これは、静的サイトジェネレーター Advent Calendar 2016 20日目の記事です。
Movable Type (ムーバブルタイプ) は、2001年に生まれたブログソフトであり、CMSソフトです。そして、強力な機能を持つ静的サイトジェネレーターでもあります。
再構築と呼ばれる処理を行うことで、階層構造を持ったサイトデータに加え、月別・年別・著者別・カテゴリ別など、アーカイブごとにデータをまとめて出力できます。その特性から、ウェブ用CMSとして、小規模から大規模までの企業サイト、そしてブログなどに広く使われています。
一方で、15年の長い歴史を持つソフトでもあるため、数々の誤解も存在します。今回は、静的サイトジェネレーター Movable Type についてよく言われている誤解を解いておこうと思います。
Movable Type は無料で使えない、高い
無償で使えるライセンスがあります。個人で使うなら、個人無償ライセンス。開発・評価で使うなら、開発者ライセンスがあります。
さらに、AWSにも、無料で使えるメニューが存在します。Movable Type のAMIを利用して、nanoおよびmicroインスタンスを立ち上げた場合、Movable Typeのライセンス費用はかかりません。
Movable Type はPerlで書かれているため、とっつきづらい
Ver.6から、REST APIである [Data API] が実装されています。エンドポイントを叩くことで、php、Ruby、Java、JavaScript など、さまざまな言語でデータ操作が可能です。
https://www.movabletype.jp/developers/data-api/
https://www.sixapart.jp/movabletype/data-api/
Movable Type は昔流行ったソフト。もう誰も使ってないのでは?
全国に10以上のユーザーグループが存在して、個別に活動を行っています。
https://www.movabletype.jp/mtug/
2016年は2つの大きなイベント「MTDDC Meetup」が開催され、とても盛り上がりました。
http://mtddc2016.mt-tohoku.net/
http://mtddc2016.mt-tokyo.net/
コミュニティは活気があります。
実際に使っているエンドユーザーもたくさんいまして、日本国内では継続的に、企業や大学、官公庁のサイトのCMSとして多く使われております。
Movable Typeを作っていたシックス・アパートは、買収されてなくなったんじゃなかったけ?
アメリカで設立された Six Apart は 最終的に Say Media に統合されましたが、日本のシックス・アパート がMovable Type のライセンスを引き継ぎ、日本国内を中心として開発を続けています。
IT、インターネットに関するプロダクトやサービスは、どうしても海外で生まれ、盛んになったものが主流になりがちです。日本で流行っているプロダクトやサービスも、海外産が多くを占めています。
その一方で、日本で作ったサービスを、世界に向けて発信したい、と頑張っている開発チームもたくさんあります。Movable Type も、実は「日本から世界中のユーザーに届けたい」と頑張っているサービスの一つです。
静的サイトジェネレーター「Movable Type」が使ってみたくなった方は、ぜひ開発者ライセンスに登録していじってみるか、AWSでインスタンスを立ち上げて、いろいろ触ってみてはどうでしょうか。
AWSで Movable Type を触ってみる
AWSを利用して、Movable Type を触る方法について、以下にマニュアル的なものがありますので、参考になれば幸いです。
https://www.sixapart.jp/movabletype/aws/how-to-use.html
http://www.slideshare.net/tosanai/20161219-aws-handsonpublicpptx
※ Disclaimer
本記事を書いたのは、Movable Type を開発している会社・シックス・アパートの中の人間です。ただし、記述した内容には嘘や誇張は存在しません。
(なにかお気づきの点がありましたら優しくお知らせください、謹んで訂正いたします。m(__)m)