はじめに
独自データをベースに ChatGPT から回答をもらえるようにしたいといったニーズは高いと思います。そして、出来ればそちら自体をコードを書かずに実現出来たら最高ですよね。
そして、そのためのアプローチとして、現状、Azure OpenAI の「Add your data」と Power Virtual Agents の 「Boost conversations」がある認識です。
今回は、それぞれについて、私の手元で試してみた結果を共有します。
あくまで、現時点での検証結果であり、プレビュー段階のため、検索の結果、精度については(特に日本語)、今後大きく変わる (いい意味で) 可能性がございます
利用したドキュメント
今回は、以下からダウンロードできる、Power Platform のライセンスガイドの日本語版と英語版を SharePoint ドキュメントライブラリに追加してそちらのデータを元に検索するようにしてみます。
Azure OpenAI の「Add your data」
こちら、既に色々な方がブログにまとめてくれていますので、機能自体はこれらのブログを参考になさってください。
まず英語から。結構いい感じに回答してくれています。
回答の元となったデータも確認出来ます。
次に、日本語でも確認してみます。日本語でも思ったよりいい感じに回答してくれました。
もちろん、「Add your data」で追加した以外の情報についても回答してくれました。そのため、ChatGPT プラス独自データから回答を得ることが出来ます。
Power Virtual Agents の 「Boost conversations」
こちらは、端的に言うと、Web サイトの URL を指定するだけで、その Web サイト内の情報を元に回答を返してくれるチャットボットが作成可能な機能です。今までも、Power Virtual Agents を利用して FAQ チャットボットを作成することは可能でしたが、こちらの機能により作成が圧倒的に楽になります。
こちらの機能で、上記の通り、SharePoint のサイトが指定できるため、ドキュメントライブラリにファイルを配置し、動作を確認してみます。
「Boost conversations」について、この辺の情報も参考にしていただければ幸いです。
まず、英語で質問してみます。結構いい感じに回答してくれます。回答の元となったファイルも案内してくれます。
日本語でも聞いてみましたが、英語で返ってきました。正式に日本語対応すればこの辺は問題なくなるのかなと思っています。
もちろん、Web サイトには存在しない情報を聞いたら回答は返ってきません。
まとめ
今回は、情報の元を同じにして、Azure OpenAI の 「Add your data」と Power Virtual Agents の 「Boost conversations」を比べてました。
パブリックプレビューの機能ですが、どちらもノーコードで作成でき、それなりに動作していることを確認出来ました。
Power Virtual Agents の 「Boost conversations」について、情報がない場合、「Add your data」のように、ChatGPT に聞いて回答をすることは出来ず、また、フロントエンド含め、カスタマイズには限界があります。
しかし、例えば、SharePoint ドキュメントライブラリに回答の元となるファイルを入れておくだけでサクッと FAQ チャットボットを作れるため、既存のデータを利用するシナリオにおける一つの選択肢として非常に魅力的と感じています。