都内のマンションでStarlinkを試してみましたので共有です。
結論としては我が家の環境では使い物にならなかったので返品しました。
マンションにお住まいの方で、検討中の方の参考になれば幸いです。
*本記事は2025年1月時点の情報です。お住まいの地域や契約のプラン、タイミングによって状況が異なる可能性があります。
前提条件
・設置場所:マンションのベランダ、方角は南、階数は10階建ての6階
・機種:Starlink 標準フラット(第三世代)
・プラン:レジデンシャル
背景
基本、自宅でテレワークをしています。自宅のネットワークはVDSLということもあり、時間帯によっては不安定になることもしばしばありました。また最近の災害リスクの高まりから元々Stalinkには注目していました。
設置場所の状態確認
事前にアプリをスマホにダウンロードし、設置予定場所で障害物有無の確認が行えます。
障害物の有無とその条件下でのネットワークの品質が確認できます。この時点で、私の家では南側の空以外は全て障害物に覆われている状態で、大幅な遅延が見込まれるという診断結果でした。(南むきのベランダなので、南以外の空はマンション自体が傷害となる形です)
結果として、この時点の確認結果が実際に設置した際のネットワーク品質と同じでしたので事前確認は参考になるものと思われます。つまり、この時点で結果がイマイチな場所への設置はほぼ無理と考えた方がいいかもしれません。
注文〜到着
公式サイトから注文しました。初回の注文時に郵便番号まで特定できる住所が送付先に指定されてしまい、正しく認識されませんでしたが、発送準備中(Pending)の状態で送付先住所を正しい住所に修正しました。
念の為、正しい住所が番地や部屋番号まで指定されているかチェックすることをお勧めします。
その後、アメリカからの発送で1週間ほどで届きました。
開封〜設置
専用の段ボールに梱包されて到着しました。段ボールは新品ですが、中を開けるとかなり使用感がありました。袋詰めとかはされておらず、専用の段ボールに直に入っています。
アメリカだと整備済み品が半額以下の価格で指定可能なので、日本も整備済み品が選べるようになっていればいいのにとは思いました。外に設置するものなので多少汚れていようがあんまり気にしませんが、気になる方は要注意です。
同梱物は以下の通りです。
・ACケーブル(日本のコンセントで使用可能です)
・Stalink(アンテナ部分です)
・Starlinkとルータの接続ケーブル
・ルータ(Stalinkと接続するルータです。WiFi機能も搭載しています)
接続イメージは以下の通りです。
・Starlinkとルータは有線接続
・ルータにはLANポートが搭載。WiFiも飛びます。
・AC電源はルータに接続。Stalinkにはルータ経由で給電。
・Stalinkが衛星と接続した後はインターネット経由(Stalinkアプリ)で自宅のStalinkをリモート操作可能
設置方法はStalinkアプリをスマホにダウンロードし、ガイドに従って設置すれば完了です。
電源を入れた後、初期セットアップを完了させるためにアプリをインストールしたスマホでルータのアクセスポイントに無線接続するように促されます。しかし、私の環境ではルータの起動直後だとアクセスポイントに接続してもルータに接続したとアプリからうまく認識されず、時間をおいて試したり、再起動したりしたらうまく接続できるようになりました。
スマホとルータが接続され、Stalinkまで接続されると後は衛星からの受信状況を自動的にチェックし始めます。チェックが始まってから私の環境では1時間ほどかかってようやく衛星と通信されるようになりました。Stalinkのアップデートのダウンロードも始まりましたが、2時間経っても9%しか進まず、ネットワークの診断結果もpingの損失率が95%という状態で残念ながら使い物になりませんでした。
設置場所の改善
何種類かのマウントキットが公式ショップから入手可能です。こちらも返品可能なので、同時に準備した方が良いと思います。
設置業者の方に相談しましたが、集合住宅で最上階かルーフバルコニー等がないと厳しい感じでした。また、基本的に北側から受信するそうなので、南むきのベランダではほぼ受信できないようです。(業者は「Stalink マンション」のキーワード検索で上位に出てきた業者に相談しました)
また、配線をエアコンの配管から通すのが難しいから壁に穴を開けて配管を通す必要があるケースが多いそうです。賃貸だと完全にNGですし、分譲でも管理規約によってはNGなところもあるかと思います。
向いていない環境
まとめると以下の感じかと思います。
・(北向きの)空が開けていない場所
・室内で利用する場合、外壁に配管を通す工事ができない場所
返品
我が家の環境では使い物にならなかったので返品することにしました。
・Stalinkのサイトからログインして、サービスの管理画面からサービスのキャンセル
・キャンセル時にStalinkを返品するかどうかの選択肢がでる
・返品を選択すると、DHLの発送伝票が添付されたメールが送られてくるので、印刷してStalinkの梱包材に貼り付けて、最寄りのDHLへ持ち込み。集荷してくれないのと、DHLの営業所は国内配送業者と比較しても少なく、また車でしか行けないようなところばかりなので注意です。(公共交通機関で運ぶのは結構大変かと思います、持ち運べないほど重くはないですがサイズは大きいので)
感想
・アプリのユーザエクスペリエンスは非常に高い(勉強になる)
・カスタマーエクスペリエンスも高い(発送時のメール、返品対応の迅速さはストレスフリー)
・テスラのソリューション(Powerwallやテスラ車)と組み合わせれば上下水道以外の主要なインフラが整うのでこれによって助かる人は多いだろう
・Stalink miniも国内サービスが開始されたので、キャンプしながらワーケーションなどは捗りそう