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Raspberry PiでSMBを活用!家庭内ファイルサーバの構築方法

Last updated at Posted at 2025-06-11

1. はじめに

Raspberry Piをファイルサーバとして利用する目的

Raspberry Piは、低価格でありながら高いカスタマイズ性を持つシングルボードコンピュータです。この特性を活かし、ファイルサーバとして利用することができます。家庭内や小規模なオフィス環境では、Raspberry Piを利用することで、安価にファイル共有サーバを構築できます。

SMB(Samba)を使用する理由とそのメリット

Sambaは、LinuxやRaspberry PiをWindowsマシンと互換性を持たせるためのプロトコルで、Windowsネットワーク共有(SMB)をサポートします。SMBを利用することで、Windowsユーザーや他のネットワーク上のデバイスとも簡単にファイルを共有できるようになります。特に、以下の点がメリットとして挙げられます:

  • クロスプラットフォームでのファイル共有:WindowsとLinux間でも問題なくファイルを共有できる。

  • 簡単な設定:Sambaを使うことで、簡単にネットワーク上に共有フォルダを作成し、アクセス権を設定できる。

  • 低コストで実現可能:Raspberry Pi自体が非常に低コストであり、追加ハードウェアが必要ないため、非常にコスト効率が高い。

2. Raspberry PiにSambaをインストールする

まずは、Raspberry PiにSambaをインストールする方法です。

必要なパッケージのインストール方法
SambaはRaspberry Piに標準でインストールされていないので、aptコマンドを使ってインストールします。以下のコマンドを順番に実行してください。

sudo apt update
# インストールする前にパッケージリストを更新します。
sudo apt install samba samba-common-bin
# Samba本体と基本的な管理ツールをインストールします。

これでSambaとその関連ツールがインストールされます。

3. SMBの設定ファイルの編集

次に、Sambaの設定を行うための設定ファイル(smb.conf)を編集します。

smb.confの場所と役割

Sambaの設定ファイルは、通常、/etc/samba/smb.confに格納されています。このファイルを編集することで、Sambaサーバの動作を細かく制御できます。

sudo nano /etc/samba/smb.conf
# Sambaの設定ファイルを編集する

基本的な設定項目

ここでは、最も基本的な設定を行います。以下の設定項目を[global]セクションに追加または変更します。

ワークグループ名の設定

Windowsネットワーク上のワークグループ名と一致させる必要があります(デフォルトはWORKGROUP)。

workgroup = WORKGROUP

サーバ名の設定

ネットワーク上で表示されるRaspberry Piの名前です。

netbios name = RaspberryPi

ファイル共有に関する設定

最後に、共有するディレクトリを設定します。

共有ディレクトリの作成と設定

共有ディレクトリの作成
まず、Raspberry Pi上にファイルを共有するためのディレクトリを作成します。今回は例として/home/pi/sharedというディレクトリを作成しますが、もちろん他の名前や場所でも構いません。

mkdir /home/pi/shared
# sharedフォルダを指定したパスに作成

このディレクトリは、後でSMBを通じて他のデバイスと共有されることになります。

アクセス権限の設定

次に、ディレクトリへのアクセス権限を設定します。デフォルトでは、Raspberry Piのユーザー(通常はpi)のみが書き込み可能ですが、他のデバイスからのアクセスを許可するためには権限を適切に設定する必要があります。

以下のコマンドを使って、sharedディレクトリに対するアクセス権限を設定します。

sudo chmod 777 /home/pi/shared
# 読み取り・書き込み・実行権限を付与

このコマンドは、すべてのユーザーに対して読み取り・書き込み・実行権限を与えます。セキュリティを強化する場合は、権限を制限することもできますが、ここでは一般的な設定として全員にアクセスを許可します。

smb.confの設定(共有ディレクトリの追加)

次に、smb.confファイルに、作成したディレクトリを共有する設定を追加します。

再度/etc/samba/smb.confを開き、最後に以下の設定を追加します。

[Shared]
   path = /home/pi/shared  
   # 共有するディレクトリパスを指定
   browseable = yes        
   # このディレクトリがネットワーク上に見えるようにするための設定 Yesにすると確認できる
   read only = no
   # このオプションをnoに選択することでファイルの書き込みが可能となる
   guest ok = yes
   # yesに設定することで、ゲストユーザー(認証なし)でもアクセスようになる

接続テスト

設定が完了したら、実際に他のPCからRaspberry Piにアクセスして、共有ディレクトリが正しく動作するかテストします。

Windowsからアクセスする方法
Windows PCの「エクスプローラー」を開き、アドレスバーに\\<Raspberry PiのIPアドレス>を入力します。

例:\\192.168.1.100

共有ディレクトリ(Shared)が表示されるので、ダブルクリックで開いてみてください。

まとめ

これで、Raspberry PiをSMB(Samba)を使用してファイルサーバとして構築し、WindowsやMacからアクセスできるようになりました。今回設定した方法を使うことで、家庭内や小規模オフィスで簡単にファイルを共有できる環境が整いました。

もし何か問題が発生した場合は、以下の点をチェックしてみてください

  • IPアドレスやネットワーク設定が正しいか確認。

  • smb.confの設定に間違いがないか再度確認。

  • Sambaサービスが正常に動作しているか確認するために、以下のコマンドでSambaを再起動します:

sudo systemctl restart smbd

これで、Raspberry Piを使ったSMBファイル共有サーバの基本的な設定は完了です!

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