はじめに
こんにちは、株式会社TRAILBLAZERのソリューション事業部でPdMを担当している清河です。
プロダクト開発を進める中で、UI改善に対する考え方や実際にチェックすべきポイントについて、具体的な事例を交えながらお話しします。特に今回は、ビジネス部門や事業部門から寄せられる要望への対応に焦点を当てます。
目次
1. よくある要望への対応
新規ページやLP(ランディングページ)を作成したものの露出箇所が限られ、十分なパフォーマンスが得られない。こうした状況において、以下のような要望が、実装後の画面イメージと共に挙がってくることがあります。
"関係者から不満の声が出ているため、××ページの△△部分にバナーを配置してトラフィックを増やしたい。"
表面的な作業は簡単で、要望通りに進めれば満足感を与えることができます。しかし、これは本当にサービス全体の成長や課題解決に繋がるのでしょうか?
2. まず確認すべきポイント
要望が寄せられた際には、次のような基本的な確認事項を明確にする必要があります。
課題の特定
要望の背後にある課題を掘り下げましょう。例えば以下のようなものが考えられます。
- 露出場所が少ないことが原因か?
- CTR(クリック率)が低いことが問題か?
- PV(ページビュー)が足りていないのか?
- LPでの離脱率が高いのか?
- CV(コンバージョン)が少ないのか?
目的の明確化
課題が何であるかに加え、解決することで達成したい目的を明確にします。
- ステークホルダーの不満を解消することが主目的なのか?
- LPへのトラフィックを増やすことが重要なのか?
- CVの増加が最優先なのか?
例として、
課題 :LPへの送客が少なくCVが不足している
目的 :送客とCVを増加させる
と仮定して話を進めます。
3. 効果的な施策を考えるには
期待できる効果
設定した目的をどれだけ達成できるかを評価します。たとえば、送客数を増やすための施策案として以下が考えられます。
- 閲覧数の多いページに露出を増やす
- ファーストビューに露出を出す
- LPの訴求内容とマッチする魅力的なデザインやコピーを用意する
その際、どのページに露出させるか、どの位置に露出させるかを検討するためには以下の情報が必要になります。これらの情報はGA4やヒートマップを用いて確認しましょう。
- ページ全体のPV数やUU数(ユニークユーザー)のデータを確認する
- 配置場所の前後のインプレッション数やCTR
リスクの評価
施策が持つリスクも同時に考慮する必要があります。
既存コンテンツやユーザーへの影響
新しいコンテンツの追加で既存の配置が下がる場合、インプレッション数やクリック数の減少リスクがあります。その影響が大きい場合は、代替案を検討する必要があります。
ユーザー体験の損失
配置するページが施策と無関係な文脈を持つ場合、広告感が強まりユーザーの離反を招く可能性があります。この点も十分考慮が必要です。
4. 意思決定をスムーズにするために
効果とリスクを事前に定量化することで、迅速で合理的な意思決定が可能になります。
評価軸の設定
以下ような基準を用いて施策を評価しましょう。
効果 :1日あたりの送客数やCVの増加見込み
リスク:離脱率や既存クリック率への影響
コスト:実装に必要なリソースや時間
即効性:短期間で成果を出せるか
リスク指標は切り戻しの判断として利用することも可能です。施策実行後、
離脱率が△%を超えたら切り戻す
というルールを設けておくのも良いでしょう。
こうした基準を事前に共有し、関係者の合意を得ることでスムーズに施策を進められます。
5. まとめ
プロダクト開発におけるUI改善や施策の意思決定で重要なのは、
- 課題の特定
- 目的の明確化
- 効果とリスクの評価
- 定量的な根拠に基づく意思決定
これらを押さえた上でサービスを成長させることが理想です。
最後に、私たち株式会社TRAILBLAZERは共に挑戦し、サービスを共創していく仲間を募集しています。詳細はこちらからご覧ください。