はじめに
前回に続き、ソフトウェアファーストの第2版を読んで思ったことを書き連ねていきます。
第2章は「DX失敗の原因と製造業信仰からの脱却」です。
なぜDXがうまくいかないのか
「DXが流行っている、だからやってみよう(または、やらなければいけない)」だと、うまくいかないですね。
なんだか便利そうな家電が売ってたから買ってみたけど、結局使わない、という現象と似ている気がします。
DXの成功例がいくつか紹介されていましたが、DXを正しく理解したからというより、そのような言葉に惑わされず、真摯に市場や顧客に向き合った結果うまくいっている印象を受けました。
低位安定
本書の中で、日本のユーザ企業とベンダー企業の相互依存関係が取り上げられてました。
ただ、個人的にはベンダー企業側の気持ちが分からなくはありません。リスクを取らずに一定の売り上げ・利益を見込めるなら、会社として、これほど美味しい話はないからです。
ホンダジェットの例が挙げられていましたが、あれはリスクをとって成功した事例であり、世の中にはリスクを取った結果失敗した例もあるため、ある程度、生存バイアスがかかっているかな〜と感じました。
アジャイルが浸透しない理由
日本の製造業はウォーターフォールで進めがちですが、それは製造業のプロセスに沿っているからだけでなく、予算・稟議の取り方も影響しているかなと思います。
ウォーターフォールの場合、計画上の話とはいえ、いつまでにいくらで何をやります、と最初に約束をするため、稟議を通す側からすると検討しやすい側面があります。
対して、アジャイルの場合、そこの約束ができない・不明瞭になっているため、嫌悪感を示す人が出てきてしまいます。
狩野モデル
第2章で狩野モデルの紹介がされていました。
ソフトウェア開発では、気をつけるべきポイントが様々あります。
- UI/UX
- 処理速度(応答速度)
- 様々なデバイス(ディスプレイ)への対応
- エラーハンドリング
- RASIS
- 運用・サポート体制
プロジェクトは、人、金、時間に限りがあるため、全てにおいて100点満点を目指すのは非現実的ですね。
狩野モデルを活用することで、この辺りをうまく整理できそうです。
第3章で紹介されている「価値曲線」(ゲーム機の比較の図が載っていたもの)と併せて考えても良さそうです。