この記事は、SmartHR Advent Calendar 2023(シリーズ2)の15日目の記事です。
こんにちは!SmartHRでプロダクトエンジニアをしているtkkr です!
2022/6にSmartHRにジョインをしてからバックエンドエンジニアとして働いていたのですが、2023/9に所属チームのプレイングマネージャーになりました。
プレイングマネージャーを始めてみて、つまずいたことと試してみたことについて書いてみようと思います。
まだまだ継続中の取り組みにはなりますが、一つの気づきとしてお読みいただけますと幸いです🙏
SmartHRにおけるプレイングマネージャーとは
エンジニアとしての開発への貢献と並行しつつ、メンバーの評価や1on1を行ったり、組織とのアラインメントを整える職務になります。
メンバーとしての業務への参加のみならず、MTG中での観察やメンバーへの直接のフィードバックを通じて、チーム全体の成長のサポートも求められる立場です。
SmartHRではチーフという名称で呼ばれています。
つまずいたこと
MTGにおける発言量のバランス
プレイヤーとしての側面は持ちつつも、他のメンバーの活動のサポートをする立場であるため、メンバーのときに発揮していた能力の発揮の仕方に工夫をする必要があると考えました。
しかし、これまでのチーム内で発揮してきた行動をすぐに抑えてしまうと、開発の進行にも影響を与えてしまう可能性もあるため、バランスの取り方にも工夫が必要だと感じていました。
1on1でのフィードバック
元々同じチームのメンバーとして働いていたエンジニアに対して、目標達成や成長支援のために1on1でフィードバックをする立場に変わりました。
これまでの目標設定の背景や各自のキャリアイメージは把握しつつ、「なんとなくこうした方がいいんじゃないかな?」と思うことはありつつも、自信を持って伝えられなかったり、回りくどすぎる言い方になってしまったりすることが多々ありました。
つまずきと関連する自分が保持している特性
役割の変化以外にも、今回のつまずきに関連する自分の特性がありそうなので、自己分析してみました。
共感が早い
- 共感に喜びを感じるタイプである
- 他の人の発言や意見を応援したいが、日常的に発揮できる応援する手段として共感しか持っていなかった
- (浅はかながら)多分この方が上司や先輩へのウケがいいという企みもあった
発言量が多い
- これまで自己主張をすることによって承認欲求を満たしてきた
- 小さい頃から応援団長とかバンドとかやってた
- SNSのいいねやSlackの絵文字リアクション大好き
これらの特性が引き起こしてしまいかねないこと
それぞれの特性は、プレイヤーだったり、特に新人の頃は能力の発揮のためには有効な場面もある手段だったとは思います。
しかしながら、プレイングマネージャーという立場だと、下記のデメリットがあるのではないかと考えました。
- 早期に共感をし、会話を途中で切り上げることで、大切な背景情報を逃す可能性がある
- 悪い意味で、あまり深く話さなくてもわかってくれる人になってしまう可能性がある
- 他のメンバーの発言回数や考える時間を減らしてしまう可能性がある
また、自分に限らず、チームには様々な特性を持ったメンバーがいるため、特性を考慮したコミュニケーションが必要だとも考えています。
まずはゆっくり話すことにした
「ゆっくり話すこと」とは?
下記の2点に注視して業務に取り組むことにしました。
相手が考える時間を考慮する
- 具体例
- 話したいと思ったタイミングで数秒間を間を置く
- 相手のリアクションの前に極力追加で追加で話し始めないようにする
相手の話しやすいペースを考慮する
- 具体例
- 発言自体のスピードを x0.8 くらいにする
- 相手によってペースは変わるものの、自分は元々が早いため、意識的にベースのスピードを下げた
- 発言自体のスピードを x0.8 くらいにする
ただし、いきなり日常的に2つのことを意識しながら生活するのは難しそうだったので、「ゆっくり話すこと」をキーワードとして業務に取り組んでみています。
感じていた課題に対して得られた効果
「ゆっくり話すこと」にした直接の影響だけではなく、「ゆっくり話すこと」を心がけることで、より傾聴やページングを重視したコミュニケーションが取れるようになり、これまで感じていた課題に対して少しずつ効果を感じ始めています。
MTGにおける発言量のバランス
- 自分以外のメンバーの発言回数が増え始めた
- 考える間が自分にも産まれたため、必要な発言に絞って発言できるようになった
開発の進行への影響を減らしつつも、他のメンバーの活躍の機会を増やすことが出来ている傾向が見え始めました。
1on1でのフィードバック
- メンバーの行動の背景をより知れるようになった
- 1on1の場でも相手の発言をより理解しようというスタンスに振り切ることができるようになった
ゆっくり間を置いて話すようにしたことで、相手が話す間が生まれ、1on1の場においてもメンバーのお話をじっくり聞くことができるようになりました。
自分の感じていたこと以外の事情が存在していることを知れることで、頭ごなしなフィードバックを回避することが出来たり、よりメンバーの考えを知るための質問を追加でしやすくなり始めました。
「ゆっくり話すこと」に関する振り返り
気をつけた方がいいと感じたこと
- ゆっくり話すことを意識しすぎて、頭のリソースが奪われてしまうこと
- これまで数十年間かけて形成されてきたコミュニケーションスタイルを変えるのは難しいので、おそらく、いつか忘れてしまうこと
- 急にいきなりゆっくり話すと、ただの不審な人になってしまう可能性があること
- 「ゆっくり話すこと」自体は、本質ではないということ
今後の業務に繋がりそうなこと
- 「ゆっくり話すこと」自体は本質ではないものの、「ゆっくり話すこと」を皮切りに、傾聴やページングを重視したコミュニケーションスタイルが取れるようになってきた
- すべての課題が解決できることはないが、今回の行動をベースとして質問の設定の仕方や問いかけの仕方を学んでいき、プレイングマネージャーとしてよりよい影響をチームに発揮していく上では一定の効果があるように感じているので継続的に意識していけるとよさそう
いかがでしたでしょうか
プレイングマネージャーとして求められるケイパビリティを下支えする行動として、「ゆっくり話すこと」は一定の効果があるものではないかと感じています。
もし、新任プレイングマネージャーの方で似たような悩みがいらっしゃいましたら、ヒントになれれば幸いです。
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