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イベントモニタリングのログデータを出力する

Last updated at Posted at 2020-05-21

イベントモニタリングとは

ユーザアクティビティを追跡するログ機能です。
SalesforceのセキュリティアドオンであるSalesforce Shieldの製品の一つです。
取得できるイベントは「ログイン」「レポートのエクスポート」など49種(v48.0)あります。
取得できるイベントの詳細は公式ドキュメントを参照ください。
ユーザのアクティビティログをSalesforce組織内で30日間1取得・保持します。
期間を超えて保持するためにはログデータの出力が必要です。

EventLogFileオブジェクトについて

イベントモニタリングのログはEventLogFileオブジェクトに格納されます。
イベント種別、対象日ごとに1件のレコードが作成され、ログCSVがBase64に符号化されてLogFile列に格納されています。
ログが1件もないイベント種別ではEventLogFileレコード自体作成されません。
このオブジェクトには下記の項目があります。

項目 説明
EventType API、ログイン、レポート、URI などのイベントタイプ。各自の組織に生成されたファイルを判別するために使用します。
Interval Daily または Hourly。
LogDate ログファイル作成日時。
LogFile ★Logの本体。CSV形式のデータがBase64で符号化された値が格納されています。
LogFileFieldNames LogFileのCSVデータのヘッダー。
LogFileFieldTypes LogFileの各列のデータ型。
LogFileLength LogFileのデータサイズ。
Sequence Hourlyのログファイルのイベントログファイルデータの部分の番号。
CreatedDate EventLogFileレコードの作成時刻

「1 時間ごとのイベントログファイルの場合、(LogDateではなく)CreatedDate を使用して、EventLogFile オブジェクトが作成された日時を照会することをお勧めします。」(SOAP API 開発者ガイド)とのこと。

ログデータのダウンロード

Salesforceには30日間しかログが保持されないので、過去のログを使用するためにはダウンロードして別途保管する必要があります。
ログを保存する方法は、外部システムからREST APIを使用してダウンロードする方法とブラウザからダウンロードする方法があります。

① ブラウザからイベントログをダウンロードする

手順の詳細はこちらを参照。

ELF001.png

  1. シークレットウインドウでSalesforce Event Log File Browserにアクセスする。
  2. [Production Login]をクリックします。
  3. ユーザ名とパスワードを入力してログインします。
  4. 検索する日付範囲を入力します。
  5. 検索するイベントタイプを入力します。
  6. 間隔 (毎日または毎時) を入力します。
  7. [Apply] をクリックします。

留意点

  • ログインの際、「アクセスを許可しますか?」と表示された場合は[許可]をクリックします。
  • IP制限をかけている場合、ログインエラーになることがあります。その場合は下記の手順でIP制限を緩和します。

IP制限をかけているユーザでEvent Log File Browserを使用する

  1. [設定]-[アプリケーション]-[接続アプリケーション]-[接続アプリケーションの OAuth の利用状況]をクリックします。
  2. 接続アプリケーション「elfbrowser」の[インストール]をクリックします。 ELF004.png
  3. 「接続アプリケーションをインストールしますか?」と問われるので、アプリケーション名を確認して[インストール]をクリックします。
  4. 接続アプリケーションの詳細画面が開かれます。 ELF003.png
  5. [ポリシーを編集]をクリックしてIP制限の緩和に「IP制限の緩和」を設定します。
  6. Salesforce Event Log File Browser でログインを試みます。

② データローダを使用してイベントログをダウンロードする

この方法では、ログデータがbase64にエンコードされて出力されるため、そのまま使用することができません。
③のElfPyを使用する方法がおすすめです。

  1. データローダを実行します。
  2. [Export]をクリックします。
  3. Step2で[Show all Salesforce objects]にチェックを入れ、[Event Log File(EventLogFile)]を選択します。 ELF005.png
  4. Step3でクエリを記述して[Finish]をクリックします。ファイルサイズが大きいため、LogDateでフィルターを掛けることをおすすめします。
  5. ログが出力されます。ログは「LogFile」の列にBase64に符号化されています。 ELF006_2.png

③ ElfPyを使用してイベントログをダウンロードする

ElfPyはAdam TormanがGitHubで公開しているEventLogFileのダウンロードするためのPythonでかかれたスクリプトです。
データローダではLogFileはBase64に符号化されてCSVの1つの列に格納されていましたが、ElfPyを使用すると、LogFile自体をCSVで出力することが可能です。
https://github.com/atorman/elfPy

事前準備

  1. Python3.x.xをインストールします。
  2. Salesforce組織で接続アプリケーションを作成し、コンシューマ鍵とコンシューマの秘密を取得します(接続アプリケーションの作成方法はこちらにまとめました)。
  3. ElfPyをダウンロードします。
  4. ダウンロードした elf.py をエディタで開き、FILL_ME_INを書き換えます。CLIENT_IDにはコンシューマ鍵を、CLIENT_SECRETにはコンシューマの秘密を入力します。なお、elf2.pyはPython2.x.x用です。
elf.py
##########################################################################################
# Connected App information: fill it in by creating a connected app
# https://help.salesforce.com/articleView?id=connected_app_create.htm&language=en_US&type=0
CLIENT_ID = 'FILL_ME_IN'
CLIENT_SECRET = 'FILL_ME_IN'
##########################################################################################
  1. sandboxのイベントログを取得したい場合は、ログインURLをhttps://login.salesforce.com/services/oauth2/tokenからhttps://test.salesforce.com/services/oauth2/tokenに書き換える必要があります。
elf.py
    # create a new salesforce REST API OAuth request
    url = 'https://login.salesforce.com/services/oauth2/token'
    data = { 'grant_type': 'password', 'client_id': CLIENT_ID, 'client_secret': CLIENT_SECRET, 'username': username, 'password': password}
    headers = {'X-PrettyPrint' : '1'}

使用方法

コンソールまたはコマンドプロンプトを開き、elf.pyのあるディレクトリに移動します。
こちらからダウンロードできます。
下記コマンドからelf.pyを実行します。

python elf.py
Username:
Password:

Salesforceのユーザ名とパスワードが求められるので入力します。
なお、会社の信頼できる IP 範囲外の IP アドレスから Salesforce にアクセスするときはセキュリティトークンが必要になります。セキュリティトークンについてはこちら。Passwordの入力の際にパスワードとセキュリティトークンを続けて入力して下さい。

Date range (e.g. Last_n_Days:2, Today, Tomorrow):

Date range はイベントログの対象日を指定します。日時形式または日付リテラルで入力し、エンターを押します。
日付を指定する場合はGMTで0時0分を指定します。例:2020-05-19T00:00:00Z
何も入力されない場合はLast_n_Days:2が使用されます。

Output directory:

出力したログファイルを格納するディレクトリを指定します。
何も入力しない場合、elfフォルダが作成されます。

Use compression (y/n)

最後に、レスポンスボディを圧縮するかどうか聞かれます。
通常、yで問題ありません。何も入力しない場合、圧縮が行われます。
詳細は公式ドキュメントを参照してください。

********************************
Downloading: 2020-05-19-Report.csv to C:\Users\username\Desktop\elfPy-master/elf

Total download time: 0.172285 seconds

Using gzip compression

ダウンロードが実行されます。
データローダを使用したときとは異なり、LogFileがCSV形式で直接出力できます。

④ その他

ElfBashを使用してイベントログをダウンロードする

ElfPyと同じ作者がBash Shell Script版を公開しています。
こちらを使用することでもイベントログを出力できます。
https://github.com/atorman/elfBash

任意の言語でダウンロードツールを作成する

SalesforceのREST APIを使用して、ElfPyと同様のものを任意の言語2で作成することが可能です。
EventLogFileの出力には2つのRESTリソースを使用します。
外部システムからSalesforceのREST APIを使用する方法についてはこちらの記事で取り扱いました。参考にしてください。

  1. Query」を使用してEventLogFileレコードを取得する

    • /services/data/{APIversion}/query?q=SELECT+Id,+EventType,+Logdate+FROM+EventLogFile
  2. sObject Blob Retrieve」を使用してblob項目を取得する

    • /services/data/{APIversion}/sobjects/EventLogFile/{eventlogfileのsfid}/LogFile

参照


  1. 1ヶ月ではありません。 

  2. ただし、Apexはヒープサイズの上限が12MB(非同期処理時)のため、現実的ではありません。 

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