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ネットワーク基礎

Last updated at Posted at 2019-07-31

1. ネットワークとは

1.1. ネットワークの種類

ネットワークの種類は大きく分けてLANとWANの2種類に分類することができます。

LAN(Local Area Network)
同じ建物の中などの限定された範囲で接続できるネットワークのこと。
WNA(Wide Area Network)
LANとLANをつないだ大きなネットワーク。
インターネットもWANの一種。

ネットワーク_LAN_WAN.png
図1 ネットワークイメージ

1.2. ネットワーク機器

ネットワークを構成する機器には主に以下のようなものがあります。

LANケーブル
端末をネットワークへ接続するケーブル。
NIC(Network Interface Card)と呼ばれる装置が端末に取り付けられており、そこへLANケーブルを接続する。

LANケーブル

HUB(ハブ)
複数のパソコンをLANへ接続するための、集線および中継装置。

HUB

ルーター
ネットワーク間を接続する装置。
別ネットワークから別ネットワークへの通信経路を指示する。

ルーター

回線終端装置(ONU)
インターネット回線を流れる信号をデジタル信号に変換する装置。主にWANとLANを接続する境界線に設置される。
光回線の場合はONU(Optical Network Unit)。ADSL回線の場合はモデムと呼ばれる。

ONU

ファイアウォール
不要な通信を遮断する装置。

ONU

WAF(Web Application Firewall)
ファイアウォールに対して様々な機能を追加したもの。
Webフィルタリング機能、アンチウイルス機能などを提供する場合が多い。

各種機器を実際に配置すると以下のようなイメージとなります。
ネットワーク_02_ネットワーク機器.png
図2 各種機器配置イメージ

2. 通信の仕組み

2.1. IPアドレス

IPアドレスとはネットワーク上で機器を識別するために割り当てられた住所のようなものです。
IPアドレスにはIPv4とIPv6の2種類があります。

IPv4
合計32bitで構成されており、8bit単位で4つに区切られ表記されます。
 (例)192.168.1.1
IPv6
合計128bitで構成されており、16bit単位で8つに区切られ表記されます。
近年ではIPv4のアドレスの枯渇が問題となっており、IPv6への移行が進められています。
 (例)fd00:12:11af:1:21b:8bff:fe9b:b3c8

IPv4アドレス

IPアドレスはネットワーク部とホスト部に分かれており、ネットワーク部はどのネットワークに所属しているかを表し、
ホスト部はネットワーク内での識別番号となります。
ネットワーク部とホスト部の境界線はサブネットマスクにて決定されます。

ネットワーク_03_ネットワーク部ホスト部.png
図3 ネットワーク部とホスト部

IPアドレスは自由に設定可能であり、サブネットマスクによりネットワーク部とホスト部は自由に分割可能ですが、プライベートIPアドレスと呼ばれる概念がありLAN(社内や家庭内)でIPアドレスを設定する場合は決められた範囲内でIPアドレスおよびサブネットマスクを設定することが推奨されます。

■プライベートIPアドレスの範囲

クラス IPアドレス アドレス範囲
クラスA 10.0.0.0/8 10.0.0.0 ~ 10.255.255.255
クラスB 172.16.0.0/12 172.16.0.0 ~ 172.31.255.255
クラスC 192.168.0.0/16 192.168.0.0 ~ 192.168.255.255

参考URL:https://www.kagoya.jp/howto/network/ipaddress/

2.2. IPアドレスの割り振りについて

各ネットワーク端末へIPアドレスを付与する方法は固定IPアドレスDHCPの2種類あります。

固定IPアドレスは各端末へ手動でIPアドレスを設定する方法です。
DHCPは各端末へ自動でIPアドレスを付与する方法です。
DHCPの場合DHCPサーバーと呼ばれる各端末へIPアドレスの割り振りを行う機能を持つサーバーが必要となります。
一般的な家庭の場合DHCPサーバーはルーターが担当する場合が多いです。

2.3. 基本的な通信の仕組み

通信は基本的に宛先のIPアドレスを指定します。
宛先が同一ネットワーク内であれば送信元端末が直接宛先へ通信することができます。
宛先が同一ネットワーク上に宛先が存在しない場合、相手がどこにいるのかが全くわかりません。
この場合はとりあえずデフォルトゲートウェイへ別ネットワークへ探してもらうように依頼します。
基本的にデフォルトゲートウェイにはルーターを指定します。

宛先が別のネットワーク上にある場合はルーターが別のネットワークへ宛先を探しに行き、宛先のネットワークへ到達するまで別のネットワークへ中継を続けます。

■192.168.2.12の端末が同一ネットワークに存在する192.168.2.10へ通信する場合。
ネットワーク_03_ネットワークの仕組み_01.png
ネットワーク_03_ネットワークの仕組み_02.png
①同一ネットワークに存在する192.168.2.12へ通信


>■192.168.2.12の端末が別ネットワークに存在する192.168.1.10へ通信する場合。 ![ネットワーク_03_ネットワークの仕組み_03.png](https://qiita-image-store.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/0/185347/871fb6fa-f950-6711-0ede-6f103d9d268d.png) ![ネットワーク_03_ネットワークの仕組み_04.png](https://qiita-image-store.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/0/185347/5f25f782-ee83-d80b-b3b1-2de64c5f4b02.png) ①同一ネットワーク上に192.168.1.10が存在しないため、デフォルトゲートウェイへ中継 ②ルーターが該当ネットワークを発見し、該当ネットワークのルーター(ゲートウェイ)へ中継 ③該当ネットワークのルーターから宛先へ通信
以下のように宛先が隣接するネットワークに存在しない場合は、ルーターが該当ネットワークを発見できるまで繰り返し中継を続けます。 ![ネットワーク_03_ネットワークの仕組み_05.png](https://qiita-image-store.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/0/185347/7da42461-9ef5-3b98-c326-059d427d1622.png)

2.4. ポート番号とプロトコル

ネットワークを経由して対象へアクセスする場合、対象に対して何らかのアクションの実行やデータの取得を目的とします。
対象端末は送信相手がどのような目的でアクセスしているかを、アクセスされているポート番号にて判断を行います。

また、対象端末は目的に応じた通信ルール(プロトコル)に基づき送信相手と通信を行います。

以下に代表的なポート番号とプロトコルを挙げます。

ポート番号 プロトコル TCP/UDP 説明
80 HTTP TCP Webページを閲覧する際に用いられる。
HTMLなどのコンテンツの送受信に用いられる通信プロトコル。
443 HTTPS TCP 暗号化しHTTPの内容を行うプロトコル。
110 POP3 TCP メールサーバからメールを取得するプロトコル。
25 SMTP TCP メールを送信するプロトコル。
53 DNS UDP 名前解決を行う際に使用するプロトコル。
3389 RDS TCP Windowsのリモートデスクトップ用プロトコル。

ネットワーク_05_ポート番号とプロトコル.png

ポート番号は 0 ~ 65535 の範囲で設定することが可能。
ただし、0 ~ 1023 をウェルノウンポート番号と呼び、特定のサービスやプロトコルが利用することが広く知られており、インターネットで公開するサーバはその番号を当該サービス、プロトコルで利用することが推奨されている。
参照:ポート番号一覧

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