EKSにおけるIngressとALBの統合: ステップバイステップガイド
目次
- 1. EKSとALBの基本的な関連性
- 2. サブネットの役割とタグ付け
- 3. Ingressの導入と利点
- 4. ALBの設定とannotations
- 5. Route 53とドメイン解決の役割
- 6. 実践: EKSでのIngress設定
- 7. まとめとベストプラクティス
- 8. Ingressを用いたALBのルーティング設定とトラフィックの流れ
1. EKSとALBの基本的な関連性
EKSとは?
EKS (Amazon Elastic Kubernetes Service) は、AWSが提供するマネージド型のKubernetesサービスです。これにより、ユーザーはKubernetesの運用やマスターノードの管理から解放され、アプリケーションのデプロイやスケーリングに集中できます。
ALBの役割と特性
ALB (Application Load Balancer) は、HTTP/HTTPS トラフィックのロードバランシングのためのAWSのサービスです。コンテンツベースのルーティングを提供しており、特定のURLパスやホストベースのルーティングが可能です。
2. サブネットの役割とタグ付け
サブネットの基本概念
サブネットは、VPC内のIPアドレスの範囲を指定するものです。これを利用して、ネットワークをセグメント化し、リソースの配置やアクセス制御を行います。
タグ付けの重要性: EKSとELBの関連付け
EKSやELBのリソースを効果的に管理するためには、サブネットに適切なタグを付けることが必要です。
Key: kubernetes.io/cluster/<クラスタ名>
Value: owned
Key: kubernetes.io/role/elb
Value: 1
3. Ingressの導入と利点
Ingressとは?
Ingressは、Kubernetes内のサービスへの外部からのアクセスを制御するためのオブジェクトです。HTTP/HTTPSトラフィックのルーティングルールを定義し、ALBやNginxなどのIngressコントローラと連携して動作します。
Kubernetesネイティブの強み
IngressはKubernetesネイティブなリソースであり、Kubernetesの標準的なリソースを使用してトラフィックのルーティングやロードバランシングの設定が可能です。これにより、統一感のある管理が実現されます。
4. ALBの設定とannotations
Annotationsの役割
AnnotationsはKubernetesリソースのメタデータとして利用され、リソース
の振る舞いや設定をカスタマイズする際に使用されます。
ALB設定の例: サンプルコードと解説
annotations:
kubernetes.io/ingress.class: alb
alb.ingress.kubernetes.io/scheme: internet-facing
alb.ingress.kubernetes.io/target-type: instance
これにより、特定のURLパスやホストに基づいてトラフィックをサービスにルーティングする設定を行えます。
5. Route 53とドメイン解決の役割
Route 53の基本的な概念
Route 53は、AWSが提供するスケーラブルなDNSサービスです。ドメインの登録から、ドメインネームのルーティングまでを管理します。
EKSとALBでの使用例
EKSとALBを連携させる際、Route 53はALBのDNS名をカスタムドメインに関連付けるために使用されます。これにより、カスタムドメインでアクセスされたトラフィックをALBにルーティングできます。
6. 実践: EKSでのIngress設定
サブネットのタグ付けからELBの設定まで
前述のサブネットのタグ付け手順を参照し、ELBの配置や関連付けを行います。
kubectlを使用したIngressの編集と適用
kubectl edit ingress eks-ingress -n eks
上記のコマンドを使用して、Ingressの設定を編集・適用することができます。
7. まとめとベストプラクティス
EKSとALBの連携は、高可用性やスケーラビリティを求めるアプリケーションの運用において非常に有効です。このガイドを通じて、その設定や適用のステップを理解し、最適な運用を目指してください。
8. Ingressを用いたALBのルーティング設定とトラフィックの流れ
IngressとALBの連携の概要
KubernetesのIngressリソースを使用すると、入力トラフィックをクラスタ内のサービスにルーティングするためのルールを定義できます。AWS環境では、ALB Ingress Controllerを使用することで、これらのルールをALBに適用することができます。
ルーティングの設定
Ingressリソースのannotations
セクションを使用して、ALBの動作や設定をカスタマイズします。
annotations:
kubernetes.io/ingress.class: alb
alb.ingress.kubernetes.io/scheme: internet-facing
alb.ingress.kubernetes.io/target-type: instance
これにより、特定のURLパスやホストに基づいてトラフィックをサービスにルーティングする設定を行えます。
トラフィックの流れ
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ユーザからのリクエスト: ユーザはブラウザやAPIクライアントを使ってドメイン名(例:
example.com
)にアクセスします。 - DNS解決: Route 53などのDNSサービスが、ドメイン名をALBのIPアドレスに解決します。
- ALBへのトラフィック: リクエストはALBに到達します。
- ALBのルーティング: ALBは、Ingressリソースに基づいてトラフィックを適切
なノードポートにルーティングします。
5. ノードへのトラフィック: トラフィックは、EKSクラスタ内の適切なワーカーノードに到達します。
6. サービスへのルーティング: ワーカーノードは、トラフィックを対象のKubernetesサービスにルーティングします。
7. ポッドへのトラフィック: サービスは、対象のポッドにトラフィックをルーティングします。
8. 応答の送信: ポッドが処理を行い、結果をユーザに応答として返します。この応答は、同じルートを逆方向にたどり、ユーザに到達します。