はじめに
こんにちは、株式会社TRAILBLAZERのソリューション事業部でPdMを担当している清河です。
Webやアプリのプロダクト開発において「操作性」と「機能性」はしばしばトレードオフの関係にあります。「どちらを優先すべきか?」という問いに明確な答えを出すのは難しいですが、プロダクトマネージャー(PdM)としての視点から、これらの課題にどう向き合うべきかを掘り下げてみたいと思います。
目次
1. 操作性と機能性のそれぞれの定義
まず「操作性」と「機能性」という言葉が示すものを明確にしておきます。これにより、議論の土台をしっかりと整えましょう。
操作性
操作性とは、ユーザが直感的かつスムーズにプロダクトを使える度合いを指します。以下の要素が操作性を構成します。
- 直観性:次に何をすべきかが迷わずに自然に理解できること
- 効率性:必要最小限のステップで目的を達成できること
- 視認性:操作に必要なボタンやナビゲーションが見つけやすいこと
例えば、ECサイトの購入ボタンが目立たない場所にあれば、ユーザは迷い、離脱率が上がるでしょう。一方で、視覚的に直感的なナビゲーションはユーザ体験を劇的に向上させます。
機能性
機能性とは、プロダクトがユーザのニーズを満たし、課題を解決する能力です。具体的には以下のようなものを指します。
- メインの機能:記事投稿、決済、ソーシャルログインなど
- 補助的な機能:検索、フィルタリング、いいね機能など
これらが適切に組み合わされることで、ユーザにとって「このプロダクトが必要不可欠」と感じられるものになります。
2. 優先順位はどう考えるべきか
プロダクトをグロースさせる過程においては操作性と機能性の両方をアップグレードし続ける必要があります。
ただし、機能を搭載させればさせるほど、複雑性を増していきます。
操作性を維持したまま機能性を向上させることがPdMとしての腕の見せ所だと思いますが、両立が困難な局面になった場合、どちらを優先させるべきでしょうか。
私の結論は「操作性」です。
理由はシンプルで、いかに高度な機能を備えていても、ユーザがそれを直感的に使えなければ価値が半減してしまうからです。
「機能が多いからこそ、マニュアルやチュートリアルを充実させれば良い」という意見もあります。確かに、それらは役立つ補助ツールですが、基本的にユーザは手順を学ぶことを面倒だと感じます。
必要な情報が視覚的に直感的であり、説明を読まなくても自然に使い方が理解できるデザインこそが、プロダクトの価値を引き出すと考えます。
3. 成功のカギは本質の理解にある
ただし、操作性と機能性を議論する以前に、もっと重要なポイントがあります。それは、プロダクトが「ユーザの本質的なニーズを捉えているか」ということです。
「本質」を捉えたプロダクトとは
例えば、多少見づらく、使いづらいプロダクトでも、ユーザの根本的なニーズを満たしていれば、ユーザは使い続けます。逆に、どれだけ洗練された操作性や高機能なデザインを備えていても、ユーザが「必要ない」と感じるプロダクトは淘汰されます。
4. まとめ
操作性と機能性のバランスを取ることは、プロダクト開発におけるテーマです。
「操作性」 は、ユーザがプロダクトを使うための入り口を広げ、
「機能性」 は、使い続ける理由を提供します。
最も重要なのは、「ユーザが何を本当に求めているのか」を深く理解することです。その上で、必要な機能を見極め、誰もが直感的に使えるシンプルなデザインを実現することが、成功のカギとなります。