はじめに
Node.jsを使ってCLIツールを開発する際に便利なのが、Commander
ライブラリです。Commanderを使うと、コマンドラインからの入力を簡単に解析し、適切なアクションを実行することができます。
今回は、Commanderを使ったコマンド実装のパターンを紹介します。このパターンに従うことで、CLIツールに新しいコマンドを追加するのが容易になります。
プロジェクトの構成
プロジェクトのディレクトリ構成は以下のようになります。
src/
├── commands/
│ ├── server.ts
│ └── ・・・
└── index.ts
src/commands/
: 各コマンドの実装を格納するディレクトリ
src/index.ts
: コマンドを登録し、CLIツールのエントリーポイントとなるファイル
コマンドの実装
まずは、src/commands/server.ts
を作成し、serveコマンドを実装します。
import { Command } from 'commander';
export const serveCommand = new Command()
.command('serve')
.description('Open a file for editing')
.action(() => {
console.log('Getting ready to serve a file!');
});
Commandをインポートし、新しいコマンドインスタンスを作成
.command('serve')で、コマンド名を指定
.description('Open a file for editing')で、コマンドの説明を追加
.action(() => { ... })で、コマンドが実行された際のアクションを定義
コマンドの登録
次に、src/index.ts
を編集し、作成したコマンドを登録します。
import { program } from 'commander';
import { serveCommand } from './commands/server';
program.addCommand(serveCommand);
program.parse(process.argv);
Commanderからprogramをインポート
作成したserveCommandをインポート
program.addCommand(serveCommand)
で、serveCommandを登録
program.parse(process.argv)
で、コマンドラインの引数を解析
型定義ファイルのインストール
TypeScriptを使用している場合、Node.jsの型定義ファイルをインストールする必要があります。
lerna add @types/node --dev --scope=cli
lerna add
を使って、@types/node
をインストール
--dev
フラグを付けて、開発依存関係として追加
--scope=cli
で、cliパッケージにのみインストール
CLIツールの実行
コンパイル後、生成されたdist/index.js
を実行することで、CLIツールを試すことができます。
node packages/dist/index.js serve
serveコマンドを実行すると、Getting ready to serve a file!
というメッセージが表示されます。
また、--help
オプションを付けて実行すると、利用可能なコマンドとその説明が表示されます。
node packages/dist/index.js --help
おわりに
以上が、Commanderを使ったコマンド実装のパターンです。このパターンに従うことで、CLIツールに新しいコマンドを追加するのが容易になります。
今回は基本的な実装のみを紹介しましたが、実際のCLIツールではもっと複雑な処理が必要になることもあるでしょう。しかし、このパターンを理解していれば、それらの処理を適切な場所に追加していくことができます。
ぜひ、自分のCLIツールの開発に活用してみてください!
参考