【PL入門】損益計算書の読み方を備忘録的にエンジニアでも理解できるようまとめてみました。収益・費用・利益の関係や各利益指標を図解化。自分の復習用だったものですが、プロジェクトのコスト構造や会社の財務状況に興味ある方の参考になれば幸いです。🙏
1. 損益計算書(PL)とは?
- 企業がある一定期間にどのくらいの収益(売上)があり、どれだけの費用(コスト)を使い、その結果どの程度の利益が残ったかを示す財務諸表。
- 会計期間は通常1年単位(例:1月〜12月、4月〜翌3月など)。
- 事業活動の成果を数字で可視化し、売上に対して費用がどのくらいかかっているのか、何が原因で利益が増減しているのかを把握できる。
2. PLの基本構造
PLは大きく「収益」「費用」「利益」に分解され、主な項目は以下の通り:
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売上高(Revenue)
- 主たる事業で得られる収益
- ソフトウェア販売ならライセンス収入、SaaSなら月額利用料など
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売上原価(Cost of Sales)
- 製品やサービスを提供するために直接必要となる費用
- 開発者の人件費、サーバー費用、外注費など
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販売費及び一般管理費(販管費, SG&A)
- 営業活動に関わる費用や会社運営に関わる費用
- エンジニア以外の人件費、オフィス費用、広告費など
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営業外収益・営業外費用(Non-operating Income/Expenses)
- 本業以外で発生する利息、配当、支払利息など
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特別損益(Extraordinary Gains/Losses)
- 災害損失や固定資産売却益など、通常の事業活動とは異なる取引による損益
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法人税等(Income Taxes)
- 法人税や住民税、事業税など
3. 利益の種類と違い
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売上総利益(粗利益, Gross Profit)
- 計算式:売上高 - 売上原価
- モノの売買やサービス提供による直接コストを差し引いた利益
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営業利益(Operating Income)
- 計算式:売上総利益 - 販売費及び一般管理費
- 本業で稼いだ利益(会社の主たる事業活動による利益)
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経常利益(Ordinary Income)
- 計算式:営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用
- 会社全体の平常時の収益力を示す
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当期純利益(Net Income)
- 計算式:経常利益 + 特別損益 - 法人税等
- 最終的に残った利益(企業が最終的にどの程度稼いだか)
4. 減価償却費とその影響
- 減価償却費:固定資産の取得費用を法定耐用年数にわたって分割計上する費用
- キャッシュの支出はすでに終わっていても、PL上は複数年にわたって費用化される。
- 開発費の資産計上によって、見かけの利益が変動する可能性がある。
5. PLから読み取れる組織の収益性指標
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売上高成長率
- 前期比や前年同期比でどれくらい売上が伸びているか
- 新規プロダクトの伸びを測る指標
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売上総利益率(Gross Profit Margin)
- 売上総利益 ÷ 売上高
- 原価やコスト構造が適正かを示す
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営業利益率(Operating Margin)
- 営業利益 ÷ 売上高
- 本業の収益性を測る
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経常利益率(Ordinary Income Margin)
- 経常利益 ÷ 売上高
- 借入金の利息負担など金融活動含めた収益性を示す
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当期純利益率(Net Profit Margin)
- 当期純利益 ÷ 売上高
- 企業が最終的にどの程度稼いだかを示す
6. まとめ
- PLは「収益 - 費用 = 利益」で構造を理解する。
- 【粗利益】→【営業利益】→【経常利益】→【当期純利益】のステップを把握する。
- 減価償却費で見かけの利益が変わるため、キャッシュアウトとのズレに注意。
- PLから売上高成長率や利益率を算出することで、組織や事業の収益性を定量的に把握できる。
エンジニアとして、開発コストやサーバー費用がどの費用に該当するか、どのくらい利益に影響しているかを理解しておくと、より効果的なプロジェクトの見積やコスト管理ができるようになります。