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データベースの正規化について

Last updated at Posted at 2022-01-23

##はじめに
wikipediaで関係の正規化を読んでいて、中々理解が出来なかったので、第1~第5正規形とボイス・コッド正規形についてまとめます。

##正規化とは?
データの重複を排除し、整合性と効率性を持たせること。

##メリット
・データの変更時に生じるデータ不整合を防げる。
・データを変更するときに最小限の労力でできる。
・テーブルの持つ意味が明確になる。
・メンテナンスの効率化を図ることができる。

##デメリット
・アクセス速度が低下する場合がある。
・テーブルが増える。
・SQL文が複雑になる可能性がある。

##非正規形
正規化が行われておらず、1行の中に複数の繰り返し項目が存在すること。

例1:繰り返し現れる列があるパターン
image.png

例2:1つのフィールドに複数の値があるパターン
image.png

##第1正規形
関係がスカラ値のみを持つもの。

第1正規形にするには以下の処理をする。
・一つのフィールドに一つの値のみにする。
・繰り返し現れる列を別の表に分割する(同じ意味を持つ列を複数作らない)。
・導出項目を削除する(他の項目から算出できるため、冗長になる)。

※スカラ値:それ以上分割できない単一の値のこと。
※導出項目:他の列から算出できる項目のこと。

非正規形の例1または、例2を正規化すると以下のようになる。
image.png
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・例1は繰り返し現れる列を、例2は一つのフィールドに複数の値あるものを注文票と注文明細に分割。
・列の「金額」は「単価*数量」で算出できるため削除。

##第2正規形
第1正規形の表から部分関数従属性を排除し、主キー列の値が決まれば主キー以外の列の値が決まるような表に分割したもの。

第2正規形にするには以下の処理をする。
・第1正規形の表にする。
・複合主キーがある表は片方のみに関数従属する列を別の表に分割する。
・主キー列の値が決まれば非キー(主キー以外)の列の値が決まるようにする。

※関数従属性:「ある列の値Xが決まると、別の列の値Yが自動的に決まる」という関係。
※部分関数従属性:AとBからなる複合主キーの場合、「AまたはBが決まるとYが決まる」という関係。

第1正規化したものを第2正規化すると以下のようになる。
image.png
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注文票は以下のため、分割しない。
・複合主キーがないため部分関数従属性があるものはないと判断できる。
・主キーである注文ID列の値が決まれば非キー(主キー以外)列の値が全て決まる。

注文明細表は以下のため、注文明細表と商品表に分割する。
・商品ID(複合主キー)のみに商品名と単価が関数従属する。

##第3正規形
第2正規形の表から推移関数従属性を排除したもの。

第3正規形にするには以下の処理をする。
・第2正規形の表にする。
・非キーに関係従属する非キーの列を別の表に分割する。

※推移関数従属性:以下条件を満たすときの関係(Xは主キー、Y、Zは非キーとする)。
・「Xが決まるとYが決まり、Yが決まるとZが決まる」、「Xが決まると、Zが決まる」が成立する。
・「Yが決まると、Xが決まる」、「Zが決まると、Xが決まる」は成立しない。

第2正規化したものを第3正規化すると以下のようになる。
image.png
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注文票は以下のため、注文票と顧客表に分割する。
・注文ID(主キー)に顧客ID(非キー)が関数従属する。
・顧客ID(非キー)に、顧客名(非キー)、顧客住所(非キー)、電話番号(非キー)が関数従属する。

注文明細表と商品表は以下のため、分割しない。
・非キー間での関数従属性が含まれていない。

##ボイスコッド正規形
第3正規形の表から非キーへ関数従属する主キーの関係を排除したもの。

ボイスコッド正規形にするには以下の処理をする。
・第3正規形の表にする。
・非キーが決定項で複合主キーの片方が従属項のものは別の表に分割する。

※決定項:「Xが決まると、Yが決まる」のXのこと(Yは従属項)。

ボイスコッド正規化の例
以下を要件とする
・受講者とコース名が決まると講師が決まる。
・一人の講師は一つのコースを担当する。
・一人の受講者は複数のコースを受講することができる。

正規化前
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正規化後
image.png
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・非キー列の講師に主キー列のコース名が関数従属するため、受講者と担当講師に分割する

##第4正規形
表の列が全て主キーで、自明でない多値従属性を排除したもの。
※第4正規形の条件を満たしたときは、基本的に第5正規形を満たす

第4正規形にするには以下の処理をする。
・全ての列が主キーの表にする。
・「1対n」の関係を持つ列が1組になる表に分割する。

※多値従属性:Aが決まるとBの集合が決まる関係のこと(「1:n」の関係)。
※自明でない多値従属性:一つの表の中に複数の多値従属性が存在すること。
※自明な多値従属性:一つの表の中に一つの多値従属性が存在すること。

第4正規化の例
正規化前
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正規化後
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以下のため、表を分割する。
・表の列が全て主キーで、非キーが存在しない。
・「業種と商品名、業種と社名」と一つの表に複数の多値従属性がある。

##第5正規形
第4正規形で、自明でない結合従属性を排除したもの。

第5正規形にするには以下の処理をする。
・第4正規形の表にする。
・分割した表を元の表に戻せるようにする。

※結合従属性:分解した表を、元の表に戻すことができる性質のこと。
※自明でない結合従属性:分割した表を、元の表に戻すことができないこと。

第5正規化の例
正規化前
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正規化後
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以下のため、表を分割する。
・表の列が全て主キーで、非キーが存在しない。
・「店名と料理名、店名と食材、料理名と食材」と一つの表に複数の多値従属性がある。

##最後に
最後までご覧いただき誠にありがとうございます。
今回、第1~第5正規形とボイス・コッド正規形についてまとめてみましたが、正直なところ第4~第5正規形はまだ理解があやしいです。
ですので、間違っているところがありましたら、ご指摘いただければ幸いです。

##参考記事
関係の正規化
RDBの正規化理論
「特殊な正規形」を理解する

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