Power Platform において、アプリの実行・状態に関して監視が必要とされるようなニーズがあるかと思います。
Power Automate に関しては、元々 Power Platform 管理センターの "分析" メニューから、過去7・14・28日分の
・環境内のフローに関する実行状況(成功・失敗・キャンセル・実行中)
・よく使用されるフローの特定
・フロー毎のエラーの内容
・フロー毎の共有数
・フロー毎の使用されているコネクタ
は確認できるので、定期的あるいはユーザーからの依頼を元に、ダッシュボードを見て簡単に調査・棚卸することはできます。
一方で、
・フローの中のどのトリガーあるいはアクションで失敗したのか調査したい、
・どのアクションで実行時間が多くかかっているのか調査したい、
・カスタムでアラート作りたい、
といったことをしたい場合は、Azure Application Insights との統合機能を利用すると良いでしょう。
マネージド環境 を有効化することで、環境内の Power Automate のテレメトリーデータを自動的に Azure Application Insights に送信し続けることができます。
Power Automate から出力される具体的なテレメトリーデータは以下の通りです。
・クラウドフロー自体の実行に関するデータ
・クラウドフローのトリガーの実行に関するデータ
・クラウドフローのアクションの実行に関するデータ
Power Automate から Application Insights へ出力するための準備
① Azure側: Log Analytics ワークスペースと App Insights をデプロイ
② Power Platform側: マネージド環境 を有効化
③ Power Platform側: データエクスポート の設定
テナント管理者でログインして作業する必要があります
Application Insights を使って確認・分析・アラートなどを設定してみよう
① "メトリック" メニューから、フローの実行数を時系列に確認することができます。
スコープ: メトリック名前空間 = ログベースのメトリック > Server requests
フィルタ例: Power Platform 環境 (environmentid)、フロー (Operation name)、テレメトリー種類 (signalCategory)、エラーあり (error)
② "ログ" メニューから、テレメトリーデータの詳細を分析 (Kustoクエリで加工)
requests
| where success == false
requests
| where success == false
| join kind=inner (
dependencies
| where success == false
)
on operation_ParentId
③ ②で分析した結果をアラートルールにして、アラートを作成(カスタムアラート)
ご参考になれば幸いです。