ソリューションを用意してアプリやフローを作成していると、「接続参照」というものが作成されるかと思いますが、こいつの役割をご存じでしょうか?
「接続参照」とは、一言で 「コネクタ」と「接続」の2つ要素が入ったメタデータ を意味しております。
似たような言葉としてある「接続」は、コネクタに対するユーザーの資格情報のことで、「接続参照」に資格情報は含まれません。
イメージにするとこんな感じでしょうか。
では、「接続参照」を利用すると何が嬉しいのか、シンプルにまとめました。
①フロー内の各アクションにおける接続の再利用
フローを作成する際に、トリガー → アクション① → アクション② → ...と、アクションを並べていくわけですが、アクションによっては外部のデータとやり取りするためにコネクタを利用しなくてはなりません。その際にアクションごとに接続を作成・指定するのはめんどくさいですし、たくさん接続ができてしまって後々整理するのが大変になってしまいます。
そこで、コネクタ毎に「接続参照」を一つ作っておけば、各アクションで再利用できます。アクションが追加されると、新しい「接続参照」を作成する前に、既存に再利用できるものがあればシステムが自動でそれを利用するように設定してくれます。
②ソリューションの自動デプロイ(自動インポート)を保証
最近 Power Platform パイプライン というALMツールも出てきていますが、ある環境から別の環境へソリューションをデプロイするときに、事前に接続参照をデプロイファイルに設定することで、インポート後に後処理的に接続参照を設定することがなくて済みます。
「設定の手間ぐらいなら我慢するよ」と思うかもしれませんが、デプロイ先の環境で接続参照が正しく機能しないと、接続参照を使用するフローがオフになってしまいますのでぜひALMツールを使って自動デプロイをする際には事前設定を行うようにしましょう。
逆に言えば事前設定をした上で自動デプロイを実現できれば、作業者はPower Appsの画面からデプロイ処理をひたすら眺めて待つこともなく、後処理作業もなくなるので、非常に仕事の効率が上がるはずです。
Power Platform で利用できる ALM ツールに関してはまた次回。
※なお「接続」はソリューションに含めることはできないので、事前に各環境に手動で作成いただく必要があります。