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k8sにおけるDNS名の解決フローについて

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k8sにおけるDNS名の解決フローについて

1. はじめに

Kubernetesとは
Kubernetesは、コンテナ化されたアプリケーションを集中的に管理・運用するためのオープンソースのオーケストレーションシステムです。大規模なシステムにおいて、サービスの可用性やスケーラビリティを保つために、内部のサービス間の通信が重要となります。

DNSの基本とその重要性
DNSは、人が理解しやすいドメイン名をコンピュータが理解するIPアドレスに変換する役目を持つシステムです。Kubernetes内でのリソースの動的な生存期間やIPの変動を考慮すると、DNSの動的な解決は非常に重要です。

2. KubernetesのDNS構造

CoreDNSの役割と位置づけ
Kubernetesクラスタ内での名前解決は、CoreDNSという高度にカスタマイズ可能なDNSサーバを使用して行われます。CoreDNSはKubernetesのAPIサーバと通信し、ServiceやPodの情報を取得します。

クラスタ内のネームスペースとサービスの関係
ネームスペースは、Kubernetesリソースを論理的に分割する仕組みです。サービスはこのネームスペース内で動作し、同じネームスペース内のPodにアクセスする際のエントリーポイントとして機能します。

3. DNS名の解決フローのステップ

Podからのリクエスト開始
例えば、Pod内から"my-service.my-namespace.svc.cluster.local"という名前のサービスにアクセスしようとすると、まずそのPodの/etc/resolv.conf内のDNSサーバ(通常はCoreDNSのIP)に問い合わせが行われます。

CoreDNSへの問い合わせ
CoreDNSは、上述のようなリクエストを受け取るとKubernetes APIサーバから情報を取得し、適切なServiceのClusterIPや、ヘッドレスサービスの場合は関連するPodのIPを返します。

Serviceとエンドポイントの関係
Serviceに関連するPodが複数ある場合、リクエストはエンドポイントというリソースを通じて適切なPodにルーティングされます。これにより、Podが追加・削除された際の動的なルーティングが可能になります。

実際のIPへのルーティング
名前解決が完了し、対象のIPが特定されると、そのIP宛にリクエストがルーティングされ、通信が行われます。

4. 実例: ServiceとStatefulSetの利用

コードサンプルとその解説
上記のYAML定義では、nginxのStatefulSetと、それに関連するヘッドレスサービスを定義しています。この構成により、各nginx Podは固有のサブドメインを持ち、他のPodから直接アクセスすることができます。

  • 設定のYAMLの紹介

    kind: Service
    metadata:
      name: my-nginx-svc
      labels:
        app: nginx
    spec:
      type: ClusterIP
      clusterIP: None
      ports:
      - port: 8080
        targetPort: 80
      selector:
        app: nginx
    ---
    apiVersion: apps/v1
    kind: StatefulSet
    metadata:
      name: my-nginx
      labels:
        app: nginx
    spec:
      serviceName: my-nginx-svc
      replicas: 3
      selector:
        matchLabels:
          app: nginx
      template:
        metadata:
          labels:
            app: nginx
        spec:
          containers:
          - name: nginx
            image: nginx:latest
    
  • コマンドを使用しての名前解決の確認

    kubectl exec [POD_NAME] -- nslookup my-nginx-svc.default.svc.cluster.local
    

digコマンドを使った実際の名前解決の検証
実際にdigコマンドを使用し、Kubernetes内での名前解決がどのように行われるのかを確認します。digコマンドは、DNSの問い合わせを行い、その応答を表示するツールです。このコマンドを使用することで、Kubernetes内での名前解決のフローが具体的にどのように動作しているのかを視覚的に理解することができます。

5. まとめと考察

DNS名の解決フローの重要性とその効果
Kubernetesの動的な環境下では、サービスやPodのIPアドレスが頻繁に変動する可能性があります。このような変動に迅速に対応し、確実に名前解決を行う仕組みがあることで、アプリケーション間の通信をスムーズに保つことができます。

従来、手動でのIPやエンドポイントの管理は大変な作業であり、ミスの原因ともなり得ました。しかし、Kubernetesの自動化されたDNS解決の仕組みにより、このような手間やミスのリスクが大幅に削減されました。これは、Kubernetesの強力な機能の一つと言えるでしょう。

Kubernetesのこの機能を深く理解することで、より効率的なアプリケーションの運用やトラブルシューティングが可能になります。本記事を通じて、その仕組みや利点についての理解を深めることができたことを期待しています。

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