サーバーを利用する必要があれば自社の建物の中などに
サーバー機器を設置して利用するのが一般的でした
この運用形態のことを「オンプレミス」といいます
病院などでは「オンプレミス」によって
各病院でデータ管理するのが通常でした
病院の中のみで使用できる
物理サーバーを自社内などに設置して利用するオンプレミス型と違い
仮想環境でサーバーを構築して利用するVPSやクラウドサービスは
導入コストの安さ、手軽さなどから導入が拡大しています
今後は電子カルテなどのデータの利活用が促進されることを考えると
病院間を超えて 良質な医療のため
クラウドコンピューティングの普及がおこることが想定されます
VPSやクラウドサービスとはどのような機能でしょうか?
VPS(Virtual Private Server)
VPS:自由度は低いが安価
ホスティング業者によって提供されるサービスであることが多く
一台の物理サーバー上に仮想的に複数のサーバーを構築して利用できるようにしたものです
固定リソースの仮想サーバーを1台契約し、契約後にサーバーに対してリソース拡張・縮小することはできません
リソース拡張・縮小したい場合は、一旦、契約を解除してから再契約を行い、データ移行を行う必要があります
クラウドサービス クラウドコンピューティング
クラウドサービス:VPSに比べると高価だが自由度が高い
Webやデータベースなどのサービスを、インターネットを経由して利用できるサービスがクラウドです
自由なリソースの仮想サーバーを1契約で複数台契約することができ、
契約後も契約を解除することなく、必要なリソースに変更することができます
クラウドならではの標準機能(ロードバランサーやスナップショット機能等)や
高機能(専用セグメントやVPN機能等)が利用できるため
拡張性や柔軟性を求める方にはおすすめです
クラウドコンピューティングとは
インターネットを介してサーバー・ストレージ・データベース・ソフトウェアといった
コンピューターを使った様々なサービスを利用することを指します
クラウドコンピューティングでは、手元に1台のPCとインターネットに接続できる環境さえあれば、
サーバーや大容量のストレージ、高速なデータベースなどを必要な分だけ利用できます
クラウドコンピューティングサービスが登場する前まで、オンプレが主流でしたが
クラウドサービスは、従来からのサービスと違いブラウザだけで利用できることが多く、
利用者にとって初期費用が非常に安価で運用に手間がかからないというメリットがあります
クラウド事業者
現在、さまざまなベンダーからクラウドサービスが提供されています
その中で、幅広く利用されているのが以下の4つです
Amazon Web Services(AWS)
Microsoft Azure
Google Cloud Platform(GCP)
Alibaba Cloud
この中で、もっとも歴史が古く、シェアを確保しているのがAWSです
AWSは、インターネットショッピング大手のAmazonが提供するクラウドサービスで、2006年7月からサービス開始されています
なお、2位はMicrosoft Azureで19%、3位はGoogle Cloudで7%でした
以下では AWS と Microsoft Azure と Google Cloud
Amazon Web Services(AWS)
AWSとは、クラウドコンピューティングを使ったサービスです。
AWSとはAmazon Web Servicesの略で
Amazonが提供している100以上のクラウドコンピューティングサービスの総称です
AWS の特徴は豊富なサービスです
世界最上級の運用専門知識
最もセキュアなセキュリティ基準
安心できる情報網(コミュニティやパートナーの存在)
まったく新しいテクノロジーを最速で提供し続けるサービスコンセプト
コスト削減や俊敏性を高めビジネスの効率化、ビジネススピードの加速化しイノベーションの加速を実現
AWSサービス 一例
Amazon EC2
必要に応じてスペックを変更できる仮想サーバーを作成・利用できるサービスです
仮想サーバーの作成には数分しかかかりません
また仮想サーバーを複数作成しての冗長化やハードディスク・メモリといったスペックの変更についても
画面上の簡単な操作だけで柔軟に実行することができます
仮想ネットワークの環境も用意されているため、冗長化に際してネットワークを意識する必要もありません
インスタンスと呼ばれる仮想コンピューティング環境
サーバーに必要なビットをパッケージ化した
(オペレーティングシステムおよび追加のソフトウェアを含む)
Amazon Machine Image (AMI) と呼ばれる、インスタンス用に事前に設定されたテンプレートもあります
Amazon Linux 2 および Amazon Linux AMI
Amazon Machine Image (AMI) の一例としては
Amazon Linux 2 および Amazon Linux AMI があります、
AWS がサポートおよび保守管理している Linux イメージです
Amazon Linux 2 および Amazon Linux AMI の特徴の一部は以下のようになります
Amazon EC2 で実行されるアプリケーションのため、安定性があり、安全で高性能な実行環境
Amazon EC2 ユーザーには追加料金なしで提供
MySQL、PostgreSQL、Python、Ruby、Tomcat など多くの
一般的なパッケージの複数バージョンへのリポジトリアクセスが可能
定期的な更新で最新のコンポーネントが追加される
更新は、インスタンスを実行するインストールの yum リポジトリでも利用可能
上記のようにpython だけでなくMySQL、PostgreSQL、Ruby など非常に魅力的な内容となっております
Microsoft Azure
Microsoft Azure(アジュール)とは、マイクロソフト社が提供するパブリッククラウドのプラットフォームです
膨大なサーバーが設置された世界55拠点に展開しているデータセンター、強力なWANバックボーンを持っています
この設備をクラウドプラットフォームとしてユーザーにサービス提供しています
日本でも東日本、西日本と2拠点を有し、国内の多くのお客様が利用しています
(クラウドと聞くと実態のないものと想像してしまいますが、
実際にはマイクロソフト社が運用している巨大で堅牢なデータセンターの
一部をサービスとして利用できるイメージです!)
Microsoft Azure(アジュール)が提供するプラットフォームには
「IaaS」と「PaaS」と一般的に呼ばれる2種類があり
この2つはクラウドサービスの提供者(マイクロソフト社)と利用者(お客様)で管理する範囲が異なってきます
IaaSとは?
Infrastructure as a Service の略です
仮想マシンをクラウド上にインターネット経由で作成し利用するサービスです
仮想化レイヤーより下の管理は、クラウドサービスの提供者(マイクロソフト社)が責任をもって実施します
仮想マシンの OS より上の管理は、利用者(お客様)が責任をもって実施します
PaaSとは?
Platform as a Serviceの略です
仮想マシンのOSも、クラウドサービスの提供者(マイクロソフト社)が責任をもって管理します
PaaS で構成できるシステムは、クラウドサービスの提供者が提供するPaaSの機能(種類)次第となります
Microsoft Azureオンプレミス連携でハイブリッドクラウドを実現
Microsoftの考えで特徴的なのは「すべてをクラウドに移行する必要はない」ということです
他社のパブリッククラウドが “フルクラウド”(全てのシステムをクラウドに移行する)の世界を前提としている中で、
Microsoft Azureの場合は “ハイブリッドクラウド”(一部オンプレミス、一部クラウドで連携させながら利用)
を前提としたサービスが充実されています
これは 医療応用の可能性がとても広がると思います
各病院の 個人情報にはならないデータを共同研究で形を整えて保管
オンプレ/クラウドのデータをAzure上に統合
Microsoft のデータ統合ツールAzure DataFactoryを活用し
SaaS/クラウド/オンプレミスに点在しているあらゆるデータをAzure上に統合することが可能
統合したデータはAzureストレージサービス上に保管し、いつでも簡単に取り出せることができるようになります
その先は医療の専門知識を持つ医療従事者の方とエンジニア様の架け橋が必要な領域となります