はじめに
このブログはAWSとメインフレームのモダナイゼーションについて自身が学習した内容のまとめ記事となります。
前半ではクラウドやメインフレームに関して簡単に触れていますが、既に知識のある方は、冒頭を読み飛ばしていただいて構いません。
内容としては自身が理解しやすいように平易な表現を使って構成しているため、著しく正確性に欠ける情報がありましたらご指摘いただけると筆者は大変喜びます。
そもそもAWSとは
もはや説明不要かもしれませんが、AWSによるメインフレームモダナイゼーションを理解する前にAWSについて簡単に触れておきます。
AWSとはAmazon Web Servicesの略で、
Amazonが提供している200以上のクラウドコンピューティングサービスの総称です。
クラウド
クラウドを一言でいうと「利用者がサーバーやネットワークのなどのインフラや、ソフトウェアを持たずとも、インターネットを通じて、サービスを必要な時に必要なだけ利用する仕組み」のことです。
つまり、物理的なハードウェアの購入や管理、ソフトウェアのインストールが不要になるということですね。
そしてクラウド市場のパイオニアとして次々と新たなサービスを展開してきたAWSは、現在でも世界トップシェアを誇っており、世界中の企業に用いられています。
メインフレームとは
一本の記事でまとめるにはあまりに奥が深いメインフレームですが、一言でいうなら
数十億件の計算や商取引を、安全かつリアルタイムで処理する能力を提供するサーバー
です。
以前私はデータセンターで実物を目の当たりにしましたが、超巨大でSF映画のような格好良さがありました...!
そして前章でご紹介したクラウドの利点を覚えていますか?メインフレームは巨大なコンピューターを自社(もしくはデータセンター)で管理するという点で、クラウドとは対極にある存在ともいえます。
メリット
そんなメインフレームですが、以下のようなメリットもあり、今でも多くの企業が採用しています。
- 高い処理能力
- 高い信頼性と可用性
- セキュリティの堅牢さ
例として、ATMなど、24時間365日安定して稼働することを求められる金融系のサービスの多くが、そのシステム基盤としてメインフレームを採用しています。
デメリット
一方で以下のようなデメリットもあります。
- 拡張や仕様変更に時間がかかる(アジリティの低下)
- 運用の複雑性 → 保守費用の増加
- 運用の複雑性 → メインフレームを扱える人材の減少
上記のようなデメリットから、近年ではメインフレームからの脱却をはかる企業が多く存在します。(※そもそも1つのメインフレームを購入すること自体に非常にコストがかかるため、スタートアップ企業では手を出すのが難しい。)
しかし、未だに多くの企業はメインフレームに依存しています。それは、
- メインフレームが企業の基幹システムを司っており、メインフレームを前提として多くのシステムが複雑に交わりあってシステム基盤を構成しているから
- メインフレームで動いている基幹システムは停止することが難しく、業務への影響を考慮するとシステムの変更が容易ではないから
- 莫大なコストがかかるから
といった理由があります。
Blu Age(ブルーエイジ)とは
本題に入ります。
前の章で触れたメインフレームのデメリットを解決するツールとして登場したのが、今回のタイトルにもある「AWS Mainframe Modernization Refactor with AWS Blu Age(通称:Blu Age)」です。
サービスの概要は、
- メインフレーム専用言語であるCOBOLからJavaへの変換(リファクタリング)
- メインフレーム互換ランタイム環境へのリプラットフォーム(本来メインフレームのみで動作するものを、互換性のある別環境で動作させる)
上述したように、メインフレームからの脱却には膨大なコストや労力がかかるため、今回のBlu Ageというサービスはメインフレームといかに共存するか を焦点に置いたものといえます。
では、上記のデメリットに対して、Blu Ageではどのように対応するのでしょうか。
「拡張や仕様変更に時間がかかる(アジリティの低下)」に対して
→ Blu Ageのモダナイズされたアプリケーションは、新しい言語とフレームワークでDevOpsのベストプラクティスを実装し、アプリケーションレベルとインフラストラクチャレベルの両方で俊敏性(アジリティ)を向上させます。
「運用の複雑性- 保守費用の増加」および「運用の複雑性- メインフレームを扱える人材の減少」に対して
→ 2つのデメリットに対しては、Blu Ageがメインフレームで使われているCOBOL言語を世界中に技術者が多く存在するJavaに変換するサービスであるため、運用が容易になるほか、ベンダーロックを避けることが出来るため、結果として保守費用も安くなるといわれています。
以上がざっくりとした説明です。今回は初心者向けにまとめたブログなので、Blu Ageを深く理解する方法やAWS側で使用するコンポーネントの説明、料金プランについては下記のリンク紹介にて割愛させていただきます。
Blu Ageについて学ぶ方法
Blu Ageについて、より深く学びたい方向けに下記のリンクをご紹介します。
内容はレベル1~3まであり、レベル1に関しては、AWSパートナーネットワークに加入されている方は受講が可能です。
Blu Ageソリューションに使用されるAWSのコンポーネントは?
Blu Ageで用いられるAWSのサービス(コンポーネント)は下記のリンクにて紹介されています。
Blu Ageの料金体系は?
AWS側で用いるコンポーネントに関しては、基本的に従量課金制です。詳しくは、下記のリンクを参照してください。
まとめ
- Blu Ageとは、メインフレームのデメリットをクラウドで補うサービス
- 主なソリューションは次の2つ
- 専門性の高いメインフレーム独自の言語であるCOBOLを、汎用性の高いJavaに変換する
- メインフレームを別環境でも動作できるようにする
日本をはじめ多くの企業では、いまだメインフレームで基幹システムを動作させています。もしこれらの企業全てがクラウドによるモダナイゼーションをするとなれば、ビジネスの規模としては想像もつかないほど大きくなると考えられます。
今後もAWSによるメインフレームモダナイゼーションから目が離せません。
おわりに
さて、今回のブログはいかがでしたか?
お読みいただきありがとうございました。ご意見や皆様のリアクションをお待ちしております!