戦略マップの実践
はじめに
この動画では、戦略マップの基本的な構成と実践方法について学べます。財務、顧客、内部プロセス、学習と成長の4つの視点から企業価値を最大化するための具体的な手法をわかりやすい解説しています。
このような視点が自分には足りなくて、この動画をみました。動画の概要欄に作者さんのまとめている情報があるので、詳細を確認したい場合には、動画とそちらと一緒に確認することをおすすめします。
この記事は、自分の理解の備忘録的なものです。
この記事で参考にしたのは、上記の動画です。しかし、そのまえに戦略マップとは何なのか、これまでの経緯の説明の動画があります。以下の動画を見てから、上記の動画をみる順番のほうがいいかもしれません。
戦略マップの目的
戦略マップは、企業や組織が目標を達成するための具体的な戦略を視覚的に整理し、理解しやすくするためのツールです。これにより、戦略の全体像を把握し、各部門やチームがどのように連携して目標に向かうかを明確にします。戦略マップを使用することで、コミュニケーションが円滑になり、戦略の実行力が向上します。
企業の価値創造のプロセスを記述する。
戦略マップの基本概念と実践方法
戦略マップは、ロバート・キャプランとデビッド・ノートンによって提唱されたもので、企業の価値創造プロセスを以下の4つの視点から可視化します。
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財務の視点
- 生産性の向上
- 企業価値の最大化
- 収益の増大
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顧客の視点
- 顧客価値の提供
- 製品価値の提供
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内部プロセスの視点
- 価値を創る活動(研究開発、製品開発)
- 価値を伝える活動(マーケティング、顧客関係管理)
- 価値を届ける活動(購買、生産、販売)
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学習と成長の視点
- 人的資本(ジョブ)
- 情報資本(APP、データ、IT基盤)
- 組織資本(メンバー・パートナー)
戦略マップは、財務などの4つの視点から目標に対する課題を特定し、それに対するKPI(重要業績評価指標)を設定します。これをバランスト・スコアカード(BSC)にまとめ、それに基づいて具体的なアクション・プランを策定するフレームワークです。
各視点の関係性
学習と成長の視点:人的資本、情報資本、組織資本を活用し、内部プロセスを改善します。
内部プロセスの視点:価値を創る活動(研究開発、製品開発)と、価値を伝える活動(マーケティング、顧客関係管理)、価値を届ける活動(購買、生産、販売)を通じて、顧客価値と製品価値を向上させます。
顧客の視点:内部プロセスの改善により、顧客価値と製品価値が向上します。
財務の視点:生産性の向上と収益の増大により、企業価値を高めます。
視点ごとの詳細な解説
財務の視点
企業価値を最大化するために、生産性の向上や収益の増大を目指します。これにより、長期的な株主価値の向上を図ります。
- 資産効率の向上と営業利益の向上が企業価値の最大化につながります。
- 資本コストの低減と資産効率の向上が企業価値の最大化に貢献します。
- 運転資本回転率の向上と固定資産回転率の向上が資産効率の向上をもたらします。
顧客の視点
顧客価値と製品価値の向上を通じて、営業利益を増やすことを目指します。具体的には、価格、品質、時間、機能性、パートナーシップ、ブランドなどの要素を重視します。
- 顧客価値は「誰に」、製品価値は「何を」提供するかを定義します。
- 既存顧客と新規顧客のLTV(顧客生涯価値)を最大化することが営業利益の向上に寄与します。
内部プロセスの視点
価値を創造、伝達、提供するプロセスを効率化し、財務および顧客の目標を達成することを目指します。これには、研究開発、製品開発、マーケティング、顧客関係管理、購買、生産、販売などが含まれます。
- 価値を伝える活動(Communication):顧客の獲得、顧客の活性化、顧客の維持、顧客の処分。
- 価値を届ける活動(Operation):購買、生産、サービス、販売。
学習と成長の視点
人的資本、情報資本、組織資本を強化し、内部プロセスの目標を支援します。これにより、組織全体の学習と成長を促進します。
フリーキャッシュフロー(FCF)の理解
フリーキャッシュフロー(FCF)は、本来の営業活動から生まれるキャッシュフローを示します。企業が自由に使用できる現金の流れであり、以下の計算式で求められます。
税引後営業利益 + 減価償却費 - 投資 - 運転資本の増加
- 本来の営業活動によって生み出されたキャッシュフローであり、会社が自由に使えるキャッシュフローです。
資本コストの理解
資本コストについても理解が重要です。資本コストは、負債コストと株主資本コストに分かれます。
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負債コスト:
- 借入で資本を調達する場合のコスト。
- 銀行など投資家に支払う利息の割合(利子率)。
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株主資本コスト:
- 株式で資本を調達する場合のコスト。
- 株主が期待するリターンの割合。
LTV(顧客生涯価値)の算定
LTV(Life Time Value:顧客生涯価値):
ある顧客が企業と取引を開始してから終了するまでの期間に、企業がその顧客からどれだけの利益を得ることができるのかを表す指標。
LTVを算定することで、顧客価値を評価し、顧客維持と獲得の戦略を立てることができます。
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製品販売の場合:
- LTV = 平均粗利益 × 購入頻度 × 顧客の平均存続期間 - (顧客獲得コスト + 顧客維持コスト)
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B2Cサブスクリプションサービスの場合:
- LTV = 月額料金 × 相利率 × (1/解約率)
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B2Bサブスクリプションサービスの場合:
- LTV = 平均契約金額 × 相利率 × 契約期間 - (顧客獲得コスト + 顧客維持コスト)
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LTVの算定方法には、製品販売、B2Cサブスクリプションサービス、B2Bサブスクリプションサービスの3つの方法があります。
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LTVを構成する変数として、顧客単価、粗利益、購入頻度、存続期間、顧客維持コストなどがあります。
DX戦略マップ
デジタルトランスフォーメーション(DX)戦略マップは、企業のデジタル化を推進し、競争力を高めるためのフレームワークです。
- ITマネジメント、アプリケーションマネジメント、データマネジメント、ビジネスプロセスマネジメントを基盤とし、企業全体のデジタル戦略を実行します。
戦略サイクルとマネジメントサイクル
戦略マップの実行には、戦略サイクルとマネジメントサイクル(PDCAサイクル)の活用が重要です。
まとめ
この動画を視聴することで、戦略マップの理論と実践を具体的に理解し、実際の業務に活かすことができます。図解や実例を交えて説明されるため、初心者でもわかりやすく学ぶことができる内容です。ぜひご覧ください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。この記事が役に立ったと思われた方は、引用もとの動画や、紹介されている書籍など参照してみてください。勉強になりました、ありがとうございます。
感想
今回の戦略マップの作成を通じて、組織全体の目標と各部門の役割を明確にすることの重要性を再認識しました。具体的な戦略を視覚化することで、方針が分かりやすくなることが分かりました。