがあります。
例えば、WBSガントチャートのテンプレート機能では、Jiraのシステムフィールドはテンプレートから情報が継承されますが、カスタムフィールドは継承されません。
「説明」という名前が使いづらいという声もあるかも知れませんが、慣れれば違和感無くなっていくものなので、このフィールドは可能な限り活用されることをオススメします。
システムフィールドにはどんなものがあるか
代表的なシステムフィールドは、下記のようなものが挙げられます。
・要約
・説明
・担当者
・報告者
・期限
・優先度
システムフィールドかどうかは、管理者メニュー>課題>画面で、Typeを見ることで判別できます。
2.必須/オプションの設定の要否
フィールドには、入力必須の設定ができます。必須設定されたフィールドが未入力の場合、チケットを作成することができません。
チケット作成時に必ず入力させたい情報が決まっている場合は、カスタムフィールドを用意して、必須の設定にするのが良いでしょう。
ただし、入力必須のフィールドが多いと、チケット作成のハードルが高くなります。
作成時に必要な情報を見極めて設定することをオススメします。
3.選択肢の設定
カスタムフィールドのうち一部のフィールドタイプでは、選択肢を設定できます。
チェックボックス/ラジオボタン/選択リスト(単一選択)/選択リスト(複数選択)/選択リスト(カスケード)が該当します。
リストから選択する情報が決まっている場合は、上記のカスタムフィールドを追加するのが良いです。
4.レポートで活かせるように設計する
Jiraのチケットは、記録した情報をリアルタイムにレポート出力できる特徴があります。
レポートには、表形式だけでなく、円グラフ・棒グラフ・折れ線グラフ・2次元マトリクスなど、様々な形式があります。
是非とも、最適な分析ができるレポートを出力することもあわせて追加するフィールドを考えてみてください。
5.Jiraの機能を活用することで不要なフィールドを作らない
Excel管理表などをJiraチケットに移行するケースでは、チケットの操作で自動的に記録できるような情報も項目として用意されているケースがあるので、注意が必要です。
例えば、課題の解決日などは、チケットのクローズ時に自動で設定させることができます。
それをわざわざフィールドとして持たせる意味があるのか、検討するほうがよいでしょう。
チケット操作の履歴も記録されます。
とある情報の更新者を記録すべく、Excel表では更新者などの項目で持っていることもあるかもしれません。
Jiraに移行するにあたって、分析で必要ならばフィールドとして持たせる意味はありますが、何かあった時の調査が目的であるのならば、チケットの操作履歴で代用できます。(むしろその方がウソをつけませんしね)
おわりに
Jiraの管理者には、Jiraのシステム面の知識だけでなく、対象の業務やそこでの人の動き方への理解も求められると感じています。
管理者の視点だけでなく利用者の視点も持って、最適なチケット設計、ひいては業務設計ができるようになりたいですね。