はじめに
こんにちは。アメリカに住みながら、独学でエンジニアを目指しているTairaです。
今回は、ネットワークの基本用語であるDHCPについてNAPTとの違いに触れながら記事を書いていきたいと思います
DHCPとは?
DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)は、IPアドレスやネットワーク設定を自動的に割り当てる仕組みです。
ネットワークに新しく端末(PC、スマホ、プリンタなど)が接続されたときに、DHCPサーバーが以下のような情報を自動で配ってくれます:
- IPアドレス(例:192.168.1.20)
- サブネットマスク(例:255.255.255.0)
- デフォルトゲートウェイ(例:192.168.1.1)
- DNSサーバー(例:8.8.8.8)
これにより、ユーザーが設定を手動で行う必要がなくなります。
DHCPの通信の流れ(4ステップ)
- Discover:端末が「IPアドレスくれませんか?」とネットワーク全体にブロードキャスト
- Offer:DHCPサーバーが「このIPアドレスどうですか?」と提案
- Request:「そのIPアドレスもらいます」と応答
- ACK:DHCPサーバーが「どうぞ」と割り当てを承認
NAPTとは?
一方、NAPT(Network Address and Port Translation)は、複数の端末が1つのグローバルIPアドレスを共有してインターネットにアクセスする技術です。
別名「IPマスカレード」とも呼ばれます。
たとえば、家庭内にあるPCやスマホはそれぞれDHCPでプライベートIPアドレスを割り当てられていますが、インターネットとやりとりする際には、ルーターのグローバルIPアドレスで通信します。
このときNAPTは、IPアドレスとポート番号の組み合わせで通信元を識別し、それぞれの端末に戻るように情報を変換しています。
DHCPとNAPTの違い
項目 | DHCP | NAPT |
---|---|---|
役割 | IPアドレスなどの割り当て | グローバルIPを複数端末で共有する変換技術 |
主な対象 | プライベートネットワーク内の端末 | インターネットとの境界(ルーター) |
使用タイミング | 端末がネットワークに接続したとき | 端末がインターネット通信をするとき |
扱うIP | プライベートIPアドレス | グローバルIPアドレスとの変換 |
まとめ
- DHCP:ネットワーク内の端末に、IPアドレスなどの設定を自動配布する仕組み。
- NAPT:複数の端末が1つのグローバルIPアドレスを共有できるように変換する仕組み。
- 違い:DHCPは“割り当て”、NAPTは“変換”が役割。