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【備忘録】知識グラフ構築の7ステップ

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この記事は個人の学習備忘録として、Neo4jのブログ記事をもとにまとめたものです。知識グラフの基本概念と構築手順を簡潔に理解するための参考になれば幸いです。

はじめに

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従来のリレーショナルデータベースでは「データモデル問題」が発生します。物理モデル(実際のデータの保存方法)と概念モデル(私たちが自然に考える方法)にズレが生じるのです。知識グラフとグラフデータベースは、関係性とビジネスルールを物理モデル自体に明示的に組み込むことで、この問題を解決します。

知識グラフとは?

knowledge-graph-svg.png

知識グラフは、データエンティティとその関係性を整理する設計パターンで、次の3つの主要コンポーネントがあります:

  • ノード(データエンティティ)
  • ノード間の関係性
  • 整理原則(データの概念的な組織化方法)

知識グラフ構築の7ステップ

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1. ユースケースを定義する

知識グラフが解決する問題を明確にします。レコメンデーションエンジン、不正検出、サプライチェーン追跡などが一般的です。最初は焦点を絞ったスタート地点を選びましょう。

2. データベース管理システムを選択する

主に2種類あります:

  • RDFトリプルストア: データをサブジェクト-述語-オブジェクトの三つ組として構造化
  • プロパティグラフデータベース: データをノード、エッジ、プロパティとして表現し、より直感的なモデリングが可能

3. 知識グラフをモデル化する

  • 主要なエンティティ(ノード)とその関係性を特定
  • ノードと関係性にプロパティを追加
  • 製品分類法やオントロジーなどの整理原則を適用

4. データを準備する

  • 関連するデータセットを収集
  • 形式の標準化、重複の削除、欠損値の処理、エラーの修正などでデータをクリーンアップ

5. データを取り込む

  • グラフデータベースインスタンスにデータをインポート
  • データソースの要素をグラフのノード、関係性、プロパティにマッピング
  • 小さなサンプルから始めて検証後に拡張

6. 知識グラフをテストする

  • ビジネス上の質問に答えられるクエリを実行
  • 結果が期待に沿わない場合はモデルを見直し、データの欠落を確認

7. 維持と進化

  • 新しいデータソースの追加
  • ユースケースの拡大
  • モデルの改良
  • 自動更新の仕組み構築

実例

  • NASA: 何十年もの計画データを「Lessons Learned Database」という知識グラフに接続し、火星ミッションで200万ドル以上の節約に貢献
  • Cisco: 2,000万の内部文書を簡単に検索できる知識グラフを作成し、検索時間を半減、年間400万時間の労働時間を節約
  • Novartis: 遺伝子、疾患、化合物の関係を示す生物学的知識グラフを構築し、薬剤開発のタイムラインを加速

まとめ

従来のデータベースは豊かな関係性を硬直した構造に平坦化しますが、知識グラフは自然に考えるのと同じ方法でデータを表現できます。まずは焦点を絞ったユースケースから始め、ニーズとデータセットの変化に合わせて進化させましょう。完璧である必要はありません - 役立つものであればよいのです。

参考資料

  • Neo4j AuraDBで無料のグラフデータベースインスタンスを作成可能
  • 「Graph Data Modeling Fundamentals」という無料の自己ペース学習コースがある

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