はじめに
こんにちは。アメリカ在住で独学エンジニアを目指している Taira です。
今回は、AWSでよく登場する Route 53(ルート53) について、まったく知らない方向けにわかりやすく解説します。
Route53はAWS のDNSなので、DNSについて知っていれば理解するのはそこまで難しくないと思います
もし、DNS の理解度が微妙な方は以下にDNSについて記事を書いているのでそれを見てから進めるといいかもしれません。
1. Route 53(ルート53)ってなに?
Route 53は、AWSが提供する「DNSサービス」です。
DNS(ディー・エヌ・エス)とは、「名前解決(ネームリゾルバ)」の仕組みです。
例えば…
- Webサイトにアクセスする時、私たちは「https://example.com」のような文字列のURLを使います。
- でもインターネットの世界では、本当は「123.45.67.89」などのIPアドレスが使われて通信されています。
この「URL(ドメイン名)」と「IPアドレス」を変換してくれる仕組みがDNSです。
そして、そのDNSの設定や管理を行えるサービスが Route 53 です。
2. どんなときに使うの?
たとえば、以下のような場合です。
「自分で作ったWebアプリを、
example.com
というURLで世界に公開したい!」
そんなとき、Route 53を使って、
-
example.com
にアクセスされたら、 - AWSで作ったEC2インスタンス(Webサーバ)などの IPアドレスに転送
という設定を行うことができます。
3. Route 53でできること
Route 53では、主に以下の3つのことができます。
機能 | できること |
---|---|
1. ドメイン登録 | 「example.com」などの独自ドメインを購入できる |
2. DNS設定 | ドメインとIPアドレスを結びつける(名前解決) |
3. ヘルスチェック | サーバが動いているか定期的に確認し、死んでたら別のサーバに切り替える(高可用性の実現) |
この記事では、2の「DNS設定」を中心に見ていきます。
4. Route 53の登場人物
設定を行うときに出てくる用語をかんたんに整理しておきましょう。
用語 | 意味 |
---|---|
ドメイン名 |
example.com などのURLになる名前 |
ホストゾーン | そのドメインに対するDNSの設定エリア |
レコード(Aレコードなど) |
example.com ⇒ IPアドレス などの変換ルール |
Aレコード | ドメイン名をIPv4アドレスに変換するレコード |
NSレコード | DNSサーバの住所みたいなもの。お名前.comなどに登録する時に使う |
5. Route 53の使い方(ざっくり流れ)
例えば「example.com というドメインを使って自分のWebアプリを公開したい」場合の流れはこうです:
ステップ1:ドメインを取得する
- Route 53 またはお名前.comなどで独自ドメインを購入します。
ステップ2:ホストゾーンを作成する
- Route 53で「example.com」用のホストゾーンを作成します。
ステップ3:レコードを設定する
-
たとえば、Aレコードを追加して
-
example.com
⇒13.115.55.1
(EC2のIPアドレス)
と紐づけます。
-
ステップ4:ドメインのNSレコードをお名前.com側に登録
- ドメインをお名前.comなどで取得した場合は、
- NSレコード(ネームサーバ)をRoute 53で指定されたものに書き換える必要があります。
6. Route 53 という名前の由来
「なんで Route 53 っていうの?」
これは、DNSでは「53番ポート(UDP/TCP)」が使われていることに由来します。
インターネット上のルーティング(Route) + ポート番号53 ⇒ Route 53 というわけです。
まとめ
ポイント | 内容 |
---|---|
Route 53とは | AWSのDNS(名前解決)サービス |
主な用途 | ドメイン名とWebサーバのIPアドレスを結びつける |
できること | ドメイン取得、DNS設定、ヘルスチェック |
初心者が使うとき | 独自ドメインを取得し、Webアプリを公開したい時に使う |
おわりに
Route 53は「ドメインとサーバをつなぐ住所録」のようなもの。
少し難しく感じるかもしれませんが、自分のアプリを世界中に届けたいなら避けては通れない大事なサービスです。