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RDBMSと何が違う?図解で学ぶグラフDBと“つながり”の価値

Last updated at Posted at 2025-02-23

知識グラフ×LLMで自然言語分析してみたを勉強会で発表してみたところ、参加者の方から『そもそもグラフDBって何がいいの?』とコメントをいただき、改めて整理してみました。
RDBMSしか使ったことない方向けに、グラフDBの基本的な価値や使いどころをまとめています。図解多めで書いたので、ご参考になれば。🙏

はじめに

image.png

「知識グラフ・グラフDB面白いよ!」って言われても、「うん、それで?🤔」ってなりますよね。
私も最初はそうでした。でも使ってみると「あ、これは確かに便利かも」と思える場面に出会えました。

この記事では「グラフDBって実際何に使えるの?」という素朴な疑問に、具体例を交えて答えてみたいと思います。

グラフDBの良いところ

image.png

1. 「つながり」を扱うのが上手

例えば、こんな場面で力を発揮します:

  • 「友達の友達を探したい」(SNSでよくありますよね)
  • 「この商品を買った人は、他に何を買ってる?」(ECサイトでおなじみ)
  • 「上司の上司は誰?」(組織図を扱うとき)

通常のデータベースだと、これらを実現するのに複雑なJOINが必要になります。
でもグラフDBなら、こんな感じでシンプルに書けます:

// 友達の友達を探す
MATCH (me)-[:FRIEND]->(friend)-[:FRIEND]->(friendOfFriend)
RETURN friendOfFriend;

// この商品を買った人が買った他の商品
MATCH (p:Product {id: 'A'})<-[:BOUGHT]-(user)-[:BOUGHT]->(other)
RETURN other;

2. 複雑な関係性を自然に表現できる

例えば、システムの依存関係を考えてみましょう:

「このシステムが止まったら、どのサービスに影響があるんだろう?」
こういう分析が得意です。

3. 新しい関係性を柔軟に追加できる

普通のデータベースだと、新しい関係を追加するのに:

  1. テーブル設計を変更
  2. 外部キーを追加
  3. アプリケーションコードも修正
    ...と大変です。

グラフDBなら:

// 新しい関係性を即座に追加
CREATE (a)-[:NEW_RELATIONSHIP]->(b);

これだけ!

実際のユースケース

image.png

1. 不正検知

例えば、こんなパターンを見つけるのが得意:

User1 --> IP1 --> Transaction1 --> Card1
User2 --> IP1 --> Transaction2 --> Card2

「同じIPアドレスから異なるユーザーが異なるカードで取引...?🤔」
というパターンを簡単に検出できます。

2. レコメンデーション

「おすすめ」機能の裏側でも使われています:

  • 「この映画を見た人は、こんな映画も見ています」
  • 「この商品を買った人は、こんな商品も買っています」

3. ネットワーク分析

例えば:

  • SNSでの影響力のある人を見つける
  • システム障害の影響範囲を調べる
  • 最適な配送ルートを見つける

4. 知識の整理

最近だと:

  • 社内ナレッジの関連性を可視化
  • 文書間のつながりを管理
  • AIの学習データの整理
    にも使われています。

グラフDBが向いているのはこんなとき

image.png

こんな特徴があるデータを扱うときは、グラフDBを検討する価値があります:

  1. 「つながり」が重要

    • 人間関係
    • システムの依存関係
    • 商品の関連性
  2. 複雑な関係を扱う

    • 友達の友達の...
    • システムの影響範囲
    • 商品のレコメンド
  3. 関係性が頻繁に変わる

    • 組織の変更
    • システム構成の更新
    • 新しい関連の発見

所感:RDBMSと比べて

image.png

正直なところ:

  • RDBMSでもできること

    • でも、複雑なJOINが必要
    • パフォーマンスが気になる
    • コードが読みにくくなる
  • グラフDBの方が楽なこと

    • 関係性の表現が自然
    • クエリが書きやすい
    • パフォーマンスが安定

まとめ

image.png

グラフDBは、特に以下のような場合に真価を発揮します:

  1. データ間の「つながり」が重要なとき
  2. その「つながり」が複雑なとき
  3. 「つながり」を分析したいとき

最初は「RDBMSでもできるじゃん」と思うかもしれません。
でも、実際に使ってみると「あ、確かにこっちの方が楽」という場面に出会えるはずです。

興味を持った方は、Neo4jのサイトに無料の学習リソースがあります。クラウド環境でグラフDBを構築して試せるので、実際にグラフ構造をUIで確認しながらクエリを実行してみると、より理解が深まると思います。

参考

マインドマップ

マインドマップ (21).png

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