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株式会社 TAKMASPOWER を設立しました

Last updated at Posted at 2023-12-24

はじめに

この 1 年、Qiita で 100 件ほど、市民開発者の皆様向けに記事を書いていたら、結果的に、6 年半勤務したマイクロソフトを退職し、株式会社 TAKMASPOWER という会社を設立することになりました。こちらの会社では、これまで書いてきた記事と同じように、Power Platform 市民開発育成支援を行ってまいります。

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正直、これまで記事に書いてきたことが、会社という形になったのかなと思っています。そのため、これまで書いた記事がどう会社に変わっていったのか、改めて記事を紹介、整理してみたいと思います。

こちらの記事を通じて、アウトプットの素晴らしさ、継続することの力が伝わればと思っています。

また、転職したということで、自身の経験、スキルを整理し、強みを考えてみました。

エンジニアの皆様にとって、起業、キャリア、転職という観点でも参考になれば幸いです。

サービスメニュー全体像

まず、作成したサービスメニューは以下のような感じです。これまで、市民開発者の皆様向けに、沢山の記事を Qiita で書いてきましたが、それらのノウハウがベースとなっています。

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それぞれについて、これまで書いてきたどの記事が活かされているか説明します。

市民開発者向けトレーニング、ハッカソンワークショップ

トレーニング、ハッカソンワークショップのメニューは以下のような感じです。当たり前ですが、これまで、Qiita で沢山記事を書いていかなければ、一人でこれだけのワークショップメニューを作成することは出来ませんでした。

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まず、これまで、初学者向けに、以下のような Power Apps や Power Automate の記事を沢山書いてきました。これらのナレッジが、初級のワークショップのベースとなっています。

また、中級者以上向けにも、これまで、各種 TIPS、デザイン、Microsoft Dataverse、Azure OpenAI 連携等の分野の記事を書いてきました。結果的に充実した中級者以上向けのトレーニングを提供することに繋がりました。

先日、Microsoft Ignite で発表があった、注目の Microsoft Copilot Studio のワークショップも作成中の状況です。

ハッカソンワークショップは、以下のような流れで実施することを想定しています。例えば、初級編ワークショップ等を通じて学んだことをベースにアイディアを出していただき、短期間で、最低限の機能に絞ってアプリやフローを作成する感じになります。

そのためには、講師には、沢山出てくる様々な質問にタイムリーに答えていくことが求められるという認識です。

そして、このようなニーズに対して、これまで Qiita で多数の記事を書いてきたことが物凄く活きてくると考えます。実際に、過去にハッカソンの講師をした際、自身の記事を多数紹介しており、記事を書くようになってから、ハッカソンワークショップの質がより向上したと思っています。そのたびに、アウトプットしていて (記事を書いていて) 良かったと感じています。

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また、ハッカソンを実施する際のポイントについて、以下の記事でも紹介しておりますので良かったらこちらも参照ください。

相談会

一度ワークショップを受講したり、ハッカソンを受講したりしただけで自走できる人は個人的にかなり少ないと思っています。

目的は、継続することです。そのため、ハッカソンで作成したアプリをリリースするまで伴走したり、その後も作りたいアプリのアイディアが生まれた際に手厚く支援したりすることが重要と考えます。そのための一つの手段が定期的な相談会と考えます。

そして、継続することについて、個人的に以下のように考えております。

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私自身、Power Platform に出会い、継続してきたことで、Exchange や Office 365 セキュリティ系のエンジニアから転身し、受賞できるなんて 1 ミリも思わなかった、大きな Award をいただくような成果を残せ (もちろん、個人の力だけで取れたとは全く思ってませんが)、更に、以下の記事でも書いた通り、Qiita を通じて、市民開発者の皆様向けに出し惜しみすることなくアウトプットを継続してきたことで、マイクロソフトを自ら辞めて独立するという選択をすることになりました。

正直、社会人なりたてのころはもちろん、1 年前ですら独立することは全く考えておらず、キャリアプランにもありませんでした。

私以外にも、Power Platform に出会い、情熱をもって継続した結果、全く想像していなかったような人生を歩んでいる方が沢山います。例えば、以下のように、Microsoft の Power Platform の製品開発チームのグローバルのブログで紹介されている人もいます。恐らく、数年前の自分に伝えたら絶対に信じないような人生を歩んでいる人が沢山いると思います。

IT 経験がほとんどない方々が、継続した結果、自らアプリや自動化フローを作成し、自身や周囲の業務の効率化や改善を実現する感動的な瞬間、継続した結果、人生が変わったという瞬間に立ち会いたいことが、会社設立に繋がりました。

その他支援

もちろん、それ以外にも、これまで沢山の記事を書いてきました。それらのノウハウを、例えば、単発でのテクニカルディスカッション、アプリ作成支援、セキュリティガバナンス観点での相談等、お客様の課題に応じた支援に活かされると思っています。

業務提携

会社設立したばかりですが、株式会社フロッグポッドさんと業務提携することになりました。こちらのサイトでも紹介いただいております。このような業務提携が出来たのは、継続してアウトプットをすることで仲間が増えたためと考えます。この点についても、アウトプットを継続してきて良かったと感じています。

私の強み

一応転職したということを踏まえ、これまで書いてきた記事やこれまでの経歴を踏まえつつ、自身の経験、スキルを整理し、強みを考えてみたいと思います。

個人的に、転職するタイミング、また、転職してしばらく働いてみたタイミングで自身の経験、スキルを整理し、強みを考えてみること、大切と考えます。

これまでの実績、経験

まず、以下が私プロフィールです。Qiita や LinkedIn 等のプロフィールにも一部記載しておりますが、マイクロソフトでエンジニアとして 6 年半勤務し、2020 年から約 3 年間にわたり Power Platform を担当していました。

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その期間中、ハンズオンワークショップの講師、ハッカソンの講師、市民開発者を対象とした相談会、アプリケーションの作成支援、セキュリティガバナンス観点での支援、さらにはイベントでの登壇など、幅広い支援活動を行ってきました。

これらの支援を通じて、もっと沢山の市民開発者の皆様に情報を届けたいということで、1 年前くらいから、Qiita の記事を書いております。

また、私自身も市民開発者として、以下の記事で紹介しているようなアプリを多数作成しました。これらのアプリをマイクロソフト社内に広く展開し、広報活動も積極的に行い、お客様への導入支援、カスタマイズ支援も沢山行ってきました。

※当たり前かもしれませんが、これらのアプリ作成に関するノウハウはあると思っていただいて問題ないです

さらに、マイクロソフト社内でもっと市民開発を促進するために、以下のような社内イベントの運営 (イベントを運営するアプリの作成含む) にも携わりました。

その結果、もちろん運やタイミングもあるのですが、マイクロソフト内で最高峰の Award を受賞させていただいた経験もあります。

これらの多くの実績、幅広い経験は、私の強みと考えます。

Power Platform に対する愛、情熱

自分で言うのもなんですが、Power Platform に対する愛、情熱は深いと思います。正直、Power Platform は仕事でもあり、趣味でもあります。

そして、市民開発者育成支援に情熱を燃やしております。その証明は、言うまでもなく、これまで書いてきた Qiita の記事です。

書き始めてちょうど 1 年くらいですが、これまで、主に市民開発者の皆様向けに、アプリやフローの紹介、TIPS、躓きポイント、Azure OpenAI 連携等の記事を多数書いてきました。そして、この記事が 100 記事目となります。内容について少なからず市民開発者の皆様の役に立っているためか、アクセス数も現時点で 90 万を超えています。

わずか 1 年間でこれだけのアウトプットを継続できたのは、Power Platform に対する愛、情熱があるためと自負しております。

そして、市民開発者育成支援にフルコミットしたいため、自らマイクロソフトを退職てして独立することにしました。不安が全くないといえば嘘になりますが、それよりも Power Platform に対する愛、情熱が勝ったためこのような決断をしました。

この Power Platform に対する愛、情熱も私の強みと考えます。

サポートエンジニア、人材育成、メンタリング経験

私のこれまでの以下のような経験についても、市民開発者育成支援をする上での強みと考えます。サポートエンジニアの方や人材育成やメンタリングに強みを持っている方にとって、何らかの参考になれば幸いです。

サポートエンジニア経験

マイクロソフトおよび富士通時代をトータルすると、10 年以上サポートエンジニアとしての経験があります。

サポートエンジニアの仕事では、様々な方に対して、電話やメールベースで相手のスキルレベル、技術的バックグラウンド、お客様のプロジェクト、組織が抱える問題点を察し、最適な言葉を選択し、話の構成を組み立て、論理的かつ簡潔な説明を行ったり、意思疎通を図ったりする必要があります。

また、一問一答式のシンプルな質問はほとんどなく、技術的なアプローチだけでは解決しきれない問題が頻繁にありました。更に、質問者自身ですら真の問題点を見抜けていないことも多々ありました。

そのような中、事実と意見を徹底的に整理し、仮説を立て、意思決定のプロセスを明確にし、そこに到達するためのシナリオを作成し、質問者および多くの関係者と合意形成を行い、積極的に多くの問題を解決してきました。

これまでに 100 件以上の問題対策会議に参加しました。もちろん、ただ技術的な質問に答えるだけで、宿題をなるべくもらわないようにするといった受け身な姿勢で臨むのではなく、上述のようなアプローチを通じて、会議を効果的に進行する役割も果たし、様々な問題の解決に大きく貢献してきました。

20 代の頃は、会議の中で一番年齢が若いということも良くありました。生意気に思われないようにしつつ、多くの関係者と合意形成できるよう、デールカーネギーの「人を動かす」という本を何度も読み、実践するようにしていました。

このようなサポートエンジニアとしての濃密な経験は、具体化、抽象化の訓練にもなり、相手のレベル感に合わせて説明する能力を磨くことにつながり、多くの人から、説明が分かりやすい、丁寧というフィードバックをいただくことに繋がりました。

もちろん、トラブルシューティングも得意であり、市民開発者の皆様が何らかのエラーに遭遇した際の対応にも大いに活かせると考えます。

※もちろん個人差はありますが、サポートエンジニアは、IT エンジニアの中でもトラブルシューティングのプロ中のプロというか、トラブルシューティングに特化したスキルを持っていると個人的に考えます

このサポートエンジニアとしての経験も、市民開発者育成支援をしていく上での私の強みと考えます。

正直、サポートエンジニアとしての経験が、将来このような形で役に立つとは思っていませんでいたが、改めて、サポートエンジニアとして情熱をもって仕事をしてきて良かったと感じています。現在サポートエンジニアとして仕事をしており、今後のキャリアに悩まれている方、少なからずいると思います。こちらの記事や私の経歴が、そのような方の参考や励みに少しでもなれば幸いです。

人材育成、メンタリング経験

マイクロソフト時代、富士通時代に多くの人のメンターを務めました。社外の人からもお願いされることがあり、トータルでは 10 人を大きく超えています。

富士通で勤務していた際、OJT トレーナーとして多くの人材育成に携わりました。この仕事は私にとってただの職務以上のものであり、生きがいと感じて取り組んでいました。OJT 成果発表会では、私がトレーナーをするメンバーだけでなく、他の多くのメンバーに対してもプレゼンのレビューをしていました。

私のアプローチは、プレゼンの見た目より、その人の内面の深堀に重点を置いていました。具体的には、仕事を通じて生まれた感情を深掘りするための問いかけを行い、最終的に、人から言わされた目標ではなく、本人が心から納得する今後の目標の設定、それを踏まえたストーリー作成をサポートする形で協力していました。

マイクロソフト入社後には、所属する本部の新卒や入社したての中途メンバーに対して、自ら企画して、「サポートエンジニアにおける報告、連絡、相談等のビジネス基礎スキル」、「サポートエンジニアとして成長するための習慣」、「お客様の仕事について」、「カスタマーエンジニアとして価値を提供するには」、「お客様の意思決定に貢献するために必要なスキル」などのプレゼンを何度も行ってきました。

インターン生、新卒、中途のメンターを何度も務めるだけでなく (情熱をもって取り組んでいたため、依頼されるケースが多かったです)、前職の方や社外の方からお願いされて、履歴書のレビュー、面接のレビュー等を行うことも、生きがいとして長年行ってきました。

本人の努力のたまものであり、私の成果というわけではないですが、少なからずメンターとして関わった人について、その人からすると入社できるとは全く思っていなかったマイクロソフトに入社することが出来たり、社内でリーダーを務めたり、転職先で即海外のエンジニアから賞賛を浴びたりしています。言うまでもなく、活躍を聞くたびにとても幸せな気持ちになります。

このような人材育成、メンタリング経験も、市民開発者育成支援をしていく上で活きていると感じており、私の強みと考えます。

まとめ

上記の通り、Qiita を通じてアウトプットを続けてきた結果、会社を設立することになりました。

整理してみて、改めて、アウトプットすることの素晴らしさ、継続することの力を感じています。

また、自身の経験、スキルを整理し、強みを考えてみたところ、サポートエンジニアや人生育成、メンタリングの経験が、市民開発者育成支援という観点で、私の強みにつながっていることを再認識しました。

ということで、転職 (起業) することになりましたが、今後もアウトプットを継続していきますので、皆様是非よろしくお願いします。

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