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IBM Cloudの歴史を振り返る

これは、IBM Cloud Advent Calendar 2018 1日目の記事です。


IBM Cloud について

IBMのクラウドは、この10年以上の歴史があります。IBM自身のサービスとして提供される青矢印のものと、吸収合併や買収に伴って、IBMのサービスとなったものの2つの流れがあります。

別に昔の話なんて・・・というご意見もあろうかと思うのですが、まぁ、歴史は知っておいても損はないでしょう、ということで昨年少し触った部分をさらに深く掘り下げて、IBMのサービスとなった時点のサービスをそれぞれ振り返っていきます。

historyofibmcloud.jpg

図 IBM のクラウドサービスの歴史


Smart Cloud Enterprise(2011.4~2014.1)


  • 「クラウド」という名称が初めてIBMのサービス名に付いたサービス。

  • リリース当初の名称は、Smart Business Cloud Enterprise(SBCE)でした。

  • 直後、名称を短くしよう、ということでSmart Cloud Enterprise(SCE)となります。

  • 商標の関係で日本ではSmartがSmarterとなり、Smarter Cloud Enterprise、となります。

  • このころ、Smarter CityなどSmart XXXというのも流行っていたので、その影響もあるでしょう。

  • 最小のモデルが1時間10円未満だったため、10円クラウドとも呼ばれていました。

  • 当時、「クラウドは白いご飯(古すぎてググっても出てこない)」という言葉が流行っていました。この言葉を知っている方は、IBM通ですね。さてはマニアだな。

  • SoftLayerの買収に伴って「SoftLayer」に吸収される側のサービスになります。


SoftLayer(2005.5創業、2013.7 IBMが買収~2016.10 Bluemixへ統合)


  • グローバルネットワークと世界中に広がる拠点、そして物理サーバーが売りのクラウド。

  • 買収当時は13拠点だったデータセンター数も、執筆時点で52拠点超えです。

  • 買収後5年で40拠点増なので、年間8拠点、1.5ヶ月に1拠点増設してきたことになります。

  • SoftLayer社そのものはIBMとは異なる法人として存在しています。もちろんSoftLayer Japanもあります。

  • 仮想サーバーはXenServer、物理サーバーはSupermicro(今はLenovoやDellもある)。

  • IBMのSaaSや、IBMが自社で使うWebサービスや、NotesシステムまでもSoftLayerに移設されています。

  • 今のIBM Cloudの物理骨格を支える強靭なクラウドです。


Bluemix(2014年サービス開始、2016.10 SoftLayerと統合~2017.11 IBM Cloudへ名称変更)


  • 開発者向けのクラウド環境(PaaS)として始まりました。

  • スタート時は「BlueMix」と「M」が大文字でした。

  • DevOpsメインだったスタート当初のラインナップから、IoT、Blockchain、WebSphereやDB2などIBM Softwareが使えるようになります。

  • 2016年のSoftLayerとの統合で、SoftLayerはBluemix Infrastructure、PaaSはBluemix Platformとなります。

  • ダッシュボードは「bluemix.net」です。広告業界でも活躍しているIBMのデザイナーチームが入り、GUIがどんどん改良されています。

  • GUIの判り易さは、数あるクラウドの中でもわかりやすい、と評価されています。


MCCS、SCE+、CMSあらため、CMAS(2009-2014、2014~)


  • 出自は「Shared」のサービス

  • SelfServiceのクラウドではなく、マネージドのクラウドとして2019年に10周年を迎えます。

  • POWER(AIX)が使えるクラウドとしての位置づけが市場からも評価されています。

  • CMSになるころから、Certified SAPやOracleが使えるクラウドとして実績があります。

  • 南アフリカにもデータセンターがあったりと、IBM Cloudがないエリアにも展開していたりして、意外に広いfootprintを持ちます。


Cleversafe(2004創業、2014年IBMが買収、2015年IBM Cloud Object Storageに名称変更)


  • ObjctStorageベンダーとしてTOP PlayerだったCleversafeを2014年にIBMが買収しました。

  • オンプレにも、そしてIBM Cloudでも利用できるサービスとして現在も展開しています。

  • 名称がIBM Cloud Object Storage(ICOS)となり、発音もアイコス・・・なんだか聞き覚えがw

  • SoftLayerにあったSwiftベースのObjectStorageと、AWS S3I API対応のICOSの2種類あります。

  • 今後、Availability Zoneにデフォルトで対応しているICOS中心にIBM Cloudは拡張していきます。


Bluebox(2003創業、2015年IBMが買収、2017年EOM)


  • OpenStackの雄Blueboxは、企業内のクラウド構築のためのフルスタックインフラでした。

  • 2015年IBMが買収した後は、オンプレ版と、SoftLayerデータセンター内で利用できるクラウド版がリリースされることになります。

  • さまざまなバージョンがリリースされるOpenStack環境のManaged Service、ということで評価済みの構成でメンテされ、OpenStack派のユーザーに高く評価されていました。

  • さらに自社環境に設置する必要のないクラウド版は大小さまざまなお客様に使われるのですが・・・

  • 買収から2年後にEOM(新規販売の終了)が宣言されます。

  • 今思えば、なるほどRedhat買収はこのころから本格化してきたのかなぁ、なんていう想像もできますね。


DCCoD, CoD(2004年~)


  • リリース当初はクラウドではなく、「オンデマンド・サービス」や「オフプレミスのリソース」として提供されていました。

  • Deep Computing Capacity on Demand、のちの Computing on Demandという名称で、HPC(High Performance Computing)向けのサービスとして提供されています。

  • 1ヶ月単位で利用できるプリコンフィグタイプのサービスと、1年単位で利用できるフルカスタムオーダー可能なサービスの二本建て

  • Windows HPCや、Redhat HPC Packなどと併せて各種JobSchedulerやSolverが利用できます。

  • HPC向け、ということもありInfinibandがサービスとして利用可能な現役のIBMサービスでもある。


IBM Cloud(2017.11~)


  • あらゆる処理に「AI」が活用されるようになる世界でより便利で使いやすく、より速く処理ができるクラウド、を目指してBluemix名称は、すべてIBM Cloudに、ロゴと共に統一されました。

  • ポータルとしても、ユーザーになるエントリーポイントとしてもIaaSとPaaSの二種類あります。

  • 機能的にすべてIBM Cloud、としてBluemix Platformに順次寄せられています。

  • 2018年には世界6リージョンでAvailability Zoneが展開され、それぞれ物理的なデータセンター3拠点で1つのクラウドサービスとして利用できるようになりました。

  • 間もなく新URLでのダッシュボードもリリース予定です。楽しみですね(執筆時点ベータ公開中)