本橋孝昭です
今回はダッシュボードの検索条件で「所有者」絞り込みの際に気を付けることをまとめました
なおダッシュボードの検索条件とはこちらの画像のことです
この話をする前にいくつか前提を説明します
「所有者」項目のデータ型は2種類ある
まず単純に「所有者」項目といえどもオブジェクトごとにデータ型が異なります
所有者項目のデータ型は2種類あります
パターン1 データ型「参照関係(ユーザー)」
商談オブジェクト、キャンペーンオブジェクトなど一部標準オブジェクトについて所有者のデータ型は「参照関係(ユーザー)」となります
パターン1 データ型「参照関係(ユーザー,グループ)」
ケースオブジェクト、リードオブジェクトなど一部標準オブジェクト、およびカスタムオブジェクトについて所有者のデータ型は「参照関係(ユーザー,グループ)」となります
つまり図にするとこうなります
所有者のデータ型「参照関係(ユーザー)」「参照関係(ユーザー,グループ)」についてキューが使えるオブジェクトと関連があります
すべての標準オブジェクトを見切れていないので例外があるかもしれないですが、キューが使えるオブジェクトは「参照関係(ユーザー,グループ)」、キューが使えないオブジェクトは「参照関係(ユーザー)」です
(キューについては商談オブジェクトにキューを使わせたい など下記ideaがあるように、今後対象オブジェクトが変わるかもしれません。)
https://ideas.salesforce.com/s/idea/a0B8W00000GdY7WUAV/opportunity-queues
なお、この所有者のデータ型は変更することはできないです。
ダッシュボードの検索条件で検索条件設定後「同等の項目を設定」で絞り込みする項目を設定をすることもできる
こちらについて実際に見ていきましょう
例として商談レポートタイプのレポートを使いダッシュボードで設定後、検索条件で「商談所有者」(データ型:参照関係(ユーザー))を選択するとこのような表示になります
このような表示が出る項目の場合、項目の各ウィジェットで検索条件を元にどの項目を絞り込むのか設定することができます
下記画像のようにデータ型:参照関係(ユーザー)を絞り込み、検索条件でどの項目の値として絞り込むか設定可能です
ちなみに商談項目で作成したユーザーとの参照関係項目もデータ型:参照関係(ユーザー)なので選択対象になります
余談ですが、同じダッシュボードコンポーネントでも項目の各ウィジェットの検索条件項目を変更すれば
さて、以上の前提条件
・所有者項目のデータ型は2種類ある
・ダッシュボードの検索条件で検索条件設定後「同等の項目を設定」で絞り込みする項目を設定をすることもできる
を踏まえ解説を行います
結論
結論をいうと
・ダッシュボードコンポーネント内のオブジェクトがすべて同じ所有者データ型の場合、ダッシュボードの検索条件で所有者の絞り込み設定は可能
・ダッシュボードコンポーネント内のオブジェクトがすべて同じ所有者データ型ではない場合、ダッシュボードの検索条件で所有者の絞り込み設定は可能
です
では、画像も交え解説を行います
まずは
・ダッシュボードコンポーネント内のオブジェクトがすべて同じ所有者データ型の場合、ダッシュボードの検索条件で所有者の絞り込み設定は可能
として
・パターン1 所有者データ型が参照関係(ユーザー)のみのダッシュボード
を確認します
パターン1 所有者データ型が参照関係(ユーザー)のみのダッシュボード
今回は例として参照関係(ユーザー)のオブジェクトである商談オブジェクトのレポートタイプとキャンペーンオブジェクトのレポートタイプのダッシュボードで検索条件を設定します
まずは検索条件で「キャンペーンオブジェクトの所有者」または「商談の所有者」を選択します
(こちらはどちらを選択してもいいです)
次に商談レポートタイプのコンポーネントには「同等の項目の編集」から「商談所有者」になっていることを確認
次にキャンペーンレポートタイプのコンポーネントには「同等の項目の編集」から「キャンペーン所有者」になっていることを確認
「同等の項目の編集」が完了すれば、検索条件で「所有者」と絞り込みをすれば
・商談コンポーネントは商談の所有者の絞り込み
・キャンペーンコンポーネントはキャンペーンの所有者の絞り込み
次に
・パターン2 所有者データ型が参照関係(ユーザー,グループ)のみのダッシュボード
を確認します
パターン2 所有者データ型が参照関係(ユーザー,グループ)のみのダッシュボード
今回は例として参照関係(ユーザー,グループ)のオブジェクトであるリードオブジェクトのレポートタイプとカスタムオブジェクト(testobject)のレポートタイプのダッシュボードで検索条件を設定します
まずは検索条件で「カスタムオブジェクトtestobjectの所有者」または「リードの所有者」を選択します
(こちらはどちらを選択してもいいです)
なお所有者選択後このようなメッセージきがあります
なお、
今回のようにデータ型が参照関係(ユーザー,グループ)項目は特殊な項目なので他の項目がないため自動的に「同等の項目の編集」はそれぞれの所有者項目となっています
こちらで設定は完了です。
所有者データ型が参照関係(ユーザー,グループ)のみのオブジェクトのダッシュボードであれば所有者での絞り込みは可能です
では、最後に残念ながらダッシュボードの検索条件で所有者で絞り込めないパターン
パターン3 所有者データ型が参照関係(ユーザー,グループ)と参照関係(ユーザー)混在のダッシュボード
についてみていきます
パターン3 所有者データ型が参照関係(ユーザー,グループ)と参照関係(ユーザー)混在のダッシュボード
先ほどのパターン2のダッシュボード(つまり所有者データ型が参照関係(ユーザー,グループのみ)に例として商談所有者(つまり所有者データ型が参照関係(ユーザー))のコンポーネントを追加しましょう
この時点で「同等の項目の編集」にはなにやらエラーのようなメッセージがありますね
実際に絞り込みをすると「検索条件に選択した項目を使用できないため、コンポーネントを表示できません。」というエラーメッセージがでて絞り込めないことが分かります。
これは「商談の項目には参照関係(ユーザー,グループ)が1つもないから」です
なお、参照関係(ユーザー)項目はカスタム項目作成(参照関係ユーザー)で新規作成は可能ですが参照関係(ユーザー,グループ)項目は新規で作成することはできません
では逆のパターンはどうでしょう
先ほどのパターン1のダッシュボード(つまり所有者データ型が参照関係(ユーザー)に例としてリード所有者(つまり所有者データ型が参照関係(ユーザー,グループのみ))のコンポーネントを追加しましょう
今回の場合、リードオブジェクトのレポートタイプの「同等の項目の編集」を確認するとエラーは出ないですが「作成者」と「所有者」しか選択できず「所有者」は選択できないことが分かります
つまり
・リードオブジェクトのコンポーネントは所有者で絞り込みができない(※作成者や最終更新者での絞り込みは可能)となります
これはリードオブジェクトの所有者項目は「参照関係(ユーザー,グループ)」であり商談、キャンペーンの所有者項目「参照関係(ユーザー)」とデータ型が異なるからです。