Exchangeのメッセージ追跡機能とは
Exchange管理センター上に”メッセージ追跡”という項目があります。
メッセージ追跡
[Exchange管理センター]-[メールフロー]-[メッセージ追跡]
こちらの機能は、メールの送受信が行われた際の”送信者/受信者”,”成功/失敗”などのメッセージの追跡ログを確認できます。
ここでは詳細については割愛させて頂きますが、メッセージ追跡機能を利用する流れは概ね以下の通りです。
1.メッセージ追跡を行う範囲(日時,送信者,受信者など)の指定を行う
2.ログの確認に必要なレポートを出力する
(要約レポート、増補要約レポート、包括的レポートの3種から選択)
3.増補要約レポート、包括的レポートを選んだ場合、対象のレポートをダウンロードする
4.レポートの内容を確認する
上記の流れの通り”要約レポート”に関しては出力したものをすぐに管理センター上で確認することが出来ますが、”増補要約レポート”及び”包括的レポート”は一度ダウンロードしないと内容を確認できません。
(コネクタを利用しているケースなど、メッセージイベントの詳細を確認したい場合には包括的レポートの利用が必要となります)
ただし、意外な原因により「必要な手順を実施しているのに何故かダウンロード時にエラーが出てしまう…」という事象が発生することもあります。
当記事ではレポートのダウンロード方法及び注意点について確認していきます。
レポートのダウンロード方法
事前準備
操作を実行するユーザーには以下の割り当てが必要です。
・グローバル管理者ロール
(実際に利用する権限はExchange Onlineアクセス許可: Organization Management)
管理者権限を個別に付与されたユーザーを準備してください。
実行手順
ここでは包括的レポートを出力する場合の流れを記載します。
☆手順の詳細を確認したい場合はこちらを参考にしてください
1.Exchange管理センターへ管理者ユーザーでアクセスし、[Exchange管理センター]-[メールフロー]-[メッセージ追跡]と画面遷移します
2.メッセージ追跡を行う範囲(日時,送信者,受信者など)の指定を行い、"包括的レポート”にチェックを入れます
4.レポートの出力が開始され、出力が完了すると”ダウンロード可能なレポート”にレポートが表示されます
5.対象レポートをクリックして開き、”レポートのダウンロード”をクリックすることでダウンロードが開始されます
注意点
実行手順の5.を実行した際に以下のような画面が表示され、ダウンロードが出来ないケースがあります。
こちらの事象が発生する原因は管理者権限が個別に付与されていないということです。
例えば以下のようなケースです。
上記のケースのような、グループによって管理者権限が付与されたユーザーでレポート発行を実施するとエラーが発生してしまいます(掲載時時点)
こちらの回避方法として確認出来ているのは
・管理者グループから対象ユーザーを外し、管理者権限を個別に付与する
・レポートダウンロードを実施する管理者ユーザーをOrganization ManagementにByNameで追加する
の2点です。
後者の手順を簡潔に記載します。
1.Microsoft Defenderへ管理者ユーザーでアクセスし、[Microsoft Defender]-[アクセス許可]と画面遷移します
2.Organization Managementをクリックし、"編集"をクリックします
3.役割グループのメンバー編集画面で、"ユーザーの選択”をクリックし、レポートダウンロードを実施する管理者ユーザーをメンバーに追加します
以上の手順を実施することでレポートのダウンロードに必要なOrganization Management権限を個別で付与されたこととなり、レポートのダウンロードが実施可能となります。
まとめ
Exchangeを利用する上でメッセージ追跡機能の利用は欠かせないかと思います。
ただ、個人的には包括的レポートのダウンロードを利用する頻度はそこまで高くないと感じており、ふとした時のダウンロードが失敗すると非常に困るなー…と思いこちらの記事に備忘を兼ねて記載しました。
Exchangeのアクセス許可関連はどうにも複雑ですが、上手に活用していきましょう。