はじめに
こんにちは。アメリカに住みながら、独学でエンジニアを目指しているTairaです。
ネットワークに関して、「NAT」や「NAPT」という技術を聞いたことがあるでしょうか?
実はこれらは、私たちが日常的に使用しているWi-Fiにも活用されている技術です。
今回は、これらの技術について、私のような初心者にも分かりやすいように記事を書いていきたいと思います。
NAT
NAT(Network Address Translation)は、内部ネットワークのプライベートIPアドレスを、外部のグローバルIPアドレスに変換する技術です。
通常、ルーターやゲートウェイなどの機器がこの変換を行い、内部ネットワークと外部ネットワークとの通信を可能にします。
NATの基本的な仕組み
たとえば、あなたの家のPCのIPアドレスが 192.168.1.23
だったとします。
これはプライベートIPアドレスの一例です。ルーターはこの通信を受け取り、それを 203.0.113.43
などのグローバルIPアドレスに変換して外部へ送信します。
インターネット ルーター LAN
203.0.113.43 ←→ NAT変換 ←→ 192.168.1.23(1台)
NAPTとは?
NATにはいくつか種類がありますが、その中で最も一般的に利用されているのが NAPT(Network Address and Port Translation) です。
私たちが日常生活でWi-Fiを使うとき、このNAPTが働いています。
LAN ルーター変換 宛先(Webサーバー)
Aさん:192.168.1.10:5000 → 203.0.113.43:30000 → 203.0.113.100:80
Bさん:192.168.1.11:5000 → 203.0.113.43:30001 → 203.0.113.100:80
このように、IPアドレスに加えてポート番号も一緒に変換することで、1つのグローバルIPアドレスを複数の端末で共有することができます。
NAT と NAPT の違い
項目 | NAT | NAPT |
---|---|---|
変換内容 | IPアドレスのみ | IPアドレス + ポート番号 |
接続可能数 | 1定1 | 1定多 |
使用場面 | サーバー公開など | Wi-Fi, 家庭, オフィス |
利点 | 固定IPの連携に適する | 多数端末の同時接続、セキュリティ性 |
まとめ
私たちが普段使っているインターネット環境では、主にNAPTが使われています。
そのため、「NAT」と呼ばれていても、実際にはNAPTを指していることも多いようです。
NAPTの主な特徴をまとめると以下の通りです。
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限られたグローバルIPアドレスを効率的に利用できる
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ルーターが内部ネットワークと外部を切り分けているため、外部から直接アクセスされにくく、セキュリティ性が高い
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家庭やオフィスなど、複数端末がある環境に適している