株式会社テンダでは、ShareGate Migrate(以降、ShareGate)の販売およびデータ移行支援サービスを提供しています。
データ移行を外部の会社に依頼する場合もありますが、自社内で移行を完了させたいと考える方も少なくありません。そこで本記事では、当社が実施するデータ移行案件における事前準備の流れを簡単にご紹介します。
目次
- はじめに
- 移行対象を決める
- データ移行前の準備
- 移行リハーサル
- 移行日を決める
はじめに
本記事では、以下の前提条件に基づいて、データ移行に向けた事前準備の流れをご紹介します。
項目 | 内容 |
---|---|
移行元 | SharePoint Online(クラシックサイト/サイトコレクション/現在運用中) |
移行先 | 移行元と同一テナント内のSharePoint Online(モダンサイト) |
移行ツール | ShareGate(契約済みで、すでにインストールされている。) |
移行方法 | 移行先サイトは事前に作成し、アプリおよび権限を含めて移行を実施。 |
移行対象を決める
データ移行を進めるにあたり、まずは移行する対象を明確にする必要があります。
移行対象を決定することで、移行するデータ量が把握でき、最適な移行方法を検討することができます。
また、移行元のリストやライブラリを確認することで、実際にはほとんど使用されていないコンテンツを見直す機会にもなります。これにより、移行先には本当に必要なデータだけを移行することが可能になります。
データ移行対象を決める際は、サイト内のリストやライブラリ一覧を用意することで、確認漏れを防ぐことができます。
その際、ShareGateのカスタムレポート機能を活用することで、簡単にアプリ一覧を作成できます。
ShareGateを使った、アプリ一覧の作成方法
ShareGateを開き、[All reports] メニューの[Create custom report]を押下します。
レポートの出力内容設定画面に移動するので、各項目を設定します。
設定が完了したら、[Save & Continue]を押下します。
項目 | 概要 | 選択および入力内容 |
---|---|---|
Object type | 出力したいオブジェクトを選択します。 | List |
Filters | 出力内容をフィルターする場合は、条件を設定します。 | 今回は設定不要。 |
Columns | レポートに出力したい列を選択します。デフォルトで以下の列が設定されています。 ・Title ・Site address |
必要に応じて列を追加します。 ※今回は以下の列を追加します。 ・Number of items ・Size ・Is system |
出力するレポートの名前を入力して、[Save]を押下します。
[Select target]画面に移動したら、レポートを出力したいサイトコレクションを選択し、[Next]を押下します。
オプション画面が表示されたら、必要に応じて設定を変更し、[Run now]を押下します。
レポートが出力されます。レポートをローカルに保存する場合は、画面右上の[Export]を押下します。
データ移行前の準備
移行対象が確定したら、データ移行前の準備をします。
サイトコレクションの準備
テスト用と本番用、それぞれの移行先となるサイトコレクションを作成し、「サイトコレクションの機能」や「サイト機能の管理」を設定します。
移行対象にサブサイトのアプリが含まれる場合は、この段階でサブサイトも作成しておきます。
移行アカウントの準備
今回は、1つのサイトコレクション内のアプリを移行するため、移行アカウントに「サイトコレクション管理者」の権限を付与します。
サイトコレクション管理者とは
サイトコレクション管理者は、SharePointで最も高いレベルのアクセス権を持つ管理者です。
この権限を持つことで、サブサイトを含むサイト内のすべてのコンテンツやアイテムにアクセスできます。また、ShareGateを使用する際には、データの移行やレポートの実行などの操作を行うことが可能です。
作業手順書の準備
リハーサルや本番移行時に備えて、作業手順書を作成します。
自社内での移行では不要な場合もありますが、作業項目を洗い出すことで、おおよその作業時間を見積もることが可能です。また、作業手順書を作業チェックシートとしても活用することで、作業漏れを防ぐことができます。
移行リハーサル
作成した作業手順書に従い、テスト用の移行先サイトコレクションを使用して移行リハーサルを実施します。
テスト用サイトコレクションを利用することで、本番用のサイトコレクションに影響を与えずに移行後の動作を確認できます。
さらに、移行レポートでは、以下のポイントも確認することが重要です。
移行時間
移行全体および各アプリの移行にかかった時間を確認します。
移行時間を把握することで、移行日の計画を立てやすくなります。
例)移行時間が短い場合:平日の夜に移行を実施。
移行時間が長い場合:アプリを分けて休日に移行を実施。など
移行時のエラー
移行中に発生した警告(warning)やエラー(error)を確認します。
警告やエラーメッセージには、問題の原因が記載されていることがあり、これを元に対応方法を決定します。
また、一部のエラーには解決に役立つ情報が記載された記事へのリンクが、移行レポートの[Help links]列に表示されます。参照方法については、下記の記事を参照してください。
ShareGateを使っているときに困ったら?最初の一歩 - エラーの記事の参照
最後に、決定した対応方法を忘れずに作業手順書へ反映させます。
移行日を決める
エラー対応方法が確定し、おおよその移行時間が決まったら、移行日を最終的に決定します。ShareGateでは、移行中に移行元で更新が行われるとエラーが発生し、移行ができなくなることがあります。そのため、通常は移行中に移行元の更新を停止する必要があります。
そのため、移行日が確定した後は、利用者に移行スケジュールの周知と更新停止をお願いします。
まとめ
本記事では当社が実施するデータ移行案件における事前準備の流れの一例をご紹介しました。
当社ではShareGate移行の支援やSharePointデータ移行の代行も行っております。
『こんなときはどうすればいいのか?』というご質問でも、ぜひ下記のサイトからお気軽にご相談ください。
SharePointデータ移行(ShareGate) | 株式会社テンダ
さいごに
テンダでは、「こんなプロジェクトに挑戦したい」「こんなチームで働きたい」「理想のチームを創りたい」と願う仲間を求めています。
カジュアル面談も随時受付中です。ぜひ一度お話ししましょう。