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【テスト技法】Nスイッチカバレッジテスト

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はじめに

こんにちは。アメリカで独学でエンジニアを目指している者です。
現在はRailsを勉強しているのですが、並行してソフトウェアテスト技法も学ぶことで、Railsチュートリアルの理解が深まるのではないかと考え、テスト技法の勉強を始めました。
今回学んだNスイッチカバレッジテストについて、記憶が薄れないうちに簡単にまとめておきたいと思います。
なお、実際の計算については行列計算を伴い複雑のため今回は省略いたします。
ちなみに、これらはUdemyで勉強しています。とても分かりやすくNスイッチカバレッジテストの計算方法もそこで扱っているので、ぜひ見てみてください

Nスイッチカバレッジを行う目的

ソフトウェアは、単に単一の入力値や単一の条件分岐を考慮するだけでは不十分なケースが多く、あるイベントが発生した後に続く別のイベントによる影響まで考慮する必要があります。Nスイッチカバレッジは、連続して起こり得るイベントのパターンを一定の深さ(N回の切り替え)まで網羅的にテストすることで、思わぬ組み合わせで発生する不具合を検出しやすくします。

Nスイッチカバレッジの定義

  • 1スイッチカバレッジ (1-Switch Coverage)
    • 2つの連続する状態遷移・条件分岐をすべてテストする。
  • 2スイッチカバレッジ (2-Switch Coverage)
    • 連続する3つの状態遷移・条件分岐の全組み合わせをテストする。
  • Nスイッチカバレッジ (N-Switch Coverage)
    • 連続するN+1個の状態遷移・条件分岐の全組み合わせをテストする。

Nの値を大きくするほどテスト量は増えますが、より厳密なカバレッジが期待できます。

メリットとデメリット

メリット

  • 多様な組み合わせをテスト可能:単一の条件分岐だけでなく、連続する分岐を網羅的に確認できる。
  • 欠陥発見率の向上:システム内部の状態が連続的に変化するシナリオでのバグを発見しやすくなる。
  • リスク低減:特に高信頼性が求められるシステムで、思いがけない連鎖的な不具合のリスクを軽減できる。

デメリット

  • テストケースの増加:Nを大きくするほど組み合わせが指数的に増えるため、工数やコストが大きくなる。
  • テスト設計の複雑化:連続する条件をどのように抽出・管理するかが難しく、テスト設計が複雑になる。

適用分野と注意点

適用分野

  • 状態遷移が多いシステム:例えば、ユーザー認証やワークフローシステムなど、ステップが連続的に変化するシステム。
  • 複数の連続操作が前提となる機能:GUI操作などで、ユーザーが連続して異なる操作を行う可能性がある場合。

導入プロセスの例

  1. 対象モジュールの明確化:連続する状態変化をテストすべきモジュールや機能を特定する。
  2. 状態遷移表または状態図の作成:どのような条件やイベントで状態が変化するのか、可視化する。
  3. N値の決定:どの程度の深さまで網羅すべきか(1スイッチ、2スイッチ、など)を決める。
  4. テストケース生成:状態遷移表に基づいて、全ての連続したN回分岐を含むパスを導出する。
  5. テスト実行と結果分析:導出されたテストケースを実行し、問題がないかを検証する。

まとめ

Nスイッチカバレッジテストは、連続的な状態変化や条件分岐の影響を漏れなくテストするための有効な技法です。とはいえ、テスト範囲が広がる分、テストケースは膨大になりがちです。そのため、開発中のソフトウェアに適したN値を採用することをおすすめします。

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