#SoftLayer と グローバル・ネットワークについて
SoftLayerの最大の強みのひとつである高品質・広帯域なグローバル・ネットワーク。インターネットと接続されている Public、とプライベート環境として利用できる Private があります。Privateは特に、データセンターをまたいだサーバー間の通信やデータの同期に活用されています。
ここでは、特に、Private 側についてお話しています。
#転ばぬ先の杖
杖1:通信の「仕方」によっては課金されるものもある
課金されない代表格は、SoftLayer上にあるサーバーAとサーバーBの通信で、かつ、その通信がプライベート・ネットワークを使っている場合、です。
プライベート・ネットワークを使っているが、課金されるものの代表格が、SoftLayer上にある海外のサーバーから直接、自分のPCにデータを転送する場合、です。
杖2:同一VLANでも異なるセグメント間の通信を有効にするにはVLAN SpanningをONにする
プライベート・ネットワークを使って、同一VLANかつ異なるセグメントにあるサーバーの通信を有効にするさいに必要です。VLAN SpanningのON/OFFは、カスタマーポータル、またはTicketにて依頼ができます。費用はかかりません。
杖3:異なるDC間の通信を有効にするにはVLAN SpanningをONにする
内容は「杖2」と同じです。
杖4:データ転送の速度が思ったほど出ない
「SoftLayerのグローバル・ネットワークは10Gbps以上の帯域を持っていて、高速道路のようなものだ」という説明を良く耳にします。確かに。日本DCでは、執筆時点で計90Gbpsの帯域を持っています。ですが、高速道路で高速走行するのにハイスペックな車が必要なように、高速通信(正しくは、広帯域を使った通信)をするには、その帯域に対応したNICを搭載したサーバーが必要です。
SoftLayer では、10GbpsのNICを冗長構成でオーダーすると、Bonding Mode=4 で組みあがってきますので物理的には10Gbpsを二本使って通信することが出来ます。
なお、データ転送そのものの効率化には、AsperaやSkeedなど高速ファイル転送ツールが効果的であることが知られています。データの送受信の拠点が地理的に100km以上離れている場合などには効果が顕著でしょう。
#推奨されていない使い方がある
あまり知られていませんが、Acceptable Use Policyとして、SoftLayer で推奨されていない使い方が定義されています。そのほぼ全ては、法を遵守すること、など当然のことが記載されています。しかし、一点、誤解しがちな記述があります。
SoftLayer’s Direct Link Service may only be used to exchange traffic between Your existing SoftLayer bare metal servers, SoftLayer VSI, or SoftLayer Object Storage.
直訳すると、以下の通りですね。
SoftLayer ダイレクトリンク・サービスは、お客様のSoftLayerサーバー(ベアメタル、仮想サーバー、オブジェクトストレージ)との通信に利用されることとします。
この記述から一転し、例えば以下のような通信は推奨されていません。
- お客様拠点Aとお客様拠点Bの間の通信において、プライベート・ネットワークのみをバイパス経路のように使う通信
- お客様拠点Aとお客様拠点Bの間の通信において、プライベート・ネットワーク上にプロキシサーバーを設置する。AとBは直接通信しない。プロキシサーバーはBのプロキシ環境であるような通信
これらはあくまでもプライベートでの条件となります。インターネットだけを通信経路とするシステムには適用されませんので、ご安心ください。
また、上記の1.に該当しつつも許可されている利用方法は、テレプレゼンスやVMware社のNSXを活用したハイブリッド・クラウドとしての形態です。
最新情報は SoftLayer Legal か、または Ticket で確認する必要がありますので、似たような活用方法を検討されている場合は、念のため Ticket で確認しましょう。
#補足
プライベート・ネットワークのパフォーマンスを把握したいなぁ、と言う場合は、以下のサイトが参考になるでしょう。
developerWorks SoftLayerのプライベートネットワークのパフォーマンス
SoftLayer Looking Glass
SoftLayer スピードテスト