はじめに
不動産情報ライブラリのAPIではタイルデータが公開されています。私もMapLibre GL JSを使って、公開されているタイルを参照したウェブ地図を作ろうとしたのですが、うまくできませんでした。
CORS設定の関係でできない可能性もあり、自分のウェブ地図サーバーでデータを取得してしまう方法ならばできるのではないかと考えました。そこで不動産情報ライブラリAPIを使って、タイルデータを取得する方法についてメモしておくことにしました。
不動産情報ライブラリAPIの提供方針を確認
Webサービスや研究開発に利用してよいということです。今回の作業はウェブ地図のための実験的なものなので趣旨には一致していると考えます。
また、利用規約も確認しておきます。出典の記載などが必要ですね。
- 不動産情報ライブラリ利用規約: https://www.reinfolib.mlit.go.jp/help/termsOfUse/
- 不動産情報ライブラリAPI利用規約: https://www.reinfolib.mlit.go.jp/help/termsOfUse/#tdSection2Title
今回の作業対象エリア
以下の 9/454/201 のタイル区画(Z/X/Y)を作業対象にすることにします。
対象データ
地価公示・地価調査のポイント(点)を対象にすることにします。ズームレベルは13~15です。
https://www.reinfolib.mlit.go.jp/help/apiManual/#titleApi8
方法
Step 0: コマンドの確認
不動産情報ライブラリのAPIで各ZXYにおけるタイル(GeoJSONまたはpbf)をダウンロードするには、WindowsPowerShellで以下のようにやります。なお、API利用申請を行いAPIキーを取得しておくことが必要です。
なお、地価公示・地価調査のポイント(点)については、本来はpclass(任意クラス)を指定しなければ0と1の両方を含むのですが、APIの不具合のためAPIが修正されるまではどちらかを指定する必要があります。(事務局に問い合わせて確認した)
変数を指定してダウンロードできるか以下の通り実験しておきます。(APIキーは伏せています。zxyはサンプルURLのものです。)
#parameter
$year=2024
$pclass=1
#Tile
$z=13
$x=7312
$y=3008
#test command
curl.exe -H "Ocp-Apim-Subscription-Key:(APIキー)" "https://www.reinfolib.mlit.go.jp/ex-api/external/XPT002?response_format=geojson&z=$z&x=$y&y=$z&year=$year&priceClassification=$pclass" -o price0-$z-$x-$y.geojson
Step1: GeoJSONのダウンロード
まず、GeoJSON形式でデータをダウンロードしてみます。指定したz-x-y(9-454-201)の区画に含まれるzxyタイルについてリストし、それぞれをcurl.exeでダウンロードしていきます。
#parameter
$year=2023
$pclass=1
# 範囲の指定(ダウンロード対象のズームレベルと、対象とするタイル範囲)
$zmin=13
$zmax=13
$z0=9
$x0=454
$y0=201
# ダウンロード
$pclass=0
for($z=$zmin; $z -lt $zmax+1; $z++){
$width=[Math]::Pow(2, $z-$z0)
for($x=$x0*$width; $x -lt $x0*$width+$width; $x++){
for($y=$y0*$width; $y -lt $y0*$width+$width; $y++){
#Write-Host $z-$x-$y
curl.exe -H "Ocp-Apim-Subscription-Key:(APIキー)" "https://www.reinfolib.mlit.go.jp/ex-api/external/XPT002?response_format=geojson&z=$z&x=$x&y=$y&year=$year&priceClassification=$pclass" -o price0-$z-$x-$y.geojson
}
}
}
$pclass=1
for($z=$zmin; $z -lt $zmax+1; $z++){
$width=[Math]::Pow(2, $z-$z0)
for($x=$x0*$width; $x -lt $x0*$width+$width; $x++){
for($y=$y0*$width; $y -lt $y0*$width+$width; $y++){
#Write-Host $z-$x-$y
curl.exe -H "Ocp-Apim-Subscription-Key:(APIキー)" "https://www.reinfolib.mlit.go.jp/ex-api/external/XPT002?response_format=geojson&z=$z&x=$x&y=$y&year=$year&priceClassification=$pclass" -o price0-$z-$x-$y.geojson
}
}
}
以下の感じでダウンロードできます。データがないところもサイズは1kbになっていました。
GeoJSONだとダウンロードした後に空かどうかを判断してマージ等をしないといけないので、直接バイナリーのタイル(PBF)をダウンロードすることにします。
Step1’: PBFファイルのダウンロード
PBFファイル形式でダウンロードします。フォルダ構造の中(z/x/y)に入れていく必要があるので、フォルダの作成も併せて行います。
#parameter
$year=2023
$pclass=1
#Extent
$zmin=13
$zmax=15
$z0=9
$x0=454
$y0=201
#PBFのダウンロード
for($z=$zmin; $z -lt $zmax+1; $z++){
Write-Host $z
$width=[Math]::Pow(2, $z-$z0)
for($x=$x0*$width; $x -lt $x0*$width+$width; $x++){
for($y=$y0*$width; $y -lt $y0*$width+$width; $y++){
#Write-Host $z-$x-$y
if(-not (Test-Path $pclass-$year)){mkdir $pclass-$year}
if(-not (Test-Path $pclass-$year/$z)){mkdir $pclass-$year/$z}
if(-not (Test-Path $pclass-$year/$z/$x)){mkdir $pclass-$year/$z/$x}
curl.exe -H "Ocp-Apim-Subscription-Key:(APIKey)" "https://www.reinfolib.mlit.go.jp/ex-api/external/XPT002?response_format=pbf&z=$z&x=$x&y=$y&year=$year&priceClassification=$pclass" -o $pclass-$year/$z/$x/$y.pbf
}
}
}
$pclass=0
for($z=$zmin; $z -lt $zmax+1; $z++){
Write-Host $z
$width=[Math]::Pow(2, $z-$z0)
for($x=$x0*$width; $x -lt $x0*$width+$width; $x++){
for($y=$y0*$width; $y -lt $y0*$width+$width; $y++){
#Write-Host $z-$x-$y
if(-not (Test-Path $pclass-$year)){mkdir $pclass-$year}
if(-not (Test-Path $pclass-$year/$z)){mkdir $pclass-$year/$z}
if(-not (Test-Path $pclass-$year/$z/$x)){mkdir $pclass-$year/$z/$x}
curl.exe -H "Ocp-Apim-Subscription-Key:(APIKey)" "https://www.reinfolib.mlit.go.jp/ex-api/external/XPT002?response_format=pbf&z=$z&x=$x&y=$y&year=$year&priceClassification=$pclass" -o $pclass-$year/$z/$x/$y.pbf
}
}
}
#長さ0のタイルを削除する
$tiles = Get-Childitem -Path */*/*/*.pbf
foreach($tile in $tiles){
if( $tile.length -eq 0){ rm $tile.PSPath}
}
実行するとダウンロードが始まります。PowerShellなので同期処理となっておりすこし時間がかかります。先方サーバーへの負荷を考えると、同期処理のままでよいと思います。
結果(PBF)
pclass(0と1)ごとに2つのフォルダを作り、その中にpbfファイルが入っています。
作業しての感想ですが、ZL15のタイルまでとるとタイル量がおおくなるので、ZLは13だけとか14までとかでもいいかもしれません。
まとめ
今回は不動産情報ライブラリAPIを使ってデータを取得する方法を試しました。無事にPBFファイルをダウンロードすることができました。
今後、ダウンロードしたPBFファイルを、tile-joinなどを使ってPMTilesにすれば容量も多少減るでしょうし、ファイル数も減らすことができると思います。ウェブ上でのホスト方法やウェブ地図の作成も順次進めていきたいと思います。
なお、今回の作業で利用したデータの出典は「国土交通省 不動産情報ライブラリ」です。
参考