YAMAHAルーターでIPv6 over IPv4サービスを使う方法について。本稿では、IPv6 over IPv4サービスとしてHurricane Electric Free IPv6 Tunnel Brokerを利用する。
対象
ISPがIPv6サービスを提供していない環境向け。
ただ、Hurricane Electricのレイテンシーは大きいため(当方の環境だとTokyoのtunnelを使用してもwww.kame.netとのpingで300ms~)利用シーンは限定的かも。
前提
- staticなグローバルIPアドレスを持っていること。tunnelの設定に必須。
ユーザー登録とトンネル設定
ユーザー登録
Hurricane Electric Free IPv6 Tunnel Brokerは https://tunnelbroker.net/ から登録できる。Registerからどうぞ。
tunnelの作成
ユーザー登録後、ログインしCreate Regular Tunnelから。
赤枠箇所にコチラ側のグローバルIPアドレスを指定する。
最寄りのtunnelサーバーを指定する。そしてCreate Tunnelを押下。
YAMAHAルーターの設定
トンネル設定項目の確認
使用する値は下図の(1)(4)(5)。(5)の代わりに(6)を使う、あるいは(5)および(6)の併用も可能。(2)はpingの疎通にでも使って。
ルーターのconfig
(1)(4)(5)をそれぞれ以下と仮定し
(1) 74.82.46.6
(4) 2001:470:23:beaf::2/64
(5) 2001:470:24:beaf::/64
# ゲートウェイの設定
ip route default gateway IPv4のゲートウェイのアドレス
ipv6 route default gateway tunnel 1
# LANインターフェイスの設定
ipv6 prefix 1 2001:470:24:beaf::/64
ip lan1 address 192.168.0.1/24
ipv6 lan1 address 2001:470:24:beaf::1/64
ipv6 lan1 prefix 2001:470:24:beaf::/64
ipv6 lan1 rtadv send 1
# WANインターフェイスの設定
ip lan2 address グローバルIPアドレス
ip lan2 nat descriptor 1
# VPNの設定
tunnel select 1
description tunnel "IPv6 Tunnel Broker"
tunnel encapsulation ipip
tunnel endpoint address 192.168.0.1 74.82.46.6
ipv6 tunnel address 2001:470:23:beaf::2/64
ipv6 tunnel tcp mss limit auto
tunnel enable 1
# NATの設定
nat descriptor type 1 masquerade
nat descriptor address outer 1 primary
nat descriptor address inner 1 auto
# DHCPの設定
dhcp service server
dhcp server rfc2131 compliant except remain-silent
dhcp scope 1 192.168.0.2-192.168.0.254/24
# DNSの設定
dns service recursive
dns server プライマリDNSサーバー セカンダリDNSサーバー
dns notice order dhcp me
疎通確認
ping6 www.kame.net
クライアントサイドは https://ipv6-test.com/ でどうぞ。
解説
configのうち、このようにコチラ側のエンドポイントアドレスがローカルアドレスなのは、
tunnel endpoint address 192.168.0.1 74.82.46.6
YAMAHAのページの説明に従ったもの。
IPIPとNATを併用する場合、ローカルエンドポイントアドレスに「アドレス変換後のルーター自身のアドレス」を指定してください。
注意事項
(6)の/48プレフィックスでRAする場合は/64に分割しないといけない。アドバタイズはされるけどクライアント側が応じた動きをしない。
2001:470:cafe::/48が提供されるなら以下の要領でどうぞ。
ipv6 prefix 100 2001:470:cafe:100::/64
ipv6 prefix 200 2001:470:cafe:200::/64
ipv6 lan1 prefix 200 2001:470:cafe::/48
ipv6 lan1 rtadv send 100 200
参考
- https://network.yamaha.com/setting/router_firewall/ipv6/ipv4_mediated
- http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/ipip/index.html#setting4
- IPv6 Tunnel Brokerを使ってIPv6ネイティブな環境を構築する
qiitaで類似記事があることを確認せずに投稿してしまった..。恥ずかしい。