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図解 PAR : OAuth 2.0 Pushed Authorization Requests

Last updated at Posted at 2020-01-12

この記事では『OAuth 2.0 Pushed Authorization Requests』(通称 PAR)を図を用いて説明します。(英語版はこちら

2021 年 9 月 16 日追記:PAR が RFC 9126 になりました。

:one: クライアントアプリケーションと認可サーバーがあります。

par_ja_01_client_and_authz_server.png

:two: クライアントアプリケーションは複雑な認可リクエストを抱えています。

par_ja_02_complex_authz_request.png

:three: もしも認可サーバーが『OAuth 2.0 Pushed Authorization Requests』(通称 PAR)をサポートしているなら、サーバーは『Pushed Authorization Request Endpoint』を公開しています。

par_ja_03_par_endpoint.png

:four: クライアントアプリケーションは、Pushed Authorization Request Endpoint で複雑な認可リクエストを認可サーバーに登録します。

par_ja_04_par_request.png

:five: 応答として、登録された認可リクエストを表す『Request URI』が発行されます。

par_ja_05_par_response.png

:six: クライアントアプリケーションは Web ブラウザを介して認可サーバーの認可エンドポイントに認可リクエストを送信します。クライアントは複雑な認可リクエストを送る必要はありません。かわりに、発行された Request URI を request_uri リクエストパラメーターの値として送るだけで十分です。(『RFC 9101 JWT-Secured Authorization Request』(通称 JAR)が敢えて破った後方互換性を大事に思うなら、client_idresponse_type などの必須リクエストパラメーター群も添えて)

par_ja_06_authz_request.png

:seven: 応答として、認可コード、アクセストークン、ID トークンなどが発行されます。下図では認可コードが発行されています。これは、認可リクエストの response_type リクエストパラメーターが code を含んでいる場合に起こります。トークン群とフロー群の関係については『OpenID Connect 全フロー解説』を参照してください。

par_ja_07_authz_response.png

:eight: クライアントアプリケーションはいつものように認可コードを添えて認可サーバーのトークンエンドポイントにトークンリクエストを送信します。

par_ja_08_token_request.png

:nine: 応答として、アクセストークンおよび条件により ID トークンが発行されます。

par_ja_09_token_response.png

:ten: まとめのフルカラーダイアグラム。

par_ja.png


新しいユースケースや要望に対応するため、新しい仕様群の開発が続いています。そのような仕様群の中には、認可リクエストを大きくするものがあります。例えば、『OAuth 2.0 Rich Authorization Requests』(RAR)は複雑な JSON 構造を持つ authorization_details リクエストパラメーターを追加し、『OpenID Connect for Identity Assurance 1.0』(IDA)(私の記事:『Identity Assurance - eKYC 時代の OpenID Connect)は claims リクエストパラメーター(OIDC Core 1.0, Section 5.5)の値に、これもまた複雑な JSON 構造を持つ verified_claims を挿入しました。

この記事で取り上げた『OAuth 2.0 Pushed Authorization Requests』(PAR)は、クライアントアプリケーションが大きな認可リクエストを Web ブラウザを介して送る必要がなくなるよう開発されました。加えて、PAR により他の利点ももたらされます。より多くの情報については、PAR 仕様自体や、仕様の著者である Torsten Lodderstedt 氏の記事群(例えば『Pushed Authorization Requests Draft adopted by OAuth Working Group』等)を参照してください。


私の会社の製品である Authlete(オースリート)は、バージョン 2.2 以降で PAR、RAR、IDA をサポートしていますスペックシート)。これらの新しい仕様群を試されたい方は、コンタクトフォームやメール(sales@authlete.com)でお問い合わせください。

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