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技術同人誌を「書く」意義

Last updated at Posted at 2019-12-15

この記事は 「技術同人誌 Advent Calendar 2019」 の15日めの記事です。

昨年・今年と、技術書典に3回参加しました。いずれの回も、技術同人誌の執筆・売り子としての参加でした。

色々と感じることがあり、書いてみます。

参加した理由とモチベーション

自分が技術書典に参加したのは

技術書典6、7 (いずれも共著本の執筆、売り子)
技術書典8 (委託販売と売り子手伝い)

です。

「最近 (2018-19) 盛り上がりを見せている、技術同人誌イベントに参加したみたい。」

というのが、参加した理由です。

このようなイベントの熱量は、実際に現場に行ってみないと分からない。ネット経由の情報では、技術書典の面白さといったものがわからないと思い、参加を決めました。

どうせ参加するなら、自分でも何か同人誌を書いて参加したほうが楽しいのではないか、と思い、知人の同人誌執筆プロジェクトに参加。共著本に参加して、実際に同人誌を執筆・販売してみました。

同時に

・自分の知識や経験を形に変えてみたい
・自分自身の自己アピールにもなるかもしれない

という思いもありました。

実際に参加した感想は

「面白い」

でした。

自分が感じた「面白さ」について、少し詳しく書いてみます。

技術同人誌即売会に感じた魅力

技術書典で感じた「面白さ」を一言でいうと、「思わぬ技術書との出会い」です。「セレンディピティ」と言い換えても良いでしょう。

自分がなにかの本をAmazonで買おうとすると、自分の見知った情報の範囲に留まりがちです。自分の興味の範囲でしか手が届かないことが多くあります。

技術書典では、「初めて聞く技術」が次々に視界に入ります。自分の興味・関心という壁の向う側にある情報が沢山入ってきて、見るだけでも楽しいのです。

さらに、実際に買って読むことで、それまで想定していなかったような技術に触れることができます。

このような偶然の出会い=セレンディピティこそが、技術同人誌の最大の面白さでした。

加えてや「以前から気になっていたけど、これまで手を出していなかった技術」の道案内のような本にも出会います。

仕事上やプライベートで使う機会がなかったけど、ちょっと気になっていた技術 (自分の場合、Firebaseなど) を、同人誌がきっかけで触る機会ができました。

これもセレンディピティの一つと言えるでしょう。

技術文書を書く意義

技術同人誌を書く意義はどこにあるか。

最も大きいのは、「頭の中の棚卸し」です。知識や思考を言語化しようとすると、どこまでを正しく理解できていて、どこが曖昧か、整理できます。

文章は恐ろしいほどに「自分」が出ます。思考や癖、キャラクターなど。
同じテーマで文章を書いても、筆者によってびっくりするほど内容が違うことがよくあります。

自分はどんなことを考え、何を知っているかが再確認できるのも、技術同人誌の楽しさの一つと言えるでしょう。

販売書籍と同人誌の違い

商業出版として販売されている書籍と同人誌、違いは何でしょうか。

個人的な感想ですが、一般的に、出版社を経由して販売されている商業出版書籍のほうが、出版物としてのクオリティは高いと考えています。

個人レベルの文章と違い、複数の担当者による内容チェック、文章の校正、見やすいレイアウトなど、「売る」ための工数をかけた書籍は、やはり完成度が違います。

同じ著者が同じ内容で書籍を作ったとすれば、同人誌よりも商業書籍のほうがクオリティは高くなることでしょう。

それはそれとして、「商業書籍のほうが良い、同人誌はだめ」ということにはなりません。

言ってみれば、商業書籍は「コース料理」、同人誌は「屋台の料理」のようなものです。

皆さんは、お祭りで食べた焼きそばがとても美味しく感じたことはないでしょうか?

同人誌即売会のようなお祭りで手に入れた同人誌は、「お祭りの屋台の焼きそば」のようなものです。同人書籍を買うという行為は、イベントに参加した「体験」や、売り手と会話、偶然あった知人との出会いなど、全てを含めた「体験」込みの価値があります。

お店で食べるコース料理も、屋台で食べる食べ物も、どちらも美味しいことには変わりありません。

体験も含めて、技術同人誌を作る、売る、買うのはとても楽しく、価値があると言ってよいのではないでしょうか。

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