はじめに
間に合いませんでしたが、26日になってしまったのでひとまず公開します
この記事は AEC and Related Tech Advent Calendar 2020 の14日目の記事です
免責
ゲーム業界に飛び込む異業種の人が増えてほしいので発信しようと思いました
ポエムにならないように気をつけましが、なってたらすいません
あくまで個人的な経験のみから、ゲーム業界歴半年の僕の狭い視野で見えていることを記事にしました
この記事のターゲット
・異業種からゲーム業界への転職を考えているひと
・建築学科に在籍してるけどゲーム業界に行ってみたいひと
…のつもり
自己紹介
2020年夏から都内のゲーム会社で、背景TAとして働いています
それまでの経歴はざっくりこんな↓↓感じです
ゲーム背景←独美大←都市設計←建築設計←建築施工←土木工学科卒
執筆時で33歳、約10年間で色々な業職種をかじりました
HoudiniというCGソフトウェアにハマっています
Twitterに生息↓↓し、主にハマっているHoudiniについての情報発信をしています
https://twitter.com/TaroOzaki
興味が似ている人がいたら仲良くしてください❤
なぜゲーム業界に
10年かけて土木や建築,都市設計,現代芸術をかじった結果、
僕はひとつ作品を作り上げることよりもアイディア出しや設計施工を支えるテクノロジーそのもの、
1街区の設計よりも街全体の成り立ちや市民の生態などに興味がある、ということがわかりました
そしてゲーム背景TAという職種が、この僕の興味にピッタリだと思ったからです
あとは、常に新しいテクノロジーを取り入れる業界全体の姿勢も肌にあっていると感じています
というわけでゲーム業界転職に至るまでに色々と頑張った活動を、シェアしていけたらと思います
これを読んで、ゲーム業界を志すAEC出身者が増えれば嬉しいです
Houdiniを見つけて使えるようになるまで
建築でよく使われるソフトウェアを色々触る
しばらく建築周辺をウロウロしていたので、界隈でよく使われる
Adobde,Jw-Cad,Vectorworks
ArchiCAD,Revit,SketchUp,Rhino,Grasshopper,Cinema4D,Fusion360…
などを大学を卒業してから少しずつかじりました
この中でも気に入っていたのはGrasshopperとCinema4Dでしたが、どちらにも満足できていませんでした
2つのいいとこ取りしたようなソフトウェアがあるということが調べているうちにわかり、それがHoudiniでした
↓↓8年前、Sketchupで作った初めての3D
新しい道具を使って発表できる場があった
Houdiniを見つけた時、僕はドイツの美大にある建築学科にいました
僕の教授は奇抜な建築で有名なオランダ人で、Houdiniを使った僕のチャレンジを寛容に受け止めてくれました
学校のプログラム自体もかなり緩く、結果的に自分の興味を深堀りできるよい期間になりました
年に4回ほどある学内の講評会も、モチベーション維持に有効に働きました
人に研究成果を聞いてもらってフィードバックをもらうことは、精神的なバランスを保つのによいと思いました
あと、後述しますがTwitterからもたくさんモチベーションをもらいました
↓↓こんなの作って怒られてました
まだ少なかったHoudiniユーザー
CG業界では着々とユーザー数が増えてきているHoudiniですが、僕が触り始めた2017年時点では
日本語書籍はようやく一冊出て、Twitterで日本語情報を発信している人は数人程度でした
英語の情報はすでに潤沢にありましたが、CG業界でもまだまだ導入は進んでいない様子でした
建築業界では世界中で数人観測できた程度でした
他人がやっていないことが好きな僕は、これもすごくモチベーションになりました
外国人がネイティブのやっていることを真似しても…
道具としてHoudiniを選んだ理由には、少しネガティブなものもありました
当時気に入っていたGrasshopperやCinema4Dには、建築業界に先駆者がたくさんいて学習しやすい反面
そのスキルだけでドイツで生きていくのは難しそうだなと思いました
なぜならドイツには
●Grasshopperなら構造,意匠に関するアカデミックなバックグラウンド
●Cinema4DならV-ray,Photoshopなどのレンダリングや画像処理のスキルとセンス
をあわせ持った優秀な人材が市場に対して潤沢にいたからです(個人的感覚です)
言語のハンディキャップがある中で、小手先の技術だけ身につけても
ネイティブの下でIT土方のような働き方からは抜け出せそうにないと感じて、
オンリーワンのスキルとしてHoudiniに賭けたわけです
圧倒的にHoudiniが好きだった
今でもそうですが、趣味でも仕事でも毎日14時間ぐらいHoudini触っていてもまったく飽きません
前述のような状況も相まって、どんどんHoudiniにのめり込んでいきました
そしてHoudini歴1年ぐらいで、人前で話すきっかけを頂いたりして徐々に自信が付いていきました
インターネットでの活動
2年間Twitter漬け
2018-2020の約2年間、ほぼ毎日Twitterに張り付き、いいね,RT,タグ付けをしまくり、自分からもできる限り発信しました
コミュニケーションを深めていくうち、こちらの質問に親切に答えてくれる方、実際に会ってくれる方などもいました
CG技術の勉強会などの情報や登録もTL上で得て、一時帰国の際は積極的に足を運びました
そして今は、結果的にTwitterを通して知り合った人が何人もいる会社で働いています
そうした経験から、日本のゲーム業界にアピールしたい場合に一番大事なSNSだと思っています
Linkedinで盛る
Linkedinは諸外国での転職活動には一番な大切なSNSです(Twitterを通して知り合った大御所に教わりました)
入りたい,または興味のある会社の関係者に申請をしまくりました
プロフィールを盛りまくり(※嘘は書いてない)、数か月でコネクションが500人ほどになりました
一か月だけプレミアム登録すると(ひと月だけ無料だったはず)、検索や申請がはかどります
会いたい人,会う予定の人がLinkedinにいれば、その人の経歴を調べて質問したいことをストックしておきました
そのうち盛りまくったプロフィールに釣られて、怪しいヘッドハンティングのメールもちらほら来るようになりましたw
息が長く堅いプラットフォームなので、将来的にもきっと役に立つ財産(人脈?)になると思っています
Artstationはポートフォリオ代わりに
世界中の商業アーティストが一番アクティブにいるSNSだと思います
ただ、僕の場合はポートフォリオ代わりに利用しました
レイアウト作業に時間を割くのがアホらしいという理由からです(2Dデザインが大事な職種もあると思いますが)
デジタルアートのプロが使っているプラットフォームだけあって、それなりにカッコいいwebデザインだと思います
こちらはLinkedinと違って盛りようがないのでアップロードが苦行でしたが、会いに行った業界人が事前に見ていてくれたこともありました
見る側もスマートフォンで手軽に見れるので、整備しておいて損はないと思います
フィードには卒倒するほどクオリティの高い作品がずらっと並んでいるので、僕はあくまで背景TAとしての将来性がわかる様に心掛けました
ポートフォリオ代わりに使う一方で、素晴らしい作品を見てクオリティや背後にある技術を勉強したりしました
ドイツで動き回る
ゲーム業界を目指す、と決めた時点で僕はドイツにいました
ドイツでの暮らしが気に入っていたこと、息子が産まれたこと、妻が新しいビジネスを始めたこと、などの個人的な理由から、
その時点ではドイツのそれも近郊のゲーム会社しか視野にありませんでした
ドイツのカンファレンスに行く
半年間でFMX、Gamescom、GermanGameDevという3つのCG,Game系カンファレンスに行きました
外国でのカンファレンス参加はそれなりに大変でしたが、業界の雰囲気を肌で感じることができて良い経験でした
自分が持っている唯一のスキルであるHoudiniが、どの業界でどれほど浸透しているか懸命に推し量りました
あと、そこまで社交的でない僕でも
FMXでは日本のゲーム会社のVFXアーティストと、
Gamescomでは若い映画監督の卵のようなYoutuberと、
GermanGameDevではドイツのインディーシーンでボランティア活動をしているイベントオーガナイザーと、
知り合うことができました
地元の会合に行く
前述のGermanGameDevというカンファレンスの就職支援セッションで、
地元のゲーム開発者が月イチで集うイベントに参加すべし、という助言をもらいました
行ってみるとインディーゲームで一攫千金を狙っている人たちがたくさんいました
みんな純粋にゲームが好きで、4-5人の仲間で集まってUEやUnityを使って開発していました
試遊台で、育ちや外見の違いを超えて遊べるゲームの素晴らしさを感じる一方で、
僕の経歴やスキルはドイツのゲームシーンではほとんど必要とされてないことを感じました
人に会いに行く
イベントだけでなく、せっかくドイツにいることを活かそうと、会っておきたい人には積極的に会いに行きました
●ミュンヘンのドイツ人Houdiniレジェンド
●ワルシャワの日本人ゲーム背景リード
●デュッセルドルフの香港人ゲームサウンドリード
に会いに行きました
一人につき1記事書けそうなので、どんなインタビューだったかは今回は割愛します
一対一で会うにはそれなりの覚悟と下準備が必要ですが、その分得るものも大きかったので
恥を忍んで会いに行って本当に良かった、と思っています
日本で動き回る
――以降、年末にでも書き足します――