はじめに
少し前に、こちらの記事を書いた通り、Copilot Studio のナレッジに SharePoint リストを追加できるようになりました。こちらは、Power Platform 市民開発をしており、ナレッジが SharePoint リストに溜まっている組織からすると、非常に嬉しいアップデートかと思います。
しかし、上述の記事の通り、個人的に現状品質に課題があると思います。
今回、もう少し検証してみて、どんなことが得意で、どんなことが苦手なのか分かったことを整理したいと思います。
データ
今回、このようなリストを用意しました。質問と回答の列に加え、カテゴリー列を追加しています。
検証したこと
まず、上記のようなデータが蓄積している場合、過去の問い合わせを基に、人の代わりに、質問に答えてくれるチャットボット的なものを作りたいと思うケースがあると思います。
そのため、以下のような指示文にしました。
そして、質問をしてみます。まず、Question 列に完全一致する行がある質問をしてみます。しかし、残念ながら回答が返ってきませんでした。
もちろん、少しニュアンスを変えた質問をしても回答が返ってきませんでした。
残念ながら、利用者が質問した内容を基に、過去の問い合わせを基に、良い感じに、人の代わりに、質問に答えてくれるようなことは、現状(記事執筆時点では)苦手かもしれません。
じゃあ何ができるの?何が得意なのと感じた人もいると思います。結論から言うと、リストでフィルター、検索でできることであれば Copilot Studio 側で指示したことはある程度上手くやってくれます。
例えば、リストでは、以下のように Category 列(選択肢列)でフィルターできます。
そのため、以下のように指示をすると回答を返してくれます。
以下のような指示でも回答返ってきます。
更に、以下のように、ID 列の番号を指定して情報を取得することもできます。
キーワードベースで情報を取得することも出来ました。
このようにリストでフィルター、検索できることであれば、回答を取得することができました。
もちろん、今後、利用者が質問した内容を基に、過去の問い合わせを基に、良い感じに、人の代わりに、質問に答えてくれるようになる、つまり、インデックスの精度が向上することに期待していますが、現状は上記のようなことであれば回答を取得することができることを踏まえ、利用用途を検討するのが良いかと思います。
例えば、自律型エージェントを作成する際、メールで質問があったら、質問内容を基に AI Builder でカテゴリーやキーワードを抽出して、そちらを基に、まずキーワードで検索して、ヒットしなければ、カテゴリーでフィルターして、取得できた情報をベストエフォートで返す(カテゴリーが一致するため、その中から欲しい情報が見つかるかもしれないため)ようなものであれば作れそうです。
もちろん、ここまで手をかけるのであれば、社内用途であれば、Copilot Studio でエージェント化はせず、リストをもとに Power Apps でフィルター、検索するアプリを作って過去のナレッジを活用するアプローチもあると思います。
まとめ
今回は、Copilot Studio のナレッジに SharePoint リストを追加できるようになったことを踏まえ、改めて検証してみて、どんなことが得意で、どんなことが苦手なのか分かったことを整理してみました。日々アップデートはしていきますが、現状の動作として参考になれば幸いです。