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AWS認定 ソリューションアーキテクト プロフェッショナル(SAP) 合格記

Last updated at Posted at 2022-04-30

2022年4月9日にAWS認定ソリューションアーキテクト プロフェッショナル(SAP)を受験し無事合格することができました。


スクリーンショット 2022-04-29 7.47.47.png

近年、AWS認定試験を受験する人が増えています。
その中でも、SAAの次に目指す認定資格としてSAPを目指されている人は多いかと思います。

なので今回は、私が実際にSAP試験に合格するまでの勉強時間や具体的な方法を記事にしました。

この記事が少しでも、これから合格を目指す方のお役に立てたら嬉しいです。

AWS認定 ソリューションアーキテクト プロフェッショナル試験の概要


試験概要

出題数:75問
試験時間:180分
合格ライン:750点(1000点満点)
受験料:33000円(税込)

試験内容

出題範囲は以下の5つの分野から(試験における比重%)

「組織の複雑さに対応する設計」(12.5%)
「新しいソリューションの設計」(31%)
「移行の計画」(15%)
「コスト管理」(12.5%)
「継続的な改善」(29%)

問題は長文が多く出題されます。問題文のボリュームを自身の感覚で言うと、

プロフェッショナル1問 = アソシエイト2〜3問

長いときは20行以上の問題が出題されました...。

難易度もアソシエイト試験とは比にならないくらい難しかったです。

ですが、全部の問題が長文というわけではなく、ごくたまに5、6行くらいで難易度も低いボーナス問題もありました。

急に簡単な問題が出てくるので、変に勘ぐってしまったりすると思う壺です。素直に解答しましょうw

受験対象者

AWS認定公式サイトによると、

「AWS でのクラウドアーキテクチャの設計とデプロイにおいて 2年以上の実践的な経験を持つ個人を対象とする」

とありますが、実務は未経験でも問題ないです。笑 

実務経験もあると有利なのは間違いないですが、AWS各サービスに関する深い知識顧客の問題を解決する各サービスのベストな組み合わせや使い方の知識が必要になります。

また、長文問題を読んで素早く問題文の意図を汲み取る読解力も必要です。
読解力に関しては、数多くの問題に触れることで徐々に身についてくると思います。

自己紹介とSAP受験前の自分の状況


私の自己紹介も踏まえITの知見がどれくらいの状態で目指したのかをここでは書きたいと思います。

IT業界の経験

まずIT業界の経験ですが、SIer企業で4年ほどサーバー、ネットワーク運用監視オペレーターの仕事をしておりました。
しかしIT知識などほぼ身に付かず、初心者に毛が生えたレベルの知識しかありませんでした。

そして新型コロナウイルスもあって、このままでは将来不安だと思い退職を決意。

退職後は、プログラミングスクールに通いプログラミング言語を学んでアプリの個人開発とポートフォリオを作って就職活動をしました。

就職活動の詳細はここでは省きますが、結果的にインフラ・クラウドエンジニアとして内定をいただき、2022年1月に転職をしました。

現在の就業状況

今年の4月よりAWSの案件に参画したばかりなので実務未経験と言えるでしょう。

スキルセット

バックエンドはRubyとフレームワークにRails、フロントエンドはHTML、CSS、JavaScriptを使ったアプリを個人開発し、インフラをAWSで本番環境にデプロイした経験。
開発ではGithubを使いSQLにも少し知見があるくらいです。

保有資格

以下、SAP受験前に取得した資格です。

・LPIC level1
・AWS ソリューションアーキテクト アソシエイト(SAA)
・AWS SysOpsアドミニストレーター アソシエイト(SOA)
・AWS デベロッパー アソシエイト(DVA)

SAAをお持ちでない人は、SAPを受験する前にまずはSAAを取得することをオススメします。

現在は、いきなりプロフェショナルから受験することができますが、インフラやAWSの実務経験がある人以外は、途中で挫折する率がかなり高いと思うので個人的にオススメしません。笑

SAAにプラスしてSOA、DVAの知識は、あった方が良いが無くても問題ない、程度な位置付けでしょうか。

SAPではなく、DOP(DevOpsエンジニア プロフェッショナル)を目指すのであれば、SAAよりもSOA、DVAを優先的に取得されるのが良いと思います。

SAPを目指す人は、SAA → SAPの順番で問題ありません。

アソシエイト資格3つ より SAA + SAP の方が転職などでの評価が高いというのを聞いたことがあります。

ですがどの資格を目指すかはご自身の現在の状況に応じて決めるのが良いでしょう。

おすすめの学習ツール


AWS WEB問題集で学習しよう(koiwa club) オススメ度:★★★

通称「Koiwa」と呼ばれている、AWS認定資格を専門に扱った問題集です。
個人的に、こちらを1番オススメします。

難易度も本番試験に近く、問題集とほぼ同じような問題が多いときで3割ほど本番試験で出題されます。
実際に私も受験したとき、15問くらい同じ問題を見かけました。

ひとつの#番号ごとに7問構成なので時間がないときでも取り組みやすく、解説もAWS公式ドキュメントを元にしているので、情報が正確です。ドキュメントを読む練習にもなるので良いですね。

私は3つのアソシエイト試験もこのKoiwaの問題集だけで合格できました。

有料会員登録が必要

SAPの問題集を利用するには、有料会員である「プロフェッショナル」のプランに登録する必要があります。

プロフェッショナルプランは、AWS認定試験全11科目の問題を全て利用できます。

登録料金は90日で5480円です。(一括払い)

有効期限が切れた場合、自動的にフリープランになります。
更新が必要な場合は、期限が切れて一度フリープランに戻ってから、再度有料会員登録をする流れになるそうです。

スクリーンショット 2022-05-07 13.03.43.png
※2022年5月7日時点


AWS認定ソリューションアーキテクト-プロフェッショナル ~試験特性から導き出した演習問題と詳細解説 オススメ度:★★★

前述のKoiwaと合わせてこちらの書籍もオススメします。

おすすめポイントは、Koiwaの問題集より解説が丁寧で詳しく、大変わかりやすい点です。

合計70問の練習問題と本番試験と同じ75問の模擬試験があり、koiwaの問題集だけでは物足りないor不安な人、より理解を深めたい人にオススメです。

この模擬試験も、本番試験に近い難易度で解説も一問ずつわかりやすい説明があります。

解説は、
①「問題点、ボトルネックは何か」
②「解決したいこと、要件は何か」
③「AWSベストプラクティスに沿ったものはどれか」
の3つをポイントに説明がされているので、理解するべきところがよくまとめられています。

上記3つのポイントを意識して問題を解くテクニックはとても役に立ちました。

前述のkoiwa問題集と並行して使うと効果がかなり上がると思います。

◆本の構成◆
第1章  AWS認定ソリューションアーキテクト-プロフェッショナル試験の概要と特徴
第2章  各種サービスの概要
第3章  試験で問われるシナリオの特性
第4章 「組織の複雑さに対応する設計」分野におけるケース問題
第5章 「新しいソリューションの設計」分野におけるケース問題
第6章 「移行の計画」分野におけるケース問題
第7章 「コスト管理」分野におけるケース問題
第8章 「既存のソリューションの継続的な改善」分野におけるケース問題
第9章  模擬試験

練習問題は第4章〜8章で、各章ごとにSAP試験で出題される5つのカテゴリー分野に分かれているので学習の整理がしやすく、自分の苦手分野が把握しやすい点が良かったと思います。

問題を数多く解いていく中で、理解を深めていくスタイルの本だと感じました。


AWS認定資格試験テキスト&問題集 AWS認定ソリューションアーキテクト - プロフェッショナル オススメ度:★★


SAPで主に出題されるサービスに関しての特徴やユースケースなどを絵や図で解説してくれている書籍です。

私はこの本を教科書として使用しました。
WEB問題集の解説を見ても理解ができなかったところは、この本で調べるという補助教材的な使い方ですね。

SAPの出題範囲である、「組織の複雑さに対応する設計」、「新しいソリューションの設計」、「移行の計画」、「コスト管理」、「継続的な改善」に沿ったサービスの説明が書かれており、実例と図解付きで解説してくれているのでイメージがしやすく頭に入りやすかったです。

SAPの勉強のスタート時は、出題されるサービス概要を一通り把握するために、一周ざっと読んでから問題集に取り掛かりました。

最後に1回分の模擬試験がついておりますが、見た感じ本番試験より難しく私はこちらの書籍の模擬試験はやりませんでした。


その他で使用した学習ツール


CloudTech

CloudTechは日本最大級のAWSオンラインスクールであり、私はCloudTechの永久会員なのでこちらも活用させていただきました。

学習スタイルは、Udemyのような動画で学習を進めていくスタイルの教材です。

各AWSサービスの絵や構成図を使ったスライドを用いた概要説明があり、実際にデモで構築してみるといった順序で学習することができますので、知識の定着と実践的な学習がしたい方にはオススメです。

私は資格だけでなく、実務で役に立つ力を身に付けたかったので、手を動かして学習できる教材はとてもありがたかったです。

CloudTechで私が特に良いと思っている点は、
①AWSだけでなく、Linuxやネットワークのクラウドを学ぶ上で必要な基礎的な知識も学べる動画があること。
②ECSやコンテナのハンズオン動画が充実していること。
の2つ。

AWSに必要なLinuxやネットワーク知識を学ぶことができる動画があり、充実したコンテナ系のdockerとECSをハンズオンで学ぶことができる教材は他で探してもなかなかないのではと思います。

最近はAWS認定試験全体で、コンテナ(特にECS)の出題が増えているとの情報があったので、docker講座、docker-compose講座、ECS講座を中心にハンズオン学習をしました。


具体的な勉強方法と勉強時間


勉強方法

⑴KoiwaのWEB問題集を解きまくる

Koiwa WEB問題集 #01〜#66(#番号につき7問×66=全462問)を3周解き、7問全問正解できなかった#番号のみ4周行いました。

Excelでスコア管理表を作り、正答率など入力をして管理をしてました。

また、本番と同じ制限時間と問題数で取り組むことができる、認定本試験モードというものがあります。

私は総仕上げとして、試験前日に認定本試験モードを実施しました。

参考までに、周ごとの全体の正答率を載せておきます。

■正答率の推移

1周目 62%
2周目 79%
3周目 96%
認定本試験モード(試験前日実施) 98.67%

⑵書籍の練習問題と模擬試験も解く

「AWS認定ソリューションアーキテクト-プロフェッショナル ~試験特性から導き出した演習問題と詳細解説」の練習問題と模擬試験もかなり活用しました。

①4〜8章まで計70問の練習問題をひと通り解く(1日1章ペース)
②練習問題全体で間違えた問題のみ解く
③模擬試験にチャレンジしてみる

の順序で学習しました。

模擬試験は合計3回やりました。回ごとに日数を少し空けて行いました。

2回目は間違えた問題のみ、3回目は再び全問解く。

模擬試験の正答率は、1回目は68%でしたが、3回目になると仕上げの時期ということもあり、全問正解できるくらいになりました。

⑶合格体験記を読む

勉強方法とは逸れますが、かなり重要なことなので述べさせていただこうかと思います。

WEB問題集(koiwa)には、合格体験記が7〜10日ごとにアップデートされています。

私は新しい合格体験記は必ずチェックしてました。

体験記では合格者が、学習のアドバイスや問題の難易度、出題された問題はどんなものであったかなど、かなり有益な情報を投稿してくれています。

日々このような新しい情報を入手することは、資格試験を合格する戦略を考える上でとても役に立ちます。

AWSは新しいサービスが生まれたり、既存のサービスのルールもアップデートされるスピードが速いです。
もちろんAWS認定試験もそれに合わせて、新しくアップデートされたサービスやルールは試験問題に取り入れてくるでしょう。

本番試験になっても慌てないように、有益な情報をたくさん仕入れることも大変重要なのではないでしょうか。

勉強時間

勉強時間は合計で100時間くらいでした。

土日祝日関係なく、1日3〜4時間ほど勉強してました。

勉強期間は3月から学習スタートしたので、1ヶ月とちょっとです。

ポイント : とにかく数多くの問題を解くことが1番大事


資格試験合格を目指すのであれば、

「どれだけ数多くの問題を解くか」

が合格への1番の近道だと私は思います。

教科書を何周もしてからやっと問題集に取りかかる人もいますが、資格取得の面でいうとそれは非効率です。

暗記はそこそこに概要を理解したらアウトプット(問題を解く)することで知識を定着させるやり方が効率の良い勉強方法だと思います。

問題集に取り組む上で私が実施していたことは、

・正解した間違えた関係なく、全ての問題の解説を読む
・理解できない用語やサービスはググって調べる&書籍を見る
・この選択肢がなぜ正解なのか、なぜ誤りなのか理由を自分で説明できるようにする

何周も問題を解いていると、どうしても正解を覚えてしまいます。
そのときは解答する前に、「なぜこの選択肢が正解なのか」を頭の中で説明をしてから答えるようにしてました。

実際に試験を受けてみての感想


率直に、疲れました。

長文の問題文には慣れていたのですが、本番試験となると普段よりも頭フル回転&集中するので疲労は大きかったです。

難易度ですが、WEB問題集(Koiwa)や書籍で解いた問題よりも少しだけ難易度が高かった印象です。

前述しましたが、Koiwaとほぼ同じ問題が15問ほど出題されてました。

その他、Koiwaや模擬試験で解いた問題の理解ができていれば、解ける問題が多かったように思います。

試験が終わって「合格」の文字が見えたときは、心の中でガッツポーズしました(テストセンターなので...)

試験で意識して取り組んだこと


①1問2分のペースで問題を解かなくてはいけないので、答えに自信がない、わからない問題に関しては深く考えるのをやめて選択肢を選び次に進む

②答えに少しでも迷いがあった問題にはフラグを付け必ずあとで見直しをする

③集中力を持続させるために、25問ずつ解いたら1〜2分、目を瞑って休憩をした

①〜③はどれも合格体験記からのアドバイスを参考にしました。
自分にとって、どれも大変効果があったと思います。

確実に点数を取れる問題に労力をかけることで無駄な集中力を使わずに済みました。

見直しもとても大事です。
75問解き終わった時点で30分くらい時間が余りました。

フラグを付けた問題だけ見直しをし、誤りを見つけて解答を直した問題も数問あったので見直しをして本当に良かったと思ってます。

なるべくテストセンターで受験することをおすすめ


これには私がSAA試験を受けたときのちょっとしたトラブルが原因でした。

私はSAAの受験場所を、テストセンターではなく「自宅」で受験しました。

受験当時は、緊急事態宣言でコロナがまだ騒がれていた時期であったことと、電車を乗るのがあまり好きではないからという理由でした。

そしていざ本番試験中、あと残り10問を残すところで、なぜかPCがシャットダウン。(今でも原因がわからず)

かなり慌てふためきましたが、ピアソンの試験監督の方が電話で迅速に対応してくれ、急いで電源を入れ直したところ
運良く続きから試験を再開することができました。

ツイッターでも、自宅での試験中PCが突然フリーズした、などの投稿をちらほら見かけます。

中には運が悪くPCが復旧せず、後日受験という人もいたとか...。

その出来事があってから、必ずテストセンターで受験するようにしてます。自宅ではもう受験しないかな笑

また、自宅受験は日常の延長な感じであり、テストセンターと比べると集中力がかなり落ちます。

かなり遠く、行くことが困難な場所にしかテストセンターがない場合はやむを得ないですが、
電車などで1時間圏内くらいであれば、交通費と時間、労力を使ってでもテストセンターで受ける価値は十分にあると思います。

これからSAPを目指される方へ


資格はあくまでも手段だと思います。それをどう有効活用するかです。

ソリューションアーキテクト プロフェッショナルの資格は大きな錯覚資産になります。

未経験者やまだ経験の浅い人にとってSAP資格を取得することは、とても有効だと思います。

もちろん実務経験が1番大事なのは揺るがない事実。

ですが、その実務経験を積むことができる機会を手に入れるのに資格を使うことは大変有効ですし、
私もAWSの資格を持っていることで、現在勤めている会社からはかなり優遇されました。

私事ですが、目標だった資格を取ることができたので、今後は現在の実務に集中して頑張ります。

これからSAPを目指される方頑張ってください。

途中心が折れそうになるかもしれませんが、根気強く勉強を続けていれば必ず合格できます。

色々と偉そうな言い方になってしまい申し訳ございません。

応援してます。かなり長くなってしまいましたが、ここまでお読みいただき本当にありがとうございました。

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