はじめに
アジャイルなプロダクト開発において、仮説検証をしながら前進していくという考え方があります。仮説検証をすることで早期にリスクを軽減・回避できたり、新たな学びを得て次の成長につなげられるというメリットがあります。
しかしプロダクト開発において、「仮説ってなんでしょうか」「どのような仮説を立てるといいのでしょうか」と思った経験がありましたので考えを書いていきたいと思います。
※おそらくいろんな解釈や考え方があります
思い込みと仮説の違い
思い込みと仮説をよく混同してしまいますが、それぞれ違ってそれぞれ重要です。
思い込み
Wikipediaにはこのように書かれていました。
思い込みとは、深く信じこむこと。また、固く心に決めること
XXという機能がある製品は売れる。たくさん働けば出世する。こういったものが思い込みになります。つまり正しいかどうかはわからないけど信じていることが思い込みと言えます。
この思い込みをそのままに開発を進めていくと、いざリリースした後に売れなかったとか使われない機能だったということになりかねません。
仮説
Wikipediaにはこのように書かれていました
仮説(かせつ、英: hypothesis)とは、真偽はともかくとして、何らかの現象や法則性を説明するのに役立つ命題のこと。仮説はその正否を実験的に検証しうるような、具体的に明確な内容を持つもの
書かれている通り、「検証しうる」ということが特徴です。また、仮説を検証する際は方法と判断指標も大切になってきます。どんな方法で検証をするか、どういう結果を持って正しかったと捉えるかは一概には言えませんが、上手に方法と判断指標を設定することがプロダクトマネージャーのスキルの一つかもしれません。
例を挙げてみます
- XXという機能が欲しいと答える人が多いだろう
- 家電量販店の入り口で100人にアンケートをとり(方法)、50人以上がXXという機能が欲しいと答える(判断指標)
- 出世した人は残業時間が多かっただろう
- 先輩や上司にヒヤリングし(方法)、残業が月30時間を常に超えていたと答える人が60%以上いる(判断指標)
思い込み→仮説
思い込みが正しいのかどうかを明らかにするために、仮説を検証していくというイメージがわかりやすいかもしれません。
プロダクト開発において、「顧客は存在する」「YYということに課題を感じている」「ZZという機能やソリューションに価値を感じる」といったような思い込みに対して仮説を立てて検証していくことが仮説検証の進め方ではないかと思います。
仮説検証の例
仮説検証をしたのかは分かりませんが、綾鷹のCMでやっていた「板前さん100人に聞きました。急須で入れた緑茶にもっとも近いのはどれ?」という調査がとても分かりやすいと感じましたので取り上げてみます。
※あくまでも想像です
- 思い込み(想像):
- 綾鷹は急須で入れた緑茶に近い
- 仮説(想像):
- 綾鷹を飲んだら多くの人が急須で入れた緑茶と感じる
- 検証方法
- 板前さん100人に対し数種類の銘柄を隠した緑茶を試飲してもらい、アンケートを実施する
- 判断指標(想像)
- 60%以上の人が綾鷹を選ぶ
CMでは実際に板前さん100人に対して調査を行い、見事62人の板前さんが綾鷹を選びました。仮説が立証され、「綾鷹は急須で入れた緑茶に近い」という思い込みは正しいと言える状態になったのではないかと思います。
また、検証方法のターゲットとして板前さんを選んだのも、違いがわかる人がそう答えたということで検証の確らしさや説得力があったのではないかと思いました。
最後に
この記事を書くにあたっての思い込みと仮説を。
思い込み:この仮説についての記事は誰かの役に立つだろう
仮説:仮説についての記事を書けば、いいねをたくさんもらえる
判断指標:100いいねを超える
※いいねがあまり付かなかった場合でも思い込みが否定されたというわけではなく、記事が微妙だっただけという可能性があります。