前提
- LaTexを利用して卒論を書いている人に有用な記事になっています。
- LinuxとWindowsで試しました。
- GitHubとGoogle Driveを使用します。アカウントを作ってください。
- 共著者がいる場合はoverleafを使用したほうがいいと思います。この場合は著者が1人であり、ローカルの強いパソコンでoverleafよりも速くコンパイルがしたい人向けです。
卒論が消滅するリスクは以下の通り
- パソコンが壊れる→クラウドにバックアップを取ることで解決
- バックアップを忘れた状態でパソコンが壊れる→バックアップを自動化することで解決
- 誤ってパソコンから卒論を消去してそれがバックアップされてしまう→版管理を行い解決
- リモートのバックアップサービスが停止する→Google Drive(Google社)とGitHub(Microsoft社)のサービスを同時に使用することで冗長性を実現、そもそもインタネット環境に執筆が依存しない構成
- 機械の故障だけではなく、ヒューマンエラーによる消滅も考慮に入れた構成にしました。
- overleafを使用すればすべてリモートで管理されるためにデータが消滅しないですが、コンパイルが遅くサービスがよく落ちるというデメリットがあります。特にサービスが落ちるのは本末転倒です。
バックアップを自動で取る
- データ消滅を防ぐ第一手としてバックアップを取りましょう。ただし人間は忘れやすい生き物なのでバックアップは手動ではいけません。バックアップを取るのを忘れた状態でパソコンが壊れるでしょう。
Windows(Mac)
- Google DriveのWindows版のソフトをインストールして卒論のファイルを同期させてください。
- 具体的な操作方法は以下のリンクです。
- https://kakakumag.com/pc-smartphone/?id=17434
- 同期方法はミラーリングをおすすめします
- これでバックアップを自動でとることができます
Linux
- 多少面倒ですがrcloneを使ってローカルの卒論ファイルを同期します。またcronで同期を自動化します。
- rcloneの使い方は以下のリンクにあります
- https://takuya-1st.hatenablog.jp/entry/2017/12/27/205346
- rclone copyよりrclone syncの方がおすすめです。
- crontabの使い方は以下のリンクにあります。
- https://www.server-memo.net/tips/crontab.html
- crontabに一定周期でrclone syncコマンドを実行させましょう。
- これで一定周期で卒論がGoogle Driveに同期されます。
人為的な消滅を防止する
- 人間は消してはいけないファイルを消してしまう生き物です。更にバックアップ側にも安全機構がついている場合もありますが、それも無視してしまうのが人間の性です。版管理をして消去してしまったファイルを復活させましょう。
- Windows(Mac)で使用したGoogle Driveのソフトはバックアップからも消去するかを聞いてくれます。しかし、ワンクリックで消去できるため無視してしまうかもしれません。
- 以下のGitとGitHubの操作をこまめに定期的に行うようにします。
Gitを使用しよう
- Gitは自分の卒論にバージョンを作ることができます。ファイルを複製することで版管理をする人がいますが、めんどくさいのとフォルダが汚れるため忘れてしまう可能性があります。
- 以下のようなVSCodeを使ったgitはGUIで操作できるためおすすめです。
GitHubを使用しよう
- 卒論のフォルダをすべて消去してしまい、それがバックアップされるたときに困るのでGitHubにバックアップするようにしましょう。
- 先ほどのリンクにGitHubの使い方も記述されています。
- 発展的な内容として、コミットも自動化したい場合は以下のリンクの通り
実際にトラブルが起きたとき
パソコンが壊れた!!
- 他のパソコンを貸してもらって、Google Driveのバックアップから卒論をダウンロードして、GitHubのレポジトリと同期させましょう。
卒論のファイルやファイルの中身を間違えて消してバックアップされちゃった!!
- GitやGitHubから更新の履歴を見て消した内容を復旧しましょう。
卒論消しちゃった!!
- バックアップから再度ダウンロードしよう
卒論のフォルダごと消してバックアップされちゃった!!
- GitHubからcloneしましょう。
- コミットを忘れると大分進捗が消えるので、定期的な自動コミットをするとよいかもしれないです。
Google DriveとかGitHubが落ちた!!
- すべてのデータはローカルにあるので、作業に影響はゼロです。
- バックアップができないので注意して作業する。
以上が2つ以上発生する
- これは大分しんどい
Tips
- トラブルが起きたときの対処をより迅速にするためにREADMEにパソコンの環境構築のやり方を書いたり、Dockerを使っている人はdockerfileごとバックアップをとることがおすすめです。
まとめ
- 自分も今修士論文を書いているので大変です。執筆が大変でこのような環境構築はおっくうに感じてしまいますが、論文は提出するのがゴールなので何か提出できるものが手元にあることが一番重要です。論文を絶対消えないようにしておいて後顧の憂いを断つのはいかがでしょうか?