はじめに
AWSは、ユーザーのニーズに合わせて選べる様々なインスタンスタイプを提供しています。それぞれのインスタンスタイプには、メリットとデメリットがあり、使用目的に応じて適切に選択することが重要です。ここでは、スポットインスタンス、リザーブドインスタンス、オンデマンドインスタンス、専有インスタンスの概要を説明し、それぞれの使い分け方を表にまとめました。
1. スポットインスタンス
概要
スポットインスタンスは、AWSの未使用の計算容量を利用して、オンデマンド料金よりも最大90%割引で利用できるインスタンスです。ただし、AWSがキャパシティを必要とする場合、2分前の通知で中断される可能性があります。
メリット
- オンデマンド料金と比較して、最大90%の割引で利用できる
- 柔軟なインスタンスタイプとサイズを選択可能
- 中断の可能性を考慮して設計されたワークロードに適している
デメリット
- インスタンスが中断される可能性がある
- 長期的な運用には向かない
- 中断による影響を最小限に抑えるためのシステム設計が必要
2. リザーブドインスタンス
概要
リザーブドインスタンスは、1年または3年の期間で特定のインスタンスタイプを予約することで、オンデマンド料金と比較して最大75%の割引を受けられるインスタンスです。
メリット
- オンデマンド料金と比較して、最大75%の割引で利用できる
- 長期的な使用に適している
- 予約期間中は、インスタンスが常に利用可能
デメリット
- 予約期間が1年または3年と長期にわたる
- 予約したインスタンスタイプを変更できない
- 前払いが必要な場合がある
3. オンデマンドインスタンス
概要
オンデマンドインスタンスは、必要な時に必要な分だけ起動し、使用した分だけ料金を支払うインスタンスです。従量課金制で、長期的なコミットメントは不要です。
メリット
- 必要な時に必要な分だけ利用できる
- 長期的なコミットメントが不要
- インスタンスタイプとサイズを自由に選択可能
デメリット
- 他のインスタンスタイプと比較して、料金が高い
- 大規模なデプロイメントには費用がかかる
- 需要が高い場合、キャパシティが制限される可能性がある
4. 専有インスタンス
概要
専有インスタンスは、単一のお客様専用のハードウェアで実行されるインスタンスです。他のお客様とハードウェアを共有することはありません。
メリット
- ハードウェアレベルでのセキュリティと分離性が向上する
- コンプライアンス要件を満たすことができる
- ライセンスの持ち込みが可能
デメリット
- 他のインスタンスタイプと比較して、料金が高い
- 専有ハードウェアの設定と管理が必要
- スケーリングには制限がある
まとめ
インスタンスタイプ | 特徴 | 適した使用例 |
---|---|---|
オンデマンド | - 最大90%の割引 - 中断の可能性あり - 柔軟なインスタンスタイプとサイズ |
- ビッグデータ処理 - バッチ処理 - CI/CDワークロード |
リザーブド | - 最大75%の割引 - 1年または3年の予約 - 安定した長期運用に適している |
- 本番環境のワークロード - データベース - 長期的な運用が必要なアプリケーション |
スポット | - 従量課金制 - 長期的なコミットメント不要 - 柔軟なインスタンスタイプとサイズ |
- 開発・テスト環境 - 予測不可能なトラフィックパターンのWebアプリケーション |
専有 | - 単一テナントのハードウェア - 高いセキュリティと分離性 - ライセンスの持ち込み可能 |
- セキュリティとコンプライアンスが重要なワークロード - ライセンス持ち込みが必要な場合 |
参考